インベストコープ、ミラン買収が決定的に!~現時点で予想される変化について~
🚨 Investcorp could conclude their deal to buy AC Milan this Friday.
— Transfer News Live (@DeadlineDayLive) April 27, 2022
The sale is estimated at €1.18 billion, including debts.
The club will have around €300M to spend this summer.
(Source: @RMCsport) pic.twitter.com/TqX3kW29AF
上記ソースによれば、インベストコープがエリオットに支払う額は11億8000万ユーロ。また、これによりクラブが今夏の移籍市場で使える資金は約3億ユーロになるだろうとのことです。
この買収話に関する論点は様々なものが考えられますが、今回言及したいのはこの買収を機に「フロント陣や選手(獲得)はどれくらい変化するのか」といった点です。
まずはマルディーニ、マッサーラ、モンカダといった主にチームのスポーツ面の強化に取り組んでくれている彼らが新オーナーの下でどうなるかという話ですが、これに関しては概ね「残留するだろう」との楽観的な報道がなされています。
インベストコープはマルディーニのような人物がいかに重要であるかを良く理解しており、また、この2年半の仕事ぶりに対して全面的に評価している。そのためマルディーニ、マッサーラ、モンカダとはそれぞれ新たに2年契約を結び、信頼関係を維持する可能性が非常に高い――calciomercato.com
ここ2年半の補強について「完璧」とまでは流石に言えないと思いますが、それでも限られた予算で有望な若手選手を集めつつ要所に頼れるベテランを迎え入れ、5~6年前からは考えられないほど強力なチームとなったのは彼らによるスカウティングの側面が間違いなく大きいはずです。
そして、資金面の制約の改善が大きく期待されるこれから先は彼らの手腕がより発揮し易くなるでしょうし、個人的にもこのまま継続していって欲しいと思います。
一方、現在財政面の改善に注力しているガジディスCEOについては、現時点において新オーナーの下での去就は「不透明」とされています。
パオロ・マルディーニとフレデリック・マッサーラの両ディレクターは、新オーナーであるインベストコープの下に残ることが濃厚だ。だが、ガジディスの将来は依然不透明である。彼はミランとの現行契約を11月末まで残しており、それまではCEOの地位に留まるが、その先のことは明らかではない。
インベストコープが、ミランを財政的な復活に導いたガジディスを続投させたいと考えている可能性もある。一方、これまでの多くのビジネスにおける自身の成功例から、既に良く知っていて信頼できる人物をこの重要な地位に就かせたいと考えているかもしれない――La Repubblica
ミランCEO就任当初、アーセナル時代のいくつかの失策(主力選手との法外な額での契約更改など)によりガジディスに対する疑念の声はチラホラ見られ、かくいう僕もボバンとの対立などからあまり良いイメージを持っていませんでした。
しかしながら、ミランにおいては精力的な活動によって多くのスポンサーを獲得するなど、クラブの財政改善に大きく貢献してくれています。実際エリオット政権の発足時、前時代の失態により引き継いだ赤字は2億ユーロにも上ったようですが、それが今や4000万ユーロの赤字にまで減らすことに成功。これはコロナ禍により大きな経済損失があったことも踏まえれば素晴らしい結果なのではないでしょうか。
ただしこの人事に関しては、上記引用文にもある通りインベストコープが予てより信頼する人物を置きたがっても不思議ではないので、そう考えるとガジディス退団はあり得る話なのかなと。何にせよ、自身の仕事を真摯に全うするガジディスには感謝したいです。
続いて選手についてです。
前述の通り、補強予算にも影響を与えるであろう今回のオーナー変更により、現在の獲得候補リストには少なからず修正が加えられるでしょう。
予算による制約が多少なり減ることで、より有望な若手だったり完成されたビッグネームだったりを候補に入れられるかもしれません。
ただし、報道を見るにインベストコープの補強方針もエリオット時代のそれと大きく異なるものではないようですし、個人的にもそれで良いと思っています。既にソリッドなチームが出来ている現状、大量補強でチームの基盤を崩すことは戦力強化以上にリスクが大きいと思いますし、ただでさえ今夏は既にケシエ、ロマニョーリ等の放出によりある程度の入れ換えが必須となっています。
個人的な理想としては、今後数年かけて各ポジションに超有望な若手やトップクラスをピンポイントで迎え入れられるようになることかなと。その点、今夏はストライカーもしくは右サイド(2列目アタッカー)が要補強ポジションとなっているので、ここに景気良くドカンと資金を投じられたら良いなぁと漠然と考えています。
最後に。今回の買収により、ミランは世界トップクラブに返り咲くための更なる一歩を踏み出そうとしています。
新スタジアム建設問題を始め課題はまだまだありますが、この一件がクラブの未来にとってポジティブな結果をもたらしてくれることを信じたいですね。
それでは今回はこの辺で。