【属人的な問題】ミラン対インテル【2021-22シーズン・コッパイタリアベスト4・ファーストレグ】

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カカニスタ22
今回は、コッパ・イタリアベスト4ファーストレグ、ミラン対インテルのマッチレビューを行いたいと思います。

なお、前節のウディネーゼ戦のマッチレビューをサボりましたので、少々そちらの話を絡めながら今回の試合に言及していきたいと思います。


スタメン

【21-22】ミラン対インテル_コッパ・イタリア_スタメン_TACTICALista_2022321924

基本システム:ミラン「4-2-3-1」、インテル「3-5-2」
前節との違い

まずはミランの攻撃について。

ウディネーゼ戦との比較でいうと、この試合におけるミランのポジティブな改善ポイントの1つはレオンの使い方です。まずはこの点について言及していきます。

今シーズン、レオンが覚醒したといってもそれは「サイドを起点にしたプレー(キープや仕掛け)」という部分的・技術的な側面が大きく、それらと比較すると中央起点のプレーや飛び出しの判断はまだまだですから、サイドに置かないと彼の魅力は半減します。
そしてウディネーゼ戦では相手がハッキリとしたブロック守備を敷いた事で、ミランは前線に人数をかけることを目的にSB(テオ)にサイドの幅を取らせ、サイドハーフ(レオン)が中に絞る形が散見されたわけですが、上記の通りこれではレオンの魅力は中々出ない、と(そんな中でも個人技で1点をもぎ取ったのは流石でしたが)。

【21-22】インテル戦_ヒートマップ
――参考1:ウディネーゼ戦前半のポゼッション時における、ミラン選手たちの平均ポジション。両サイドハーフ(17、30)とSB(19、2)の位置に注目

一方、この試合ではそうした部分を修正。SBが内寄りでバランスを取りつつ、サイドハーフが幅を取る形を基本とすることで上記問題点を解消しました。


【21-22】ウディネーゼ戦_ヒートマップ
――参考2:インテル戦前半のポゼッション時における、ミラン選手たちの平均ポジション。両サイドハーフ(17、56)とSB(19、25)の位置に注目

また、これまたウディネーゼ戦との比較で考えると、この試合のミランはトランジションからのチャンスシーンという流れが散見されました。
この点、先日のウディネーゼは後方からのビルドアップにあまりこだわりを見せず、殊にゴールキック時には始めから前線へのロングボールを選択する形が多かったこともあり、ミランとしては敵陣でのボール奪取が難しいものとなっていました。

一方、この試合のインテルは(多分)チームとしてコンディションが上がらない状態ながらボールを繋ぐ意思を見せたわけですが、それによりミランのプレスに引っかかる場面というのが散見。ミランとしては何度か良い形でボールを奪い、チャンスシーンへと繋げていきました。



クルニッチ起用の効果

続いての攻撃時のポイントとして、クルニッチの先発起用が挙げられます。

解説の細江さんが仰っていたように、この試合のトップ下(クルニッチ)の役割はライン間で直接ボールを引き出すよりも、1トップ(ジルー)と協同しながら裏のスペースを狙っていくことに力点が置かれていたように思われます。


【21-22】ミラン対インテル_コッパ・イタリア_戦術分析1
――例えばこの場面。フロレンツィがボールを持つ。同時に前線ではジルーが対面のCBをサイド方向に引っ張り、エリア内へはクルニッチが飛び出す


【21-22】ミラン対インテル_コッパ・イタリア_戦術分析2
――その後の場面。クルニッチがフロレンツィからロングボールを受けた

またプレス回避の局面などにおいて、普段であればトップ下が恒常的に受けに下がるような場面でもジルーが下がるなどしてボールを引き出し、積極的に役割をスイッチすることで相手の守備の基準に迷いを生じさせようとする意図が見受けられました。

そして、仮にロングボールが直接繋がらずに相手に渡ったとしても、そこからミランは1トップとトップ下を軸にシームレスにプレスに移行。先の通りこの2人の関係性を強めることで、守備(トランジション)の局面でも一定の効果を発揮していたんじゃないかなと。



属人的な問題

さて。ここまでいくつかミランのポジティブな要素を見てきましたが、結局のところは無得点。多くのチャンスシーンを作りながらもフイにしてしまいました。

この点に関し、最近のミランはこうした得点力不足の傾向が続いており、ピオリ監督の組織構築能力に疑問の声が挙がっているのをチラホラ目にします。確かに僕としても部分的に共感できる話ではありますが、どちらかといえばこれは「属人的な問題」が大きいと考えています。

例えばサレマ。彼はファイナルサードでのプレー精度に著しく欠けるという課題をかねてから抱えており、それが改善される気配は未だにありません(むしろ判断面は悪化傾向)。
クロス、ラストパス、シュートのいずれか1つでも武器にすることができれば話は大きく変わってきますが、現状はそのどれもが水準以下の精度であり、この試合においても雑なクロスやシュートで決定機ないし決定機になり得るシーンをフイにしています。

クルニッチにも同様のことがいえます。攻守に戦術的な動きができる貴重な彼ですが、ゴール前においては武器とするプレーがなく、それはゴール数・アシスト数というスコアポイントにハッキリと表れています。上述の飛び出しシーンにしても、ジルーとの連携によりロングボールを引き出すことに成功したものの、その後はトラップミスによりチャンスをフイにするなどオンザボール時の物足りなさは否めません。

2列目の3人のうち2人にこうしたタイプの選手を配置する以上、決定力不足が露呈する試合は避けられません。かといって現状そうした欠点を補える代役選手がいるかというとそうではなく、それゆえトップ下(ゴール前で強みを発揮できるタイプ)の補強はシーズン後半戦を安定して戦い抜く上で必須だったはずなのですが、冬のメルカートにおいてフロントはCBボトマンに最後まで執着して補強を怠るという…。

こうした事情があるため、僕としては現場(ピオリ監督)を責める気にはどうしてもなれません。大胆な変化こそありませんが毎試合のようにマイナーチェンジは加えており、改善のための努力の跡は見られますしね。

このままだと今後も少なくない試合(特に中下位クラブとの対戦)で決定力不足が露呈するのは避けられないと思いますが、何とか今いる選手たちが成長するなりして上記欠点を可能な限り補って欲しいと思います。この点、レビッチの復調とイブラの復帰(復調)はマストですね。


守備の局面

最後に守備陣について少し。

まず言及したいのがカルルについてです。ロマニョーリの負傷交代により緊急出場となった彼ですが、落ち着いたパフォーマンスを披露。相棒のトモリと共にインテルの攻撃をシャットアウトする中心的な役割を遂行します。

先月のトモリの復帰以降ベンチに座る時間がほとんどになったカルルですが、やはり彼は素晴らしい可能性を秘めているという事で、もっと起用して欲しい思いは強いです。高さがさほど求められない試合などではトモリ・カルルコンビを優先しても良いんじゃないかと思います。

また彼らの他にも、この試合ではチーム全体が集中した守備パフォーマンスを披露。先述の通りインテルのパフォーマンスが良くなかったという側面はあれど、相手にほとんど決定機を作らせなかったのは見事だったと思います。
加えてこの点に関し、ボール回収の観点からはフロレンツィとベナセルのアグレッシブな守備が非常に効いていました。


【21-22】インテル戦_ボール回収
――参考3:この試合におけるボール回収数ランキング。フロレンツィが「13回」で1位、ベナセルが「11回」で2位



そうして、ミランは無失点に抑えることに成功。結果はスコアレスドローとなりました。


ミラン0-0インテル


雑感

出来れば勝ちたい試合内容でしたが、ファーストレグで相手にアウェーゴールを与えずに済んだというのは大きいです。
ましてインテル戦ですとホーム&アウェー関わらず開催地は同じですから、そういった意味でホームアドバンテージは通常よりも少ないものがあります。そしてミランとしては次戦で1点でも取れれば引き分けOKという状況で臨めるわけですから、優位な立場にあるといえるのではないでしょうか。

とは言えセカンドレグは4月20日と2カ月近く先の話ですし、そのときのチーム状況次第では全く分かりません。現在はミランもインテルも低調な時期にあるといえますが、果たして2カ月先はどうなっているか…。
ミランとしては、まずはここからセカンドレグまでのリーグ戦6試合でしっかりと結果を残し、出来る限り最高の状態で大一番に臨みたいですね。


Forza Milan!


最後まで読んでいただきありがとうございました。
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