マイク・メニャンの重要性について ~ビルドアップの局面~

2 Comments
カカニスタ22
今季からミランの守護神を務めるマイク・メニャン。

言わずもがな彼はシーズンを通して素晴らしいパフォーマンスを披露しており、もはや彼のいないミランは考えられないといっても過言ではないと個人的には思っています。

今回はそんなメニャンについて、後方からのビルドアップの局面における彼の重要性に言及していこうかなと。
平均パス本数

まずはパススタッツの観点から見ていきましょう。
『fbref』によると、今季ここまでのメニャンのパス本数(※ゴールキックやスローイングによるパスを除く)は1試合平均で「31.17本」です。昨季のドンナルンマ(27.73本)と比較すると、キーパーによる平均パス本数が増加していることがわかります。

しかし、上記のメニャンの数値はあくまで今シーズン全体を通してのものです。というのもシーズンを経て味方との相互理解を深め、メニャンを組み込んだビルドアップの形が確立した現在、その数は明らかに増加傾向にあります。実際、リーグ戦直近5試合におけるメニャンの平均パス本数は以下の通りです。

トリノ戦   42本
ジェノア戦  41本
ラツィオ戦  36本
ヴィオラ戦  40本
ヴェローナ戦 38本



平均して「39.4本」と、彼がより安定して組み立てに絡むようになったことが窺えます。



メニャンのプレースタイル

それでは、具体的にメニャンのプレースタイルを振り返っていきましょう。

最後方での組み立てにおいて、メニャンがバックラインに加わりパス回しに絡む光景というのはもはや当たり前のようになりました。

メニャン_プレースタイル分析1
――シーン1:フィオレンティーナ戦における一場面


彼が中央で確実にボールを持てることで、CBがサイドに開いてパスコースを作るという動きが容易になりますし、それにより相手の守備の基準点を乱すことが可能になる、と。

そして、こうしたプレーは殊にハイプレスで前からハメに来ようとする相手に対して大きな効果を発揮します。具体例を挙げましょう。


メニャン_プレースタイル分析2
――シーン2:

先日のヴェローナ戦の一場面について。メニャンがトモリからバックパスを受けたシーンですが、ここでCBトモリは素早くサイドに開き、メニャンからリターンパスを引き出します。

メニャン_プレースタイル分析3
――シーン3


メニャン_プレースタイル分析4
――シーン4:その後の場面。パスを受けたトモリはそのまま前方にボールを持ち運んだ

ヴェローナとしてはシメオネとカプラーリの前線2枚でミラン両CBをマークし、前からビルドアップを妨害しにいきたいわけですが、このようなCBの動きにびっちりとマンマークで対応するのは極めて困難です。もし付いたとしても今度は中央が空きますから、中央経由でマークを外され速攻を受けるリスクが高まると。そもそも体力的にも厳しいです。

それでは、このようなときにメニャンに対し、相手のFWがプレスに来た場合はどうなるか。解決策の一つとして、中央経由によりサイドのCBに預ける形が挙げられます。


メニャン_プレースタイル分析5
――シーン5

トリノ戦におけるワンシーン。ここではトリノ2トップの片方であるベロッティがトモリへのパスコースを切りながらメニャンにプレスを仕掛けます。そこで、まずメニャンは下がってきたトナーリに縦パスを供給する、と。


メニャン_プレースタイル分析6
――シーン6:

その後の場面。トナーリからサイドに開いたトモリにワンタッチで落とし、ベロッティのマークを外して前方にボールを運ぶことができました。

また、相手が前からプレッシャーを強めるのであれば、ロングボールを使って相手の手薄となったDFラインやライン間を突くというのも有効な手段です。
こういったプレーもメニャンは抜かりなく行えますし、中でもサンプドリア戦のレオンへのアシストは正に象徴的なプレーだったのではないでしょうか。


サンプドリア戦、ゴール映像)


さて。ここで留意しておくべきは、以上のようなプレーを安定して行うにはGKの高い技術やインテリジェンスが非常に重要だという事です。
例えば先のヴェローナ戦のシーンにおいては、サイドに開いたCBに対して正確なパスを送る技術がなければリスクの高いプレーになりますし、相手にパスコースを先読みされないようパスの角度やタイミングを計るなどといったスキルも重要となります。

また先のトリノ戦のシーンにおいても、相手選手が自分に向かって来たことで生じるフリーの味方や、そこにパスを送り届けるためのルートを自己と周囲の位置関係から素早く認知するインテリジェンス能力が求められます。もちろん、相手のプレッシャーをいなせるメンリティと技術は大前提です。
仮にこういった能力を十分に備えていなければ、上記のようなプレーを安定的に行うことは難しくなりますし、ともすれば以下のような致命的なエラーというのも少なからず起きかねない、と。





最後に。現在のミランのビルドアップ能力の高さを支える要因は様々考えられますが、その中でも先述の通り、メニャンの存在というのはかなり大きなウェイトを占めているのではないかなと。
GKの本分であるセービングでチームを救うだけでなく、攻撃においても非常に重要な役割を果たすメニャンはもはやチームに必要不可欠ですし、これからも末永く「守護神兼レジスタ」としてミランを支えて欲しいと思います。

それでは今回はこの辺で。
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Comments 2

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Aki  

いつもありがとうございます。

「守護神兼レジスタ」…とても良い表現ですね。前任者退団の時は不安いっぱいでしたが、ここまで補って”余りある”選手とは思いませんでした。ジルーやレオン覚醒以上に、今季最大の補強と思っています。
シュートストップだけでなくビルドアップの貢献度は本当に素晴らしいですし、その割に意外と、前に出すぎたりプレッシャー掛けられたりでヒヤッとする場面は少ないんですよね。前任者は発展途上ということもあり前に出すぎたりボール貯めすぎてヒヤッが多かったので…。

世界的にもトップクラスと思うので、移籍金からすると最高の補強です。

  • 2022/05/12 (Thu) 09:12
  • REPLY
カカニスタ22
カカニスタ22  
To Akiさん

コメントありがとうございます。

メニャンの安定感については判断・技術・メンタルいずれの能力も高水準であることが大きいでしょうね。この安定感があるのとないのとではチームの組み立てのバリエーションが大きく変わってきますし、それ故にメニャンはチームに不可欠な存在だと思います。

  • 2022/05/12 (Thu) 13:36
  • REPLY