【今季の集大成】サッスオーロ対ミラン【2021-22シーズン・セリエA第38節】
今回はセリエA第38節、サッスオーロ対ミランのマッチレビューを行いたいと思います。
スタメン

基本システム:サッスオーロ「4-3-3」、ミラン「4-2-3-1」
スタメン

基本システム:サッスオーロ「4-3-3」、ミラン「4-2-3-1」
○注目のマッチアップ
この試合の注目ポイントの一つは「レオン対ミュルドゥル」のマッチアップにあったと思われます。
今のミランと戦う多くのチームは否応なく「レオン対策」に力を注ぐ必要があり、逆にミランからすればレオンを気持ち良くプレーさせることが攻撃において非常に重要となります。
この観点からまず試合を振り返っていくと、最初に言及したいのが試合開始1分過ぎ、サッスオーロのビルドアップのシーンです。

――当該シーン
左サイドからボールを前進させ、前線で楔のパスを受けたスカマッカが右サイドに展開。その後SBミュルドゥルがボールを受け、前方のスペースにドリブルで運んでいくという流れです。ハイプレス時に前方に残っていたレオンの背後のスペースを突いた格好ですね。

――その後の場面
その後、ミュルドゥルからパスを受けたスカマッカですが、トナーリとカルルに寄せられボールロスト。ミランはそこからトナーリが前線のレオンにボールを預け、カウンターから一気に惜しいチャンスを作り出していきました。

――カウンターを仕掛けるミラン
こういったシーンを始め、サッスオーロはミランもといレオンに対しても臆することなく真っ向勝負を仕掛けてきた印象です。対面のミュルドゥルはボールが逆サイドにある時はレオンを警戒する位置を取りながらも、チャンスと見るや積極的に攻め上がり、攻撃に厚みを加えていきます。
一方、その分背後のスペースは空ける形となりますし、そこをカバーするメカニズムも特別に見られなかった事から、もしボールを奪われレオンに展開されれば一気に大ピンチに陥りかねない、と。
サッスオーロとしては自らの信念に基づき、攻撃時に守備のバランスを取る形よりも積極的に前に出て相手を押し下げ、相手の攻撃力を削る形で対抗しようとしたのだと思われます。実際、開始から数分はサッスオーロが主導権を握り、惜しいシーンを作り出していきました。

――高い位置を取るミュルドゥル
○ミランの攻撃
一方、試合開始から少ししてミランもボールを持つようになり、ボールポゼッションからチャンスを作り出そうとします。
この点、サッスオーロが守備時に4-5-1(4-3-3)の純粋なゾーンでセットし、前からのプレッシングとミドルゾーンでのブロックを使い分けていく形が基本。
それに対し、この試合のミランはビルドアップ時にボランチの片方(多くはケシエ)が左サイド後方に下がり、2CBと共に3バックを形成する形が基本です。これにより両SBを押し上げ、彼らに幅を取らせます。

――例えばこの場面。ケシエが左サイドに下がり、3バックを形成する
続くポジショナルな攻撃において、ミランは幅を取った両SBへパスを出し入れしながら、相手の守備陣形をジリジリと押し下げていき前進。そしてサイドの幅を使った攻撃で相手にスライドを強いながら、空いたライン間にパスを送り込むという流れでチャンスを作ろうという形が見られました。

――例えばこの場面。ケシエとサイドのテオによるパス交換で相手守備陣を少し押し下げる。その後、バックパス経由で右サイドに展開

――その後の場面。右サイドのカラブリア(赤)にボールが渡る。この後、ライン間のサレマにパスが送られた
上記の場面ではパスが合わずに相手にボールを拾われたものの、両SBの背後のスペースを2CB+ケシエが中心となり慎重に管理することでリスクを軽減させています。

――当該シーンについて。ボールを拾ったサッスオーロは逆サイドに素早く展開し、カウンターを目論む

――その後の場面。しかし、ここで後方に残っていたケシエにインターセプトされ、再びミランボールに。ケシエはそのままドリブルでの持ち上がりからチャンスを演出した

――参考1:この試合における攻撃時のミランの平均ポジション。ケシエ(79)はトモリ(23)とテオ(19)の間に位置し、当該スペース周辺でバランスを取っていることが窺える
また、相手が前からプレスを仕掛けてきた場合、ミランはGKメニャンを含めて安定したボール回しを行いながら、生じた中盤背後のスペースやサイドのスペースへとボールを送り込んでいきます。サッスオーロがロングボールに対しチームとしてやや難を抱えている印象もあり、ミランとしてはこちらの攻めの方がより良い形を作れました。

――例えばこの場面。前からの圧力を高めるサッスオーロに対し、メニャンは前線へのロングボールを選択。また、ここでトモリが前に上がり、中盤のスペースに侵入していく

――その後の場面。中盤のスペースにてジルーがロングボールを頭で落とし、ボールは前方のレオンに渡る。

――その後の場面。レオンがボールキープしている間にテオがオーバーラップし、スルーパスを引き出す。そこからチャンスを作り出した
このようにミランは相手の出方に応じて臨機応変に形を変えながら、惜しいシーンを作り出していきます。
○ミランの守備
続いてはミランの守備について。まずはプレッシングの局面です。
殊にGK時、後方から繋ごうとする意思をはっきり見せるサッスオーロに対し、ミランはプレスにより妨害を図ります。
この点において、ポイントとなったのがジルーです。
試合前日に書いたプレビュー記事にて、「プレス強度をより高めるために、ファーストディフェンダーとしてレビッチをCF起用するのもアリじゃないか」という話をしたのですが、この試合ではジルーが時にクルニッチのサポートを受けつつ精力的に相手CBからのパスコースを限定する役割を担当。そして後方がそれに連動し、相手の中盤選手をしっかりとマークして自由を許しません、
ゴールはもちろんですが、こうした守備面においてもジルーはチームにとって重要な存在だったと思います。

――例えばこの場面。サッスオーロのCB間のパス交換を機に、ジルーが両CB間のパスコースを切りながらプレッシャーを強める。それと同時に、サレマが縦にスライドし、左CBフェラーリへのパスを警戒する

――その後の場面。サッスオーロはいったん下がってきたエンリケにボールを当てて打開を図るも、周囲のパスコースは塞がれ出しあぐねる状況に。ここでトナーリがプレッシャーを強め奪いにかかる

――その後の場面。ボールを奪ったトナーリは、そのままレオンにパス。決定機を作り出した
一方、サッスオーロの楔のパスを用いたプレス突破やトランジションからの展開などにより自陣での守備を行うことも少なくありませんでしたが、そこでもミランは集中して対応。流動的に動きながら崩しを図るサッスオーロに対して極力マークを外すことなく守り、また「飛び出したCB裏のスペース」というミランにとって弱所になり得る部分にもしっかりと蓋をしました。この点はやはり、トップ下のクルニッチが後ろ向きの守備を苦にしない走力・持久力があり、またスペースを埋める感覚を持っているのも大きいでしょうね。

――例えばこの場面。ラスパドーリがホルダーからパスを受けようと下がり、そこに対応するカルル。一方、ベラルディはその背後への抜け出しを狙う

――その後の場面。抜け出したベラルディにはクルニッチが遅れずしっかりと付いていき、パスの選択肢を制限した(赤)
上記のように、「ミランキラー」ことベラルディは崩しの際に積極的に中に侵入してミランに脅威をもたらそうとしますが、この試合では大体において沈黙することに。時にはライン間でパスも受けますが、そこには主にトモリが鋭く対応することで自由を許しませんでした。

――ライン間でパスを受けるベラルディに対し、鋭い縦スライドにより自由にさせないトモリ(赤)
○怒涛の3得点
さて。こうして攻撃(ボール保持)やショートカウンターからもチャンスを作り出していったミランでしたが、やはり最大の武器となったのが最初のトピックにて言及した「レオンを軸にしたカウンター」です。
17分。CBアイハンからボールを奪ったレオンがカウンターを開始し、追いすがってきたアイハンをぶち抜きゴール前に侵入。その後、レオンのクロスにジルーが合わせてミランが待望の先制点を獲得しました。

――1点目のシーンについて。左サイドから右CBのアイハンにボールが渡ったが、サッスオーロはポジションバランスがやや乱れており、前方に安全なパスコースが無く出しあぐねている状況。ここで、レオンは(おそらく)ピッチサイドのピオリの指示もあり、高い位置を取るミュルドゥルのマークをテオに任せてプレッシャーをかけに行く

――その後の場面。レオンがクルニッチと協力してアイハンからボールを奪取

――カウンターを開始するレオン。このあと背後からのアイハンのプレッシャーをものともせずにボールを運んでいき、ジルーのゴールをアシストした
先に述べたように、サッスオーロは被カウンターのリスクを負ってでも積極的に攻撃を仕掛けましたが、結果的にはこのようにレオンにスペースを与え、失点に繋がる決定機を作らせてしまった、と。
そして32分には再びレオンのクロスからジルー、36分には三度レオンのクロスからケシエがネットを揺らして前半だけで3点を獲得したミラン。前者はロングボールを起点にした攻撃からのカウンタープレス、後者はハイプレスからのショートカウンターという事で、相手の弱所や自らの強みを活かして決定機を作り出し、見事にそのチャンスをモノにした格好です。

――2点目のシーンについて。ジルーに向けたロングボールが蹴られ、そのこぼれ球を中央でフリーのトナーリが拾う

――その後の場面。トナーリは右サイドへとボールを展開。このパスは相手に渡るも、すぐさまカウンタープレスに移行したミランが最終的にボールを奪取し、2点目に繋がった

――3点目のシーンについて。セットプレーの流れから、バックパスによりいったん作り直しを図るサッスオーロ。ここでジルーはGKにまで猛プレスをかけにいき、それに連動してクルニッチもロペスに猛スピードで寄せに行く

――その後の場面。この位置でクルニッチがボールを奪い(赤)、ミランがショートカウンターを開始。レオンのクロスにケシエが合わせ、3点目をゲットした
一方、守備についてはその後、セットプレーにより数少ないピンチに陥ったもののメニャンが貫禄のファインセーブを披露。後半も無事に守り切り、クリーンシートで終えることに成功しました。
サッスオーロ0-3ミラン
雑感(簡易)
チャンスの数・質でサッスオーロを圧倒し、完勝を収めたミラン。内容的に今季のミランの良さが存分に出ていたと思いますし、スクデット獲得という結果も含め素晴らしい試合でした。
今シーズンの良かったところは来季にしっかりと引き継いで欲しいですし、その強みをベースとして更なるチーム力の改善を図っていただきたいと思います。
Forza Milan!
最後まで読んでいただきありがとうございました。
この試合の注目ポイントの一つは「レオン対ミュルドゥル」のマッチアップにあったと思われます。
今のミランと戦う多くのチームは否応なく「レオン対策」に力を注ぐ必要があり、逆にミランからすればレオンを気持ち良くプレーさせることが攻撃において非常に重要となります。
この観点からまず試合を振り返っていくと、最初に言及したいのが試合開始1分過ぎ、サッスオーロのビルドアップのシーンです。

――当該シーン
左サイドからボールを前進させ、前線で楔のパスを受けたスカマッカが右サイドに展開。その後SBミュルドゥルがボールを受け、前方のスペースにドリブルで運んでいくという流れです。ハイプレス時に前方に残っていたレオンの背後のスペースを突いた格好ですね。

――その後の場面
その後、ミュルドゥルからパスを受けたスカマッカですが、トナーリとカルルに寄せられボールロスト。ミランはそこからトナーリが前線のレオンにボールを預け、カウンターから一気に惜しいチャンスを作り出していきました。

――カウンターを仕掛けるミラン
こういったシーンを始め、サッスオーロはミランもといレオンに対しても臆することなく真っ向勝負を仕掛けてきた印象です。対面のミュルドゥルはボールが逆サイドにある時はレオンを警戒する位置を取りながらも、チャンスと見るや積極的に攻め上がり、攻撃に厚みを加えていきます。
一方、その分背後のスペースは空ける形となりますし、そこをカバーするメカニズムも特別に見られなかった事から、もしボールを奪われレオンに展開されれば一気に大ピンチに陥りかねない、と。
サッスオーロとしては自らの信念に基づき、攻撃時に守備のバランスを取る形よりも積極的に前に出て相手を押し下げ、相手の攻撃力を削る形で対抗しようとしたのだと思われます。実際、開始から数分はサッスオーロが主導権を握り、惜しいシーンを作り出していきました。

――高い位置を取るミュルドゥル
○ミランの攻撃
一方、試合開始から少ししてミランもボールを持つようになり、ボールポゼッションからチャンスを作り出そうとします。
この点、サッスオーロが守備時に4-5-1(4-3-3)の純粋なゾーンでセットし、前からのプレッシングとミドルゾーンでのブロックを使い分けていく形が基本。
それに対し、この試合のミランはビルドアップ時にボランチの片方(多くはケシエ)が左サイド後方に下がり、2CBと共に3バックを形成する形が基本です。これにより両SBを押し上げ、彼らに幅を取らせます。

――例えばこの場面。ケシエが左サイドに下がり、3バックを形成する
続くポジショナルな攻撃において、ミランは幅を取った両SBへパスを出し入れしながら、相手の守備陣形をジリジリと押し下げていき前進。そしてサイドの幅を使った攻撃で相手にスライドを強いながら、空いたライン間にパスを送り込むという流れでチャンスを作ろうという形が見られました。

――例えばこの場面。ケシエとサイドのテオによるパス交換で相手守備陣を少し押し下げる。その後、バックパス経由で右サイドに展開

――その後の場面。右サイドのカラブリア(赤)にボールが渡る。この後、ライン間のサレマにパスが送られた
上記の場面ではパスが合わずに相手にボールを拾われたものの、両SBの背後のスペースを2CB+ケシエが中心となり慎重に管理することでリスクを軽減させています。

――当該シーンについて。ボールを拾ったサッスオーロは逆サイドに素早く展開し、カウンターを目論む

――その後の場面。しかし、ここで後方に残っていたケシエにインターセプトされ、再びミランボールに。ケシエはそのままドリブルでの持ち上がりからチャンスを演出した

――参考1:この試合における攻撃時のミランの平均ポジション。ケシエ(79)はトモリ(23)とテオ(19)の間に位置し、当該スペース周辺でバランスを取っていることが窺える
また、相手が前からプレスを仕掛けてきた場合、ミランはGKメニャンを含めて安定したボール回しを行いながら、生じた中盤背後のスペースやサイドのスペースへとボールを送り込んでいきます。サッスオーロがロングボールに対しチームとしてやや難を抱えている印象もあり、ミランとしてはこちらの攻めの方がより良い形を作れました。

――例えばこの場面。前からの圧力を高めるサッスオーロに対し、メニャンは前線へのロングボールを選択。また、ここでトモリが前に上がり、中盤のスペースに侵入していく

――その後の場面。中盤のスペースにてジルーがロングボールを頭で落とし、ボールは前方のレオンに渡る。

――その後の場面。レオンがボールキープしている間にテオがオーバーラップし、スルーパスを引き出す。そこからチャンスを作り出した
このようにミランは相手の出方に応じて臨機応変に形を変えながら、惜しいシーンを作り出していきます。
○ミランの守備
続いてはミランの守備について。まずはプレッシングの局面です。
殊にGK時、後方から繋ごうとする意思をはっきり見せるサッスオーロに対し、ミランはプレスにより妨害を図ります。
この点において、ポイントとなったのがジルーです。
試合前日に書いたプレビュー記事にて、「プレス強度をより高めるために、ファーストディフェンダーとしてレビッチをCF起用するのもアリじゃないか」という話をしたのですが、この試合ではジルーが時にクルニッチのサポートを受けつつ精力的に相手CBからのパスコースを限定する役割を担当。そして後方がそれに連動し、相手の中盤選手をしっかりとマークして自由を許しません、
ゴールはもちろんですが、こうした守備面においてもジルーはチームにとって重要な存在だったと思います。

――例えばこの場面。サッスオーロのCB間のパス交換を機に、ジルーが両CB間のパスコースを切りながらプレッシャーを強める。それと同時に、サレマが縦にスライドし、左CBフェラーリへのパスを警戒する

――その後の場面。サッスオーロはいったん下がってきたエンリケにボールを当てて打開を図るも、周囲のパスコースは塞がれ出しあぐねる状況に。ここでトナーリがプレッシャーを強め奪いにかかる

――その後の場面。ボールを奪ったトナーリは、そのままレオンにパス。決定機を作り出した
一方、サッスオーロの楔のパスを用いたプレス突破やトランジションからの展開などにより自陣での守備を行うことも少なくありませんでしたが、そこでもミランは集中して対応。流動的に動きながら崩しを図るサッスオーロに対して極力マークを外すことなく守り、また「飛び出したCB裏のスペース」というミランにとって弱所になり得る部分にもしっかりと蓋をしました。この点はやはり、トップ下のクルニッチが後ろ向きの守備を苦にしない走力・持久力があり、またスペースを埋める感覚を持っているのも大きいでしょうね。

――例えばこの場面。ラスパドーリがホルダーからパスを受けようと下がり、そこに対応するカルル。一方、ベラルディはその背後への抜け出しを狙う

――その後の場面。抜け出したベラルディにはクルニッチが遅れずしっかりと付いていき、パスの選択肢を制限した(赤)
上記のように、「ミランキラー」ことベラルディは崩しの際に積極的に中に侵入してミランに脅威をもたらそうとしますが、この試合では大体において沈黙することに。時にはライン間でパスも受けますが、そこには主にトモリが鋭く対応することで自由を許しませんでした。

――ライン間でパスを受けるベラルディに対し、鋭い縦スライドにより自由にさせないトモリ(赤)
○怒涛の3得点
さて。こうして攻撃(ボール保持)やショートカウンターからもチャンスを作り出していったミランでしたが、やはり最大の武器となったのが最初のトピックにて言及した「レオンを軸にしたカウンター」です。
17分。CBアイハンからボールを奪ったレオンがカウンターを開始し、追いすがってきたアイハンをぶち抜きゴール前に侵入。その後、レオンのクロスにジルーが合わせてミランが待望の先制点を獲得しました。

――1点目のシーンについて。左サイドから右CBのアイハンにボールが渡ったが、サッスオーロはポジションバランスがやや乱れており、前方に安全なパスコースが無く出しあぐねている状況。ここで、レオンは(おそらく)ピッチサイドのピオリの指示もあり、高い位置を取るミュルドゥルのマークをテオに任せてプレッシャーをかけに行く

――その後の場面。レオンがクルニッチと協力してアイハンからボールを奪取

――カウンターを開始するレオン。このあと背後からのアイハンのプレッシャーをものともせずにボールを運んでいき、ジルーのゴールをアシストした
先に述べたように、サッスオーロは被カウンターのリスクを負ってでも積極的に攻撃を仕掛けましたが、結果的にはこのようにレオンにスペースを与え、失点に繋がる決定機を作らせてしまった、と。
そして32分には再びレオンのクロスからジルー、36分には三度レオンのクロスからケシエがネットを揺らして前半だけで3点を獲得したミラン。前者はロングボールを起点にした攻撃からのカウンタープレス、後者はハイプレスからのショートカウンターという事で、相手の弱所や自らの強みを活かして決定機を作り出し、見事にそのチャンスをモノにした格好です。

――2点目のシーンについて。ジルーに向けたロングボールが蹴られ、そのこぼれ球を中央でフリーのトナーリが拾う

――その後の場面。トナーリは右サイドへとボールを展開。このパスは相手に渡るも、すぐさまカウンタープレスに移行したミランが最終的にボールを奪取し、2点目に繋がった

――3点目のシーンについて。セットプレーの流れから、バックパスによりいったん作り直しを図るサッスオーロ。ここでジルーはGKにまで猛プレスをかけにいき、それに連動してクルニッチもロペスに猛スピードで寄せに行く

――その後の場面。この位置でクルニッチがボールを奪い(赤)、ミランがショートカウンターを開始。レオンのクロスにケシエが合わせ、3点目をゲットした
一方、守備についてはその後、セットプレーにより数少ないピンチに陥ったもののメニャンが貫禄のファインセーブを披露。後半も無事に守り切り、クリーンシートで終えることに成功しました。
サッスオーロ0-3ミラン
雑感(簡易)
チャンスの数・質でサッスオーロを圧倒し、完勝を収めたミラン。内容的に今季のミランの良さが存分に出ていたと思いますし、スクデット獲得という結果も含め素晴らしい試合でした。
今シーズンの良かったところは来季にしっかりと引き継いで欲しいですし、その強みをベースとして更なるチーム力の改善を図っていただきたいと思います。
Forza Milan!
最後まで読んでいただきありがとうございました。