ミラン、フロレンツィ獲得が決定的に ~役割について~
❗ Florenzi has signed his contract with #ACMilan and only the official announcement is missing, as per @AntoVitiello ✍ pic.twitter.com/wv8WzryDRa
— SempreMilan (@SempreMilanCom) August 20, 2021
移籍形式は「買取OP付きレンタル」が濃厚となっており、その具体的な中身は「有償ローン100万ユーロ+買取OP額450万ユーロ」とのことです。
そんなわけで今回は、フロレンツィについて書いていこうと思います。
まずはフロレンツィのプレースタイル・特徴についてです。
フロレンツィの特徴としては、第一に「インテリジェンス」が挙げられると思います
具体的に言うと、周囲の味方と敵の状況を把握し、持ち前のパスセンス(判断)と運動量を活かしてボールを前進させたりスペースに侵入していったりというのが彼の持ち味。
また複数ポジションをこなせる能力があることからも、その戦術的バランス感覚が窺えますね。
創造性のあるパスとか独力での突破とか、そういう個人技はなく連係で活きるタイプのため、チームメイトとの相互理解を深めることが何より重要かなと。
そして、そんなフロレンツィには右SB&右SHの控えとして、組み立てに深く関与するカラブリアや、主にフリーランニングとパスで崩しに関わるサレマの役割をこなすことが求められるわけですが、上記の通りプレースタイル的にはさほど問題なく適応できるように感じられます。
そのため、合理的な補強ではあったかなと。
一方、懸念材料として挙げられるのは守備(SBとして計算した場合)です。
特に対人守備においては軽さも見られますし、今のカラブリアと比較した場合に物足りなさを覚えることはありそうですね。
ちなみに『レキップ』によれば、昨季のレンタル先であったPSGがフロレンツィを買い取らなかった理由は、監督であるポチェッティーノがフロレンツィの「フィジカルと守備力」に不満を感じていたからとのことです(日本語記事ですが、詳しくはコチラ「PSGが買取見送りでフロレンツィがローマ帰還か? ポチェは守備力問題視…」をご覧ください)。
そのため守備面で頑張れるかというのは、ミランにおいて立場を確立するための1つのポイントになりそうです。
○フロレンツィの「経験」
続いて。ミランがフロレンツィを獲得した理由として、おそらく上記のプレースタイルと同じくらいその「豊富な経験」が高く評価されたからではないかと思われます。
というのも、今のミランは若いチームであり、裏を返せばそれは多くの選手にビッグマッチや国際大会での経験に欠けることを意味しています。
Current #ACMilan squad members with most @ChampionsLeague appearances:
— MilanData📊 (@acmilandata) August 16, 2021
➤ Ibrahimovic 130 games (48 goals)
➤ Giroud 41 (18)
➤ Kjaer 7
➤ Maignan 6
➤ Tatarusanu 6
➤ Tomori 4
➤ Diaz 4
➤ Theo 3 pic.twitter.com/CnJ18UB05W
実際にCL出場経験のあるミラン選手を挙げてみても、イブラ(130試合)の次に出場経験が豊富なのは新加入選手であるジルー(41試合)であり、それ以外の選手の出場数は1桁以下に止まっています。
今季のミランは8シーズンぶりにCLに復帰するわけですが、リーグ戦とはタイプの異なるCLで戦っていくにはその経験者が多いに越したことはありません。
この点、フロレンツィはCLで43試合に出場していますし、中にはバルサを大逆転で破った「オリンピコの奇跡」を経験するなど、その量・質ともに申し分ないものがあります。
更に言えば、EUROを始め代表でのプレー経験も豊富であり、ローマではトッティ・デロッシの跡を継いで一時期カピターノに就任するなど、フットボーラーとして既に相当の経験値を持っています。
こういった選手はチームに安定感をもたらすだけでなく、若手のチームメイトにその経験を伝え成長を促す役割が期待されますし、その点でもフロレンツィ獲得の意義というのは大きいのではないかと感じますね。
以上、そんなわけでフロレンツィ獲得はピッチ内外で好影響をもたらし得るものであると思いますし、正式発表が楽しみです。
それでは今回はこの辺で。