【8試合ぶりの複数得点】ミラン対ジェノア【2021-22シーズン・セリエA第33節】

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カカニスタ22
今回はセリエA第33節、ミラン対ジェノアのマッチレビューを行いたいと思います。

スタメン

【21-22】ミラン対ジェノア_スタメン_TACTICALista_20224161850

基本システム:ミラン「4-3-3」、ジェノア「4-3-2-1」
ミランの1点目

今回はミランが久々に2得点(※調べてみたらミランが2点を取ったのは2月のサレルニターナ戦以来8試合ぶりです)を挙げての勝利という事で、攻撃の局面に焦点を絞って見ていこうと思います。

まずは試合序盤のミランの攻撃とジェノア守備についてです。

ジェノアは守備時4-3-2-1でセットし、チームとしてのプレスの開始位置を低めに設定。中央を固めてミランの前進を阻もうとする形です。
これに対しボールの主導権を握ったミランは、攻撃時に4-3-3の形を軸にします。ベナセルがケシエとライン間に侵入し、レオン、サレマの2人がサイドで幅を取る形が基本になりました


【21-22】ミラン対ジェノア_戦術分析1
――ジェノアの守備陣形とミランの攻撃陣形


こうした両陣形のマッチアップにおいて、ポイントになったのがサイドでした。ジェノアが中央を固める一方、比較的空き易いサイドのスペースでボールを受けるSBを起点にミランは攻めていきます。


【21-22】ミラン対ジェノア_戦術分析2
――例えばこの場面。ミランのSBに対し、ジェノアはインサイドハーフが出てくる形が基本。ここでミランはケシエが飛び出して相手CBを引っ張り、このあと相手インサイドハーフの背後のスペースにテオがレオンとのワンツーで侵入。そのままドリブルでゴール前に侵入して惜しいチャンスを作り出した

すると11分、カルルがサイドからボールを持ち運び正確なクロスを供給。そのボールをファーサイドから飛び込んだレオンがダイレクトで合わせ、ミランが先制点を獲得しました。


【21-22】ミラン対ジェノア_戦術分析3
――1点目のシーンについて。左サイドのテオにボールを展開するミラン


【21-22】ミラン対ジェノア_戦術分析4
――その後、CBを経由して逆サイドのカルルに展開するミラン。ジェノアの中盤3枚はスライドが遅れ、カルルにフリーで前進を許す


【21-22】ミラン対ジェノア_戦術分析5
――その後の場面。ゴール前の状況を見極める時間とスペースを得たカルルは、この後ファーサイドへ正確なクロス。それにレオンが合わせてネットを揺らした


カルルはカラブリアがウォームアップ中に負傷したことにより急遽SBに回されたわけですが、それでも堂々たるパフォーマンスを披露。来季はカラブリアの地位すら安泰ではないのではないかと感じさせます。
一方、レオンも公式戦7試合ぶりのゴールを記録。前半はそれ以外の多くの場面でロストマシーンと化していたものの、立ち位置が整理されゴールも取れたという事で、シーズン最終盤戦に向けた復調が期待されますね。

さて。得点シーン以外にも、ミランはサイドを使った攻撃でジェノアの中盤3枚を揺さぶるなどして攻撃を仕掛けます。


【21-22】ミラン対ジェノア_戦術分析6
――例えばこの場面。右サイドからボールを前進させ、ジェノア守備陣を引き付けたところでベナセルのサイドチェンジ。逆サイドで待つレオンにボールを展開させた

決定機にまでは中々至らなかったものの、良い形を作り出すことに成功していました。



ジェノアの修正

そんな中、20分過ぎにジェノアはシステムを4-4-2(4-4-1-1)に変更。前線の2枚でミランの2CB+アンカーの動きを制限し、かつ中盤ラインの枚数を増やすことで前述のミランのサイド攻撃に対応します。


【21-22】ミラン対ジェノア_戦術分析7
――20分過ぎからのジェノアの守備陣形。エクバンが左サイドに回って4-4-2を形成。ここではカルルを監視する

これによりミランはSBを起点としたサイド攻撃を中々仕掛けられなくなり、攻撃が行き詰り易くなりました。

こうなった際、例えばボトムの構造を変化させたり(例として、トナーリを一列下げて3バックを形成し、かつベナセルをアンカーに落として後方から3+1でボールを動かす)、もしくはアンカーのトナーリに多少リスクをかけてでもボールを回し、中央を経由させることで相手の守備の基準点を乱したりといった対応が見たかった所でしたがそうしたことはほとんどせず。
攻めあぐねる状況が続き、トモリによる裏へのロングパスやマーカーを外すキープからの強引な縦パスといった形で散発的なチャンスを作るに止まりました。

既に1点リードしている状況という事であまりリスクをかけたくなかったのかもしれませんが、対応力という点で個人的には疑問を感じました。以前はもっと流動的に配置を変えるなどしていたんですけどね。



ミランの2点目

後半になってからもジェノアの守備(前からの強度を高める)に対し有効な打開策を見つけられぬまま時間が過ぎていった印象ですが、徐々に試合展開がオープンなものになっていきます。

そんな中、ミランは61分にサレマとジルーに代えてメシアスとレビッチを投入。この2人が試合を決定づける追加点獲得に大きく貢献してくれました。

まずトップに入ったレビッチは、ジルーとは異なる動きで崩しに関わります。
主にサイドからの崩しの際に積極的にボールサイドに寄り、ダイナミズムを活かしてボールホルダーからスルーパスを引き出す動きを見せていく、と。特に左サイド側は彼の得意とするプレーエリアですし、彼とレオン、テオが絡んでスピーディーな攻めを展開していきます。


【21-22】ミラン対ジェノア_戦術分析8
――例えばこの場面。左サイドからのレオンのドリブル突破に合わせ、レビッチが相手CB間に抜け出しスルーパスを引き出す

一方のメシアスに強く求められた働きはエリア内への飛び込みです。先述の形で左サイドから攻め込んでいく際、逆サイドからエリア内に侵入しフィニッシャーとして機能する右ウインガーのパフォーマンスはチャンスの質に直結します。この点、得点力に微塵も期待できないサレマよりもメシアスはゴール前で危険を作り出せるという事で、レビッチと同時に投入されたのもこうした働きを期待してのことでしょう。


【21-22】ミラン対ジェノア_戦術分析9
――例えばこの場面。レオン、テオの連携により左サイドからエリア内に侵入するミラン。そこからファーサイドで待つメシアスにクロスが送られた

そして87分。両者のこうしたプレーが結実し、ミランが追加点を奪うことに成功しました。


【21-22】ミラン対ジェノア_戦術分析10
――2点目のシーンについて。左サイドから突破するテオに合わせ、レビッチが相手CB間から抜け出しスルーパスを引き出す


【21-22】ミラン対ジェノア_戦術分析11
――その後の場面。レビッチのクロスは一旦相手に阻まれるも、こぼれ球を拾ってファーサイドのメシアスに丁寧なクロス。その後、メシアスが一度GKにシュートを防がれるも再度押し込みネットを揺らした


最終盤に生じたピンチもメニャンにより事なきを得たミラン。試合は2-0で終了しました。

ミラン2-0ジェノア



雑感

3試合ぶりの勝利を手に入れたミラン。
そしてここまで言及しなかったものの、この試合でも相手の攻撃を無失点に抑え、リーグ戦6試合連続のクリーンシートを達成。DF陣にいくつかのアクシデントが生じた事で流石に多少の危うさは見られたものの、最後の砦であるメニャン、DFリーダーのトモリを中心に守り切ってくれました。

一方、攻撃に関してはまだまだ手放しで喜べるような状況とは言えないと思いますが、メンバー上の限界というのはどうしてもあるでしょうから、今季はこのまま騙し騙しやっていくしかないかもしれません。
ただし、この試合ではレビッチが持ち味を発揮して実質的なアシストを行い、またメシアスもスーパーサブとして結果を残したというのは今後に向けての収穫ですし、彼らが攻撃の切り札としてこれからも活躍してくれるとだいぶ大きいですね。

さて。次戦はインテルとの決勝進出をかけたコッパ・イタリア準決勝となります。
タイトル獲得の機運が高まっている今、ミランとしては是非ともモノにしたい一戦です。日程的にやや厳しいですが頑張って欲しいですね。

Forza Milan!


最後まで読んでいただきありがとうございました。
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Comments 4

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Pols  

新オーナーについてどう考えていますか?

  • 2022/04/16 (Sat) 19:37
  • REPLY
カカニスタ22
カカニスタ22  
To Polsさん

コメントありがとうございます。

現段階でハッキリしたことは言えませんが、とりあえず言いたいのはオーナー以外の「今のフロント陣を変えないで欲しい」ってことですかね。
スポーツ面・財政面共に大きく改善できている今のフロント陣によるミラン再建計画の行末を見届けたいです。

  • 2022/04/17 (Sun) 14:06
  • REPLY
Aki  

カカニスタさん、いつもありがとうございます。

3試合ぶりの勝利、嬉しいですね。リーグ戦だけでも6試合連続クリーンシートというのは素晴らしいです。結果として久しぶりに複数得点および複数得点差で勝てたのでヒト安心しました。
攻撃面ではレオンとメシアスの得点というのはとても良い兆候ではあるのですが、まだだいぶ改善の必要がありそうですね。地味にOMFがケシエになったことで前線に軸らしきものがあったのも効いたのかと思いました。2列目が3人ともプレスを受けてロストしやすいと、攻めも繋がらないので~。

残5試合の相手がなかなかのカードなので不安も多いですが、安定した守備で勝ち抜ける気もします。楽しみです(心配も…)!

  • 2022/04/18 (Mon) 18:49
  • REPLY
カカニスタ22
カカニスタ22  
To Akiさん

コメントありがとうございます。

これまでの結果からすると上~中位勢との対戦の方が良さそうですが、そうは言っても決して気は抜けませんからね…。守備の安定はそのままに、攻撃面で何かしらの改善が生じることを願いたいです。

  • 2022/04/19 (Tue) 21:10
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