マイク・メニャンの特質性について ~陰の立役者~
Maignan a tutto campo: esce, para e... architetta la punizione del gol: Maignan a tutto campo: esce, para e... architetta la punizione del gol
— sportlive (@sportli26181512) March 13, 2022
Prestazione convincente del francese contro l'Empoli. Con una "chicca": è stato a lui a sistemare la… https://t.co/2HJtuP8Ptk pic.twitter.com/dGDaQUuPsY

上記のように相手ゴール前でのFKの場面にて、メニャンは後方のタッチライン沿いにポジショニング。そして以下の「メニャン側からの映像」を見るに、ゴール前の選手たちに非常に詳細な指示を出している様子が窺えます。
Maignan behind Kalulu Goal. #Milan pic.twitter.com/leekI1Kgpx
— Siaran Bola Live (@SiaranBolaLive) March 13, 2022
ミランが決勝ゴールを決めたフリーキックの直前、マイク・メニャンはピッチの外、タッチラインの向こう側、少なくとも自陣ゴールから50メートル離れたところで何をしていたのだろうか。彼は「カウンターバリア」の設置、すなわちフリーキック時に味方選手たちが相手の壁を乱すための配置に協力していたのだ。――Corriere della Sera
メニャンが具体的にどのような指示を出し、それがゴールにどのような影響を与えたかをはっきりと理解するのは難しいものがあります。しかしながら、こうした情報を踏まえてもう一度フリーキックのシーンを見てみると、結果としてメニャンの指示がゴールに関与したと考えられる現象が見られました。
具体的に見ていきましょう。まずはフリーキック獲得後のシーンについてです。

ここではPA前中央にいるトナーリが何らかの指示を受けて移動。カラブリア、ケシエと共に相手の壁の前方に立ち、カウンターバリアの一員となります。他方、トナーリの元いた位置にはベナセルが移動する、と。
この一連の流れをメニャン視点(先に挙げた映像)から見ると、メニャンがトナーリのいる方へ向かって動きの指示を与えている事が分かります(0:16秒~)。その後は味方の壁に対し、位置の調整を細かく指示。こうして完成したFKシチュエーションを見届けたメニャンはピッチ中央へと戻りました。

――FKシチュエーション
その後、ジルーにより放たれたボールが相手の壁に直撃。そのこぼれ球をカルルが拾ってダイレクトシュート…という流れですが、ここで注目したいのがトナーリです。
エンポリの壁要員がシュートブロックの後、こぼれ球を拾うために素早く前方に動くわけですが、ここで相手ディフェンダーはこぼれ球への最短の進路にトナーリが立っていたことで、若干の進路変更による減速を余儀なくされます。

――当該シーン
こうしてカルルへの守備対応が少し遅れたこともあり、結果としてカルルのビューティフルゴールが生まれました。
Kalulu’s goal for Milan. Lovely placement #Milan
— Italian Football News 🇮🇹 (@footitalia1) March 13, 2022
pic.twitter.com/GvLFMKHVGC
(一連のゴール映像)
トナーリがこのように間接的にゴールに絡めたのはカウンターバリア要員として相手の壁の前方に立っていたからであり、先述の通りそうした形を作り出したのは(おそらく)メニャンによる指示です。決して再現性の高いゴールではないものの、生じ得るチャンスへの準備を怠らずディテールにこだわったからこそのゴールであることは確かだと思いますし、この試合ではそうしたディテールがチームを勝利に導いてくれています。
「マイクはとても好奇心旺盛だ。彼は我々の動きを理解するため1日に100の質問を行い、そして試合のあらゆる部分に関わる。セットプレーの際、ボールから離れた選手は全員が自分のポジションを整理しなければならないが、彼にはその能力が十分に備わっているね。」――ステファノ・ピオリ監督
GKとしての本分であるセービングはもちろん、今回の一件を始め攻撃面においても度々決定的な役割を果たすメニャンはもはやチームに絶対に欠かせない存在です。
これからも攻守のキーパーソンとしてチームを引っ張っていってもらいたいと思います。
それでは今回はこの辺で。