イブラヒモビッチとジルーの起用法について

2 Comments
カカニスタ22
今回はイブラヒモビッチとジルーの起用法について、整理して見ていきたいと思います。
併用の可能性

今夏のジルー加入に伴い、イブラとジルーの起用法とりわけ「併用の可能性」については開幕前から取り沙汰されていましたが、今シーズンここまでは負傷もあり実際に2人がピッチ上で共演したのはヴェローナ戦(5分間)とボローニャ戦(34分間)にとどまっています。
とは言え、この2試合のこの時間だけでも興味深い内容がいくつか見られため、少し振り返っていきましょう。

まずはヴェローナ戦についてですが、この試合ではジルーが先発し、イブラはベンチスタートとなりました。そして2-2で迎えた77分、勝ち越し点を奪うためにイブラが投入されたという流れです。
すると直後の78分、相手のオウンゴールではあったものの決勝ゴールを獲得しました。


【21-22】イブラとジルー_戦術分析1
――決勝ゴールのシーンについて。CBギュンターがクロスを処理し損ね、そのままボールはゴールに吸い込まれた


この得点はギュンターのミスに因るものだったわけですが、自身のマーク担当であるイブラが背中側に流れたことで背後に大きなプレッシャーを感じ、注意力が散漫になったというのも遠因として考えられるでしょうね。
この後、ジルーは交代したためわずか数分間の共演にとどまったわけですが、チームとしてしっかりと得点を奪うことに成功しています。


続いてボローニャ戦についてですが、今度はイブラが先発でジルーが60分に途中出場という形でした。また、投入時に2-2というスコアだった点は同じですが、ボローニャが2人も退場者を出していたという点は大きく異なります。
ボローニャはそれでも機を見て勝ち越し点を奪いにきましたが、守備時には割り切って「5-2-1」で引いて守る形が基本。そこで、ミランはイブラとジルーの2トップを中心に攻勢を強め、強引にでも相手の守備をこじ開けることが期待されました。


【21-22】イブラとジルー_戦術分析2
――例えばこの場面。ベナセルがボールを持ち運ぶ間、イブラはジルーの動きを確認、把握する


【21-22】イブラとジルー_戦術分析3
――その後の場面。イブラが少し下がってベナセルにパスコースを提供すると共に、マーカーを引き付け背後にスペースを作り出す。それと同時にジルーは裏を狙い、そのスペースでパスを貰おうと動く


イブラとジルーはお互いが経験豊富かつインテリジェンスの高い選手であるため、このように相方ためにスペースを作り出す動きや、相方の動きにより生じたスペースを活用する術を熟知しているように見受けられます。この他のシーンでも、トランジション時にイブラがニアサイドに走り込んで相手DFを引っ張り、それにより空いたスペースにジルーが流れてパスを引き出そうとする動きが見られました。
相互理解が深まるであろう今後はそうした連携プレーがより期待できますね。


さて。その後、試合が終盤に進むにつれ、イブラが引いてボールを貰う動きというのを増やしていきます。
というのも、ボローニャは先述の通り5-2-1で守る形が基本のため、中盤にはどうしたってスペースが生じます。そこで、そのスペースを認識したイブラが下がって使い始めるという流れですね。


【21-22】イブラとジルー_戦術分析6
――例えばこの場面。イブラが相手中盤のラインに下がり、右サイドからパスを引き出す


【21-22】イブラとジルー_戦術分析7
――その後の場面。イブラが左サイドへとボールを展開。ここではサイドチェンジの中継役としてプレー


イブラはラストパサーとしても機能する能力を持っていますし、またジルーとのコンビであれば彼が前線に張ってくれるため、イブラが下がることにより生じ得る「前線の選手不在」といった状況も起こりません。
2人の併用時には、こうしたイブラのアクセントを付ける動きや以下のチャンスメイクというのが時として非常に重要になってくるでしょうね。


【21-22】イブラとジルー_戦術分析4
――別の場面について。ここではイブラが中盤でボールを引き出し、ドリブルで持ち運ぶことで相手ボランチ(スバンベリ)を引き付ける


【21-22】イブラとジルー_戦術分析5
――その後の場面。上記の動きにより生じた中央のスペースにバロトゥーレが侵入し、そこへイブラがパスを送った


さて。結局のところこの試合は終盤に2ゴールを奪い、ミランが勝利を収めました。
この点について、ジルーが決定機となるヘディングシュートを放ったり、イブラがチームの4ゴール目を獲得したりと、両者を併用することによる確かな効果・メリットというのが見られたのではないかと思います。



ローテーション起用

他方で、『ガゼッタ』紙によれば来週のミランは過密日程もあり、イブラとジルーをローテーション起用していく予定とのこと。イブラはセリエAのローマ戦とインテル戦のスタメンとなり、ジルーはミッドウィークに行われるCLポルト戦の先発を担当すると予想されています。



疲労や負傷のリスクを減らせ、かつコンディションを維持できるであろうこのような起用法には個人的にも賛成です。
イブラとジルーの併用には確かに一定のメリットが感じられますが、この2人の特徴を考えればどの対戦相手に対しても万能な組み合わせとは言えず、何より負傷のリスクを踏まえるとチームの軸にすべきユニットではないでしょう。

そのため現状の個人的見解ですと、基本的にはここまでの試合で行っている「どうしても得点が欲しいとき」の限定的な併用にとどめるべきだと思いますし、最終的にはそれが両者やチームそれぞれに良い結果をもたらすのかなと考えています。そもそも、現状だと両者のコンディションや過密日程により、併用しようにも厳しいものがありますしね。

いずれにせよ、彼らが今シーズンにおけるミランの攻撃に関し重要な役割を担うことは確かですし、結果に大きな影響を与える存在です。
ですから、2人ともできる限り戦線離脱することなくピッチ上で活躍し続けて欲しいですね。



それでは今回はこの辺で。

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Comments 2

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ぬまぬ  

おつかれさまです
ブラヒムにアクシデントがあったりした時や、終盤パワープレーのバリエーションの一つ、ぐらいに留めておいて欲しいですね
イブラのテコンドー技を使った変態トラップからの浮き球パスに、ジルーのスコーピオン、なんて見てみたいですけどねw
何にしても怪我なく…それだけですな

  • 2021/11/01 (Mon) 01:33
  • REPLY
カカニスタ22
カカニスタ22  
To ぬまぬさん

コメントありがとうございます。

2人とも起用可能であることが大前提のお話ですし、仰るように怪我なく過ごすっていうのが何よりまずは大事な事だと思います。
両者ともに今回言及した「併用」をせざるを得ないくらいの良好なコンディションを保ってくれると良いですね。

  • 2021/11/01 (Mon) 03:50
  • REPLY