ミランが乗り越えるべき「4月の壁」
長いサッカーのシーズンにおいて、チームのパフォーマンス延いては成績が落ち込む時期というのは往々にして存在します。
この点に関し、『calciomercato.com』が一つ興味深い指摘をしていたのでご紹介させてもらいます。それによると、近年のミランは4月に勝ち点を取りこぼす傾向がある、と。
というわけで、今回は同時期における対戦相手やスコアを検証してきたいと思います。なお、これには『transfermarkt』の試合結果を参照しました。
記憶に新しい20-21シーズン。4月はテオの致命的なパスミスによる失点が大きく響いたサンプドリア戦に始まり、最後は比較的相性の良い相手であるラツィオにホームで完敗するという最悪に近い1カ月間でした。
翌月にユベントス戦、アタランタ戦を含む5戦で4勝1分と素晴らしい成績を収めた事で最終的に2位になれたわけですが、もしCL権を逃していれば4月の失速が痛恨だったでしょうね。
続いては18-19シーズンからざっと振り返っていきます(※19-20はコロナ禍による変則日程のシーズンであったため除外)
ガットゥーゾ政権の最後のシーズン。この4月は難敵ウディネーゼとの引き分けに始まり、最後はトリノに完敗、と。得られた勝ち点はわずかに5ポイントです。
ちなみに当シーズン後半戦のミランは冬加入の「ピョンテク・パケタ効果」のおかげで状態が上向き、しばらく3~4位をキープしていたわけですが、この4月の失速を機に7位にまで転落。その後5月に4戦全勝して5位にまで順位を戻すも、目標となる4位フィニッシュは叶いませんでした。正に4月の失速が致命的となった一例ですね。
4月に入って4戦勝ちなし。最後にボローニャに勝利できたものの、得られた勝ち点は5試合で6ポイントでした。
モンテッラ監督時代ですね。
ペスカーラ、パレルモ、エンポリ、クロトーネはいずれも対戦時に降格圏を彷徨っていたチームであるわけですが、彼らを前に挙げた勝利は1つのみ。この時期の下位チームは当然ながら侮れないわけですが、それでもミランとしては情けない成績です。
当シーズン4月はミハイロビッチ監督からブロッキ監督へとバトンタッチされた時期、換言すれば迷走極まっていた時期ですね。
当然そんなチーム状況では好成績など残せるはずもなく、得られた勝ち点も4ポイントという有様です。
インザーギ監督時代。今の印象からするとインテルに引き分けているのは十分に及第点という感じですが、当時のインテルはミランと同じく低迷の時期にあり、この試合は「9位対10位」という何とも虚しいダービーでした。そしてサンプドリア(対戦時5位)、ジェノア(対戦時8位)という順位で上のチームには順当に勝てず、勝ち点は5試合で5ポイント。これまた不安定な4月成績です。
「そもそもこのシーズンは安定していた時期すら無かっただろ!」なんてツッコミはしてはいけません。
さて。こうして振り返って見ると、確かに近年のミランは4月に毎回勝ち点を取りこぼしていることがわかります。
個人的にはそういった印象は無く、また月別に成績を考えるという視点をあまり持っていなかったこともあり、少々驚きでした。
最後に。少し余談となりますが、先日のイベントで行われたインタビューにて、ミランのレジェンドであるカカが以下のようにコメントしたようです。
このように、最近は多くのレジェンドたちがミランのタイトル獲得への期待を口にしています。こういうのを見るに、やはり今シーズンは近年では考えられないほどタイトル奪還への機運が高まっているのではないかと感じてしまいますし、実際そうなってくれることを願っています。
そのためにも、今年の4月は近年の同時期を上回る成績を残ることが必須といえますし、まずは同月初戦のボローニャ戦に確実に勝利して欲しいですね。
それでは今回はこの辺で。
この点に関し、『calciomercato.com』が一つ興味深い指摘をしていたのでご紹介させてもらいます。それによると、近年のミランは4月に勝ち点を取りこぼす傾向がある、と。
近年ではタブーとされる4月が始まった。この6年間、ミランはいつも4月に勝ち点を失ってきた
というわけで、今回は同時期における対戦相手やスコアを検証してきたいと思います。なお、これには『transfermarkt』の試合結果を参照しました。
・20-21シーズン
サンプドリア 1-1△
パルマ 3-1〇
ジェノア 2-1〇
サッスオーロ 1-2●
ラツィオ 0-3●
5戦 2勝1分2敗 獲得勝ち点:7/15
記憶に新しい20-21シーズン。4月はテオの致命的なパスミスによる失点が大きく響いたサンプドリア戦に始まり、最後は比較的相性の良い相手であるラツィオにホームで完敗するという最悪に近い1カ月間でした。
翌月にユベントス戦、アタランタ戦を含む5戦で4勝1分と素晴らしい成績を収めた事で最終的に2位になれたわけですが、もしCL権を逃していれば4月の失速が痛恨だったでしょうね。
続いては18-19シーズンからざっと振り返っていきます(※19-20はコロナ禍による変則日程のシーズンであったため除外)
・18-19シーズン
ウディネーゼ 1-1△
ユベントス 1-2●
ラツィオ 1-0○
パルマ 1-1△
トリノ 0-2●
5戦 1勝2分2敗 獲得勝ち点:5/15
ガットゥーゾ政権の最後のシーズン。この4月は難敵ウディネーゼとの引き分けに始まり、最後はトリノに完敗、と。得られた勝ち点はわずかに5ポイントです。
ちなみに当シーズン後半戦のミランは冬加入の「ピョンテク・パケタ効果」のおかげで状態が上向き、しばらく3~4位をキープしていたわけですが、この4月の失速を機に7位にまで転落。その後5月に4戦全勝して5位にまで順位を戻すも、目標となる4位フィニッシュは叶いませんでした。正に4月の失速が致命的となった一例ですね。
・17-18シーズン
サッスオーロ 1-1△
ナポリ 0-0△
トリノ 1-1△
ベネヴェント 0-1●
ボローニャ 2-1○
5戦 1勝3分1敗 獲得勝ち点:6/15
4月に入って4戦勝ちなし。最後にボローニャに勝利できたものの、得られた勝ち点は5試合で6ポイントでした。
・16-17シーズン
ペスカーラ 1-1△
パレルモ 4-0○
インテル 2-2△
エンポリ 1-2●
クロトーネ 1-1△
5戦 1勝3分1敗 獲得勝ち点:6/15
モンテッラ監督時代ですね。
ペスカーラ、パレルモ、エンポリ、クロトーネはいずれも対戦時に降格圏を彷徨っていたチームであるわけですが、彼らを前に挙げた勝利は1つのみ。この時期の下位チームは当然ながら侮れないわけですが、それでもミランとしては情けない成績です。
・15-16シーズン
アタランタ 1-2●
ユベントス 1-2●
サンプドリア 1-0○
カルピ 0-0△
エラスヴェローナ 1-2●
5戦 1勝1分3敗 獲得勝ち点:4/15
当シーズン4月はミハイロビッチ監督からブロッキ監督へとバトンタッチされた時期、換言すれば迷走極まっていた時期ですね。
当然そんなチーム状況では好成績など残せるはずもなく、得られた勝ち点も4ポイントという有様です。
・14-15シーズン
パレルモ 2-1○
サンプドリア 1-1△
インテル 0-0△
ウディネーゼ 1-2●
ジェノア 1-3●
5戦 1勝2分2敗 獲得勝ち点:5/15
インザーギ監督時代。今の印象からするとインテルに引き分けているのは十分に及第点という感じですが、当時のインテルはミランと同じく低迷の時期にあり、この試合は「9位対10位」という何とも虚しいダービーでした。そしてサンプドリア(対戦時5位)、ジェノア(対戦時8位)という順位で上のチームには順当に勝てず、勝ち点は5試合で5ポイント。これまた不安定な4月成績です。
「そもそもこのシーズンは安定していた時期すら無かっただろ!」なんてツッコミはしてはいけません。
さて。こうして振り返って見ると、確かに近年のミランは4月に毎回勝ち点を取りこぼしていることがわかります。
個人的にはそういった印象は無く、また月別に成績を考えるという視点をあまり持っていなかったこともあり、少々驚きでした。
最後に。少し余談となりますが、先日のイベントで行われたインタビューにて、ミランのレジェンドであるカカが以下のようにコメントしたようです。
「マルディーニへのメッセージ?いつでも大歓迎だよ。残りのシーズンも頑張って欲しい。ミラニスタとして、ミランがタイトルを獲得することを願っているよ」
このように、最近は多くのレジェンドたちがミランのタイトル獲得への期待を口にしています。こういうのを見るに、やはり今シーズンは近年では考えられないほどタイトル奪還への機運が高まっているのではないかと感じてしまいますし、実際そうなってくれることを願っています。
そのためにも、今年の4月は近年の同時期を上回る成績を残ることが必須といえますし、まずは同月初戦のボローニャ戦に確実に勝利して欲しいですね。
それでは今回はこの辺で。