イブラの手術とメルカートの方針について
Official Statement: Zlatan Ibrahimović ➡️ https://t.co/w3nDPf4bS3
— AC Milan (@acmilan) May 25, 2022
Comunicato Ufficiale: @Ibra_official ➡️ https://t.co/GmwH4e3kiW#SempreMilan pic.twitter.com/teSiLQAXWf
そのためシーズンを終え、オフに入ったところで手術による完治(膝のコンディション回復)を目指すという流れは個人的にも予想の一つとしてあったのですが、この離脱期間の長さは流石に想定外。最初に知った時は絶句してしまいました、
少なくともこれを書いている時点で、イブラの来シーズンの去就についてはっきりした報道は見られません。ただ、複数報道によればあくまでイブラは現役続行を希望しているとのことです。
現時点で考えは変わらない。イブラは辞めない――Daniele Longo
イブラヒモビッチが受けた膝の手術は、7~8カ月でピッチに戻れるという答えを出した。イブラがシーズン終了後すぐに手術を受けたのは、回復期間を短縮して早くピッチに戻ろうとしたためである。
本人は辞めるつもりはなく、ミランでプレーを続けることが彼の意思だ。一方、クラブも契約更新の問題でズラタンに門戸を閉じることはないだろう。現時点で最も可能性が高いのは、両者が回復の具合を見ながら、どのような契約をいつ結ぶか話し合うことだろう――milannews.it
もちろん、ただでさえ復帰に要する期間が長い上、年齢によるコンディション管理の難しさをも考えるとその苦労は想像を絶します。そのため復帰の可否に関しては予断を許さない状況といえますね。
しかしながらイブラのこれまでの実績を踏まえれば、不屈の精神で戻ってくることは十分にあり得る話であって、個人的にも彼の勇姿を見続けたい思いは今なお強いです。これは彼のモチベーションに依る部分もとても大きいだけに、引き続き注目していきたいと思います。
他方、この一件はクラブにとっても今夏のメルカートの方針に重大な影響を及ぼし得るものです。
仮にイブラがミラン残留を果たしたとしても、プレー可能になるのは早くとも年明けでしょう。また、年齢により懸念される復帰後のコンディションを考えれば、彼を端からピッチ上の主戦力としてアテにするのは得策とは言えません。
以上の点を前提として来夏のミランのCF編成を考えると、まずジルーが今季に引き続きレギュラークラスとして確定です。
そして、今夏はリバプールからオリギの加入が決定的とされています。ジルーとは主に期待される役割が異なるタイプのCFであり、上手くハマればジルーと並んでレギュラークラスとして計算し得ますね。
ここで、問題となるのは「3人目のCFは誰になるか」です。
今季にその役割を務めたのはレビッチでした。イブラ、ジルーが離脱した今シーズン序盤、CFとして出場したレビッチは持ち味のダイナミズムを武器にチームに貢献。イブラやジルーとは異なるタスクを任せられる彼は貴重であり、第3CFとしてかなり有り難い存在でした。
しかしながら、復帰したジルーと入れ替わるように負傷離脱して以降はレギュラーに定着できずに復帰と離脱を繰り返し、最終盤はスーパーサブとしての役割に終始。全体的に期待外れのパフォーマンスに終わったことで今オフシーズンでの放出の可能性が取り沙汰されています。
また、現在のミランには昨冬に加入した若手FWラゼティッチがいますが、今のところピオリ監督から戦力として扱われているとはいえず、来シーズンはレンタル移籍で経験を積むことになるでしょう。
今季のミランは幸いにもジルーがシーズン途中からフル稼働してくれたため事なきを得ましたが、第3CFの存在というのはシーズンを安定して過ごす上で重要になります。そのため仮にレビッチ、ラゼティッチを放出する場合、代わりを補強してしっかりとその穴を埋めて欲しいところです。
それでは具体的に、現在のミランのCF補強候補についてホットな名前を2人見ていきましょう。
まずはサッスオーロに所属するスカマッカです。彼に対してはミランの他にインテルが強い興味を示していると報じられており、ともすればスカマッカを巡ってミラノ勢がリーグ戦に引き続き激しく競争するかもしれないとのこと。
With Ibra being sidelined, #milan will look to sign #Scamacca. The deal would cost around €40M.
— Diavoli di Milano 🇮🇹🏆1️⃣9️⃣ (@milan_devils) May 26, 2022
[@Gazzetta_it] pic.twitter.com/sauOjRF102
しかしながら、第3CFとして考えるとスカマッカは身に余る存在です。若手とはいえ即戦力(主力)クラスですからね。
仮にオリギを左ウイングもこなせる選手(今季のレビッチみたいな感じ)として第3CF扱いするならば、レギュラーとしてスカマッカを迎え入れるシナリオも考えられますが…。現時点ではちょっと考え辛いかなと思いますね。
続いて、2人目の獲得候補としてここではデ・ケテラエルを挙げさせてもらいます。
デ・ケテラエルは所属先のクラブ・ブルージュにて、今季はCFをメインポジションにしてプレー。公式戦49試合に出場して18ゴール10アシストを記録しました。

――今季のデ・ケテラエルの出場ポジションおよび試合数・得点・アシスト(『transfermarkt』より)
ただ、彼はCFだけでなく2列目のあらゆるポジションでプレーできるポリバレント性を武器の一つとしています。上図の通り今季もトップ下や両サイドでそれぞれ数試合スタメン出場しているとのことですし、また昨季に関しては2列目でのプレーの比重が高くなっています。

――昨季のデ・ケテラエルの出場ポジションおよび試合数・得点・アシスト(『transfermarkt』より)
ミランにとって、CFの他に2列目の様々なポジションでも起用できそうな彼を持て余すことはないでしょう。最初は第3CFを含む様々なポジション・役割を試しながら徐々にカルチョの水に慣れてもらい、年明けからはイブラ(※残留したと仮定した場合)の復帰に応じて臨機応変に起用ポジションの比重を変えるなんてことも期待できます。
個人的に、現在噂されるアタッカー候補の中では一番気になっている名前ですね。
イブラヒム・バ(オランダ、ベルギーを担当地区とするチームスカウト)からのポジティブな報告もあり、ミランのフロントはデ・ケテラエルを非常に気に入っている――Daniele Longo
今回言及したスカマッカとデ・ケテラエル、両者の共通点としては「若さ」と「移籍金の高さ」が挙げられます。
若くして実績のある選手の市場価値は高くなるのが自然ですし、この手の選手を獲ろうとするならある程度の出費は避けられません。
そして、ミランフロントが長期に渡って活躍し得る有望なストライカーを熱望しでいることは確かですから、ここは出来る限り妥協せずチームにとって最適な人物を確保して欲しいと思います。
それでは今回はこの辺で。