ミラン、イリチッチと個人合意

4 Comments
カカニスタ22
はじめに

『ディマルツィオ』によれば、ミランはイリチッチの獲得交渉に関しクラブ側のアタランタとは合意していないものの、選手のイリチッチとは既に個人合意に達しているとのことです。



年齢や現行契約期間、現在籍クラブでの立場などの理由により、イリチッチ獲得のハードルはさほど高くありません。
各報道によればアタランタは移籍金として600~800万ユーロを要求しているのに対し、ミランはその約半分(およそ350万ユーロ)もしくは買取OP付きレンタルでの取引成立を望んでいるとのこと。
他の獲得候補(ヴラシッチなど)との交渉に比べれば隔たりは小さく、もしミランがイリチッチ獲得に本腰を入れれば(他クラブの介入がない限り)合意は十分に可能であるといえますね。
イリチッチの実績

ここ数年のイリチッチはアタッカーとしてセリエAでトップクラスの成績を収めており、直近3シーズンの通算成績はリーグ戦85試合で33ゴール25アシストというものです。
近年のアタランタの躍進を支えた1人であることは間違いありません。

また、イリチッチはアタランタにおいて、チームのずば抜けた組織力も相まって卓越したチャンスメイクを披露しており、それは以下のようなデータにも表れています。

イリチッチ_パス_19-20
(参考:19-20シーズンにおけるイリチッチのパススタッツ及び、セリエAの同ポジションの選手たちを対象に測定したパーセンタイル値)

一例としてパスに関するスタッツを挙げましたが、いずれもセリエAの同ポジションにおいてトップクラスの数値を記録しており、アシスト期待値に至ってはリーグトップとなっています(出場機会の多かった19-20シーズンをここでは参照しましたが、昨季も同様に高数値を記録)。


イリチッチ_ドリブル_19-20

その他にも上記のドリブルに関するスタッツを筆頭に、攻撃のスタッツにおいては軒並み高数値を記録しているイリチッチ。
アタランタのチーム戦術に因る部分も大きいとはいえ、彼の持つ技術は確かだといえます。



イリチッチに期待すること

さて。そんなイリチッチをミランは「右サイドハーフ」の補強候補として位置づけ、獲得を狙っていると。

この点について、イリチッチは右サイドを主戦場とする選手であり、中でも右ハーフスペースでのプレーぶりには特筆すべきものがあります。

イリチッチ_ヒートマップ_20-21
(参考:イリチッチのシーズンヒートマップ)


そして、ミランの右サイドハーフは崩しの局面において中に入り、プレーすることが求められるポジションであるため、イリチッチがハーフスペースでその多彩な能力(キープ、ドリブル、パス、ミドルシュート)を如何なく発揮する可能性は十分に考えられますね。

現在のミランの右サイドハーフにはサレマ、カスティジェホといるわけですが、後者は攻撃面での貢献度が極めて低く、サレマも成長中であるとはいえ独力でのボール運びやラストパスの精度に現状欠けるところがあるため、イリチッチのようなクオリティの高い選手は求められるところであります。

一方、守備範囲やプレス強度に関してはサレマに分があると思いますし、状況に応じて両者を使い分けられればベストではないかと。
例えば、スタートは手堅くサレマを起用し、点が欲しい状況になればイリチッチを投入するといった形ですね。もしくは、イリチッチスタメンの場合は左サイドにクルニッチを起用しバランスをとるなどといったことも考えられます(システム自体を少し弄ってもいいですしね)。

いずれにせよ、彼の加入が実現すれば攻撃の選択肢は増えますし、チームの崩しのクオリティを大きく高め得る存在ではないかと。


おわりに

最後に。加齢によるフィジカルコンディション低下(=衰え)のリスクや、割と好不調の波があることなど、イリチッチ獲得に関していくつかの懸念材料があるのは確かです。

しかし、既に補強資金が”かつかつ”の状況であるミランからすれば、ローコストで実績十分の実力者を迎えられるチャンスはできるだけ逃したくないですし、多少のリスクは受け入れざるを得ないのではないかと個人的には思います。

ただし報道によれば、イリチッチの獲得交渉は移籍市場終盤まで縺れる可能性が高いようで、正直右サイドは早く補強して欲しいのですが…。交渉の行方については気長に待つことになりそうです。


それでは今回はこの辺で。

スポンサーリンク

スポンサーリンク

Comments 4

There are no comments yet.
ぬまぬ  

おつかれさまです
いいですよね、イリチッチ
右サイドとトレクァルティスタ、今オフの重点補強ポジションを埋めてくれるし、獲得難易度も高くない(長引きそうではありますが)
ここ数年ヤングミランと言われていますが、やはり前線、中盤、後ろにはそれぞれ一人はベテランがいて欲しい
長いシーズン、ベテランがいると精神的に大崩れしにくいですし、ポジション争いも質が高くなると思うんですよね。経験VSスピードの相乗効果、みたいな
あとは重々ご存知の通り、対アタランタ、昨季最終戦こそ勝利を飾りましたが、ここ数年大変な屈辱をなめさせられる事多く。この際、ここ数年アタランタの中心だったイリチッチを用いて対策をして欲しいものだと、切に希望します

  • 2021/08/07 (Sat) 20:56
  • REPLY
Aki  

イリチッチ分析、ありがとうございます。
ミラン戦でしかちゃんと見たことがなかったので、毎度ながらとても助かります。ちゃんと見てても、僕が見るよりよほど参考になりますし!
右サイドにイリチッチ、特に点が欲しい時の途中出場とかは非常に有効ですね。年齢とコストを天秤にかければスゴク良い補強だと思います。一方で年齢のこともありミランもベストとは考えていなくて動きが鈍いのでしょうね。アミンアドリやカイオジョルジ(どちらも個人的にCF兼RWGと思っていた)あたりを逃してしまい、そういう若い選手が取れなかったら終盤に取ろうという狙いでしょうね。カスティジェホ去就にもよるのでしょうが、終盤までもつれるとカンピオナート始まってますしRWG補強は早くしてほしいですね…。

  • 2021/08/10 (Tue) 13:49
  • REPLY
カカニスタ22
カカニスタ22  
To ぬまぬさん

返信が遅れてしまいすみません。コメントありがとうございます。

イリチッチは仰るようにチームの要補強ポジションに合致しますし、実力・実績的にもコスパが良さそうですよね。
それと確かに相手の戦力を削げるのも大きいんですよねー。アタランタにおけるイリチッチは以前ほど絶対的な存在ではなくなりましたが、ミランキラーな側面はありますし、この驚異はできれば取り去りたいですね。

  • 2021/08/17 (Tue) 16:22
  • REPLY
カカニスタ22
カカニスタ22  
To Akiさん

返信が遅れてしまいすみません。コメントありがとうございます。

仰るようにイリチッチはミランにとっての本命ではなく、優先順で言えば高くないんでしょうね。ただ、そうこうしている内にアタランタ残留の可能性が出てきましたが、果たしてどうなりますかねー…。

控え想定の選手ならともかく即戦力級の選手はできるだけ早く確保してチームに慣れさせる時間が欲しいですよね。その意味でトップ下、右サイドハーフの補強はなるべく急いでほしいと思っています。

  • 2021/08/17 (Tue) 16:22
  • REPLY