ミラン、バイリー獲得はあり得るか
そんな現在、ミランの獲得候補としてメディアに挙げられている最もホットな名前がマンチェスター・ユナイテッド所属のエリック・バイリーです。
度重なる怪我もあり、所属クラブでの定位置確保に苦しんでいるバイリー。今シーズンはここまでリーグ戦4試合、CL2試合の出場に止まっています。
多額の出費を避けつつ、それでいて戦力の増強を図りたいミランにとって、「訳アリ」な実力者というのは一つの狙い目となります。
そして、この場合のバイリーの「訳」とは怪我の多さのことです。例え実力があっても試合に出られなければ宝の持ち腐れですし、その点で獲得のリスクというのは小さくありません。
一方、もしバイリーが怪我無くプレーできれば、ミランにとって重要な戦力となる可能性は十分に考えられます。
この点について具体的に見ていくと、バイリーの長所としては何よりもスピードや跳躍力といったフィジカル面が挙げられます。
サイドや裏のスペースをカバーする機動力を十分に備えているため、ミランのCBとして求められるフィジカル的な部分は文句なしにクリア。CLのアタランタ戦に出場していたときの記憶を探るに、少しポジショニング(判断)面で怪しい所があったような気もしますが、この部分はセリエAで徹底的に鍛えられるため然程問題にはならないでしょう。
ちなみに、バイリーを起用することによる戦術的効果としては以下のようなものが見られるそうです。以下のツイートによれば、バイリー不在時におけるチームの平均ポジションと出場時のソレとを比較した場合、出場時の方がチームは高いラインでプレーできているとのことです(サンプル数はやや少な目ですが)。
With Bailly, however, #mufc play a higher line. In 2 out of these 3 cases, only 3 players (excluding the goalkeeper) have spent more time in our half than the opposition half. The right flank looks stronger as well with Bailly covering large parts of our half. [4/6] pic.twitter.com/ycCKeMv1Jh
— The United Devils (@TheUnitedDevils) January 21, 2021
バイリーの機動力や背後のスペースを恐れないパーソナリティーによって、チーム全体を押し上げることができていると解釈できますし、こうした面は今のミランの戦術的要請とも一致しますね。
○バイリー獲得の可能性
さて。それではバイリー獲得の実現可能性というのはどれくらいなのでしょうか。
この点について、まず選手との個人合意はおそらく問題ないでしょう。ユナイテッドでの出番が限られているバイリーの現状ですと、出場機会を求めて移籍を希望していても全く不思議ではないですし、ケアーが長期離脱中の今のミランであればチャンスは十分にあると思いますしね。
問題となり得るのはやはりクラブ間合意ではないでしょうか。
ミランとしては、バイリーはリスクの面でも資金面でもレンタル(買取OP付き)での獲得しか望まないでしょうから、ユナイテッド側がどれほど譲歩してくれるかに懸かっています。
とは言え、ユナイテッド側としてはバイリー放出が急務というわけではないでしょうし、当時4000万ユーロで獲得した彼を安価で手放すというのも望まないでしょうから、ミランにとっては厳しい交渉となりそうな気がしますね。
また、バイリー自身がANCに参加中という事もあり、仮に交渉成立が実現するとしても移籍市場の終盤となりそうです。そして、それまでに別の理想的な候補が見つかればそっちに注力するでしょうから、いずれにせよバイリー獲得の可能性は現状高くはないかなぁ、と。
まぁ何にせよ、まずはユナイテッド側がローンでの放出を許可してくれるかどうかに注目ですかね。
それでは今回はこの辺で。