ボトマンのプレースタイル・特徴について

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カカニスタ22
今回は、ミランが獲得を目指すリール所属のDFスヴェン・ボトマンについて、サンテティエンヌ戦で見られた特徴やプレースタイルを振り返ってみたいと思います。
(※ボトマンは現在負傷中で、最後にフル出場したのがこのサンテティエンヌ戦)
スタメン

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リールとサンテティエンヌの基本システム。普段のマッチレビュー記事と異なり、今回はボトマン個人(赤4番)に焦点を当てるので他の選手の記載はしません。
また、サンテティエンヌの中盤は割と流動的。上図では守備時の配置を基に5-3-2としましたが、3-4-1-2と記載しても良さそうです(他サイトでは後者で記載)



守備

まずは守備の内、「プレスの局面」についてです。
リールはこの試合、相手のGK時や後方へのバックパス時に積極的にプレスをかける形を取っていたため、それに応じてCBもラインを上げて前への圧力を高める必要がありました。
この局面においてボトマンは主に相手の前線2枚の片方をマークし、彼らへの縦パスを監視する役割を担当。そして、実際にボールが来た際には厳しいマークで相手を自由にさせず、チームとしてボールを回収する場面というのが一度ならず見られました。


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――前半の一場面。リールがハイプレスを仕掛けてきたため、サンテティエンヌ14番は前線のFW(白20)にロングボールを送る。ここでボトマンはタイトに20番に付き、トラップの際に身体を当ててボールを奪い取った。


ボトマンには圧倒的なスピードや機動力こそ無いように思いますが、的確な判断に基づいた縦への反応力と裏のスペースを恐れないパーソナリティーを兼備しているように見受けられます。そしてフィジカル(肉体的強さ)が優れているため、フィジカルコンタクトによりホルダーのプレーを阻害することができる、と。
リールの基本的な守備戦術がそこまでアグレッシブなものではないということもあり、プレッシング関連の平均スタッツという点では比較的低いボトマン。しかしながら上記の特徴ゆえ、もしミラン(プレス志向のチーム)に来たとしても異なるチーム戦術に適用できるポテンシャルは備えているように感じますね。

一方で、この試合でボトマンはスピーディーな特徴を持つ相手に対し裏のスペースを突かれ、後手に回らざるを得ない場面というのを少なくとも2度作られています。


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――後半の一場面。敵陣後方からのロングボールの処理を目論むボトマンだが、ここでは対面のFW(白20)に先にボールに触られ、背後への持ち運びを許してしまう。その後はエリア前で素早く帰陣した左SB(赤3。スピードのあるタイプ)と共にボールを奪取するも、少し危険なシーンとなった。

こうなった場合、やはりスピード面が強みとは言えないボトマンにとっては苦しい状況になります。そこでリスク低減の1つとしてスピードに優れる選手を周囲に据えるべきだと思いますし、またボトマン自身もよりハイライン対応時のプレー精度を上げる必要があるのではないかなと。この点は伸びしろといえますね。


続いては「自陣での守備」について。
ここで特筆したいのがボトマンの「首振り」です。というのも彼はゴール前でも冷静に、周囲の状況(敵味方の位置・動き)を頻繁に確認する様子が見てとれる、と。

ところで、データを見るとボトマンはエリア内でのクリアリングに長けているということが判明しています。

ボトマン_プレースタイル分析1
――参考:今季のリーグアンにおけるボトマンの空中戦・ボールクリアに関するスタッツ及び同リーグのCBを対象としたパーセンタイル

もちろん、その理由としては「身長が高く屈強で、空中戦に長けているから」といったフィジカル的側面を挙げることが可能ですが、それだけでなく「周囲の状況認識力に長け、適切なポジショニングでプレーしているから」といったインテリジェンス的側面を挙げることができると個人的に考えています。
そしてこういったインテリジェンス能力はエリア内守備で役立つだけでなく、プレス時の縦への反応や攻撃時のビルドアップ等にも活かされますし、ボトマンのプレースタイルに通底する強みといえるのではないかと思います。



攻撃

最後に「攻撃(ビルドアップ)の局面」についてです。個人的にボトマンに大きく期待したい局面の1つですが、彼は前半開始早々に見せ場を作ります。


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――前半の一場面。ボトマンが対面の相手FW(白18)をいなしてボールを前に運んでから前線の味方(赤7)へとロングパス。惜しくもオフサイドとなったが、相手のハイライン裏へ見事なパスを通した。

このようなキック力を活かしたロングパスというのもボトマンの強みの1つでしょう。上記シーンの後もビルドアップにおいてサイドチェンジのパスを出すなど、キック力の高さは十分です(ただ、その精度についてはもう少し改善の余地があるのかもしれません。今後も注目していきたい部分です)。

また、ショートパスについても判断が速く正確ですし、角度を付けたテクニカルなパスも出せます。


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――後半の一場面。ボトマンへのバックパスを機に相手(白)がプレッシャーを強める。しかしボトマンは冷静に状況を確認しつつ、体の向きで横にボールを預けると見せかけて縦にパスを供給した。

これ以外にも、逆足である右足を使ったプレーを状況に応じて行っていたのは好印象でした。


おわりに

最後に。ここまでサンテティエンヌ戦で見られたボトマンのプレースタイルを軽く振り返ってきましたが、データや評判に概ね一致する好選手であるというのが率直な感想です。もちろん1試合だけではわからないことも多いので、今後も機会があれば見ていこうと思います。
現在は離脱中ですが、その復帰が待ち遠しいです。

なお、このブログでミランの所属外の選手にあまりフィーチャーするのも気が引けるのですが…。もし好評でしたらボトマンについて記事を更新し続けていきたいです。

それでは今回はこの辺で。
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