トンマーゾ・ポベガVSミラン
第32節のミラン戦にて先発し、84分までプレーしたトンマーゾ・ポベガ。
来季のミラン復帰が確実視されてきている彼のパフォーマンスはミラニスタにとっても注目すべきポイントの一つであったわけですが、彼は献身的なプレーでチームの無失点に貢献しました。
そこで今回は、いくつか彼のプレーを振り返っていこうと思います。
来季のミラン復帰が確実視されてきている彼のパフォーマンスはミラニスタにとっても注目すべきポイントの一つであったわけですが、彼は献身的なプレーでチームの無失点に貢献しました。
そこで今回は、いくつか彼のプレーを振り返っていこうと思います。
まずは攻撃面について。この点、ポベガの主な役割は「前線のスペースに積極的にアタックしていく」ことにあったと思われます。例えば右サイドにボールを展開した際、そこへの対応のため前に出たテオの背後のスペースを狙っていく、といった形ですね。

――例えばこの場面。左サイドからボールを受けたポベガはシンプルに右サイドのWBに展開

――その後の場面。トリノWBの対応に出たテオの背後に走り込み、パスを引き出そうとした
また、トリノがチームとして左サイドからの組み立て・崩しを重視する中、右側を主戦場とするポベガはフィニッシャーとして積極的にゴール前へと顔を出していきます。

――例えばこのセットプレーの場面。ポベガはキッカーの方に向かって下がり、自身をマークするケシエを引き付ける

――その後の場面。ポベガは方向転換し、作り出した前方のスペースに向かって鋭く走り出す

――その後の場面。最終的に合わなかったものの、キッカーからロングボールを引き出した
しかし、こうした動きによるボールの引き出しはケシエのタイトなマークで封じられてしまいました。加えてベロッティに楔のパスを当て、その周辺のスペースへ飛び出しリターンを受けるという形も主にマーカーのトモリにより阻止されたため上手くいかず。全体としてポベガの前への飛び出しが活きるシーンというのは中々見られませんでした。
続いてもう一つ、ポベガが担った重要な役割として「ロングボールのターゲット」が挙げられます。
ミランのプレスを警戒してか、ロングボールによる組み立ても多用していたトリノ。その際、ポベガがボールの受け手として使われる形が散見されました。

――参考1:この試合における空中戦勝利数ランキング
一方、守備の局面についてはどうか。この点、ポベガはマンツーマン志向の強いトリノの守備組織の一員として、主に対面のケシエを厳しくマークする役割を担当。広範囲に動く彼を捕まえ、ミランの後方からのビルドアップを封じていきます。
こうしたトリノの守備に対してミランもロングボールを使った攻撃を仕掛けたため、そのこぼれ球の回収というのは両チームにとって重要なポイントとなったわけですが、ポベガはボール回収のスタッツにおいてチームトップタイとなる「7回」を記録。チームとしてはやや劣勢の中で存在感を発揮します。
また、攻撃だけでなく守備時においてもポベガの長身は活かされており、守備時の空中戦回数はチームの中でCBブレーメルに次ぐ「3回」を記録しました。

――例えばこの場面。クロスボールを頭でエリア内へと折り返すカラブリア。そこへ反応するケシエとポベガ。

――その後の場面。ボールを弾き返すポベガ(赤)
さて。ここまでミラン戦におけるポベガのパフォーマンスをざっと振り返って見ましたが、彼の持つフィジカル的能力が攻守において発揮されていたことが分かります。
そして今のミランのチーム事情と絡めて考えたとき、彼の能力というのは来季のチームに貴重な選択肢をもたらすはずです。
例えば、攻撃時に発揮される彼の「縦のダイナミズム」。今のミランがしばしば欠くことの多いこうした動きをポベガは持ち味としており、鋭い前方スペースへの飛び出しからスルーパス・ラストパスを引き出したり相手DF陣を押し下げたりする役割が期待されます。
そして、ポベガは強度が求められるミランの中盤に問題なくフィットし得るフィジカル的能力を持っていますし、守備時においてはトリノで鍛えられた「マーキング・プレッシング能力」や「ボール回収能力」等がミランでも大いに役立つはずです。
適切なタスクを与えればトップ下やインサイドハーフ、ボランチなど様々なポジションで起用可能でしょうし、彼の帰還が今から非常に楽しみです。
アドリを始めとする新加入選手たちと共に、チームに新たな風を起こしてもらいたいと思います。
それでは今回はこの辺で。

――例えばこの場面。左サイドからボールを受けたポベガはシンプルに右サイドのWBに展開

――その後の場面。トリノWBの対応に出たテオの背後に走り込み、パスを引き出そうとした
また、トリノがチームとして左サイドからの組み立て・崩しを重視する中、右側を主戦場とするポベガはフィニッシャーとして積極的にゴール前へと顔を出していきます。

――例えばこのセットプレーの場面。ポベガはキッカーの方に向かって下がり、自身をマークするケシエを引き付ける

――その後の場面。ポベガは方向転換し、作り出した前方のスペースに向かって鋭く走り出す

――その後の場面。最終的に合わなかったものの、キッカーからロングボールを引き出した
しかし、こうした動きによるボールの引き出しはケシエのタイトなマークで封じられてしまいました。加えてベロッティに楔のパスを当て、その周辺のスペースへ飛び出しリターンを受けるという形も主にマーカーのトモリにより阻止されたため上手くいかず。全体としてポベガの前への飛び出しが活きるシーンというのは中々見られませんでした。
続いてもう一つ、ポベガが担った重要な役割として「ロングボールのターゲット」が挙げられます。
ミランのプレスを警戒してか、ロングボールによる組み立ても多用していたトリノ。その際、ポベガがボールの受け手として使われる形が散見されました。

――参考1:この試合における空中戦勝利数ランキング
一方、守備の局面についてはどうか。この点、ポベガはマンツーマン志向の強いトリノの守備組織の一員として、主に対面のケシエを厳しくマークする役割を担当。広範囲に動く彼を捕まえ、ミランの後方からのビルドアップを封じていきます。
こうしたトリノの守備に対してミランもロングボールを使った攻撃を仕掛けたため、そのこぼれ球の回収というのは両チームにとって重要なポイントとなったわけですが、ポベガはボール回収のスタッツにおいてチームトップタイとなる「7回」を記録。チームとしてはやや劣勢の中で存在感を発揮します。
また、攻撃だけでなく守備時においてもポベガの長身は活かされており、守備時の空中戦回数はチームの中でCBブレーメルに次ぐ「3回」を記録しました。

――例えばこの場面。クロスボールを頭でエリア内へと折り返すカラブリア。そこへ反応するケシエとポベガ。

――その後の場面。ボールを弾き返すポベガ(赤)
さて。ここまでミラン戦におけるポベガのパフォーマンスをざっと振り返って見ましたが、彼の持つフィジカル的能力が攻守において発揮されていたことが分かります。
そして今のミランのチーム事情と絡めて考えたとき、彼の能力というのは来季のチームに貴重な選択肢をもたらすはずです。
例えば、攻撃時に発揮される彼の「縦のダイナミズム」。今のミランがしばしば欠くことの多いこうした動きをポベガは持ち味としており、鋭い前方スペースへの飛び出しからスルーパス・ラストパスを引き出したり相手DF陣を押し下げたりする役割が期待されます。
そして、ポベガは強度が求められるミランの中盤に問題なくフィットし得るフィジカル的能力を持っていますし、守備時においてはトリノで鍛えられた「マーキング・プレッシング能力」や「ボール回収能力」等がミランでも大いに役立つはずです。
適切なタスクを与えればトップ下やインサイドハーフ、ボランチなど様々なポジションで起用可能でしょうし、彼の帰還が今から非常に楽しみです。
アドリを始めとする新加入選手たちと共に、チームに新たな風を起こしてもらいたいと思います。
それでは今回はこの辺で。