ケアー、ミランの新カピターノに就任か
『Nico Schira』氏によれば、ケアーがミランの新キャプテンを務めることになり、それに合わせて2023年までの契約延長に向けた話し合いが間もなく行われるとのことです。
🚨 Kjær is set to become the new Milan captain. Club will soon start talks to extend his contract until 2023
— Milan Eye (@MilanEye) July 28, 2021
[@NicoSchira] pic.twitter.com/CIOFjiOMj9
もちろん正式発表ではなく、現時点でこれに続く報道が見られないため確実ではありませんが、個人的には非常に心躍るニュースであります。
ミランは伝統的にイタリア人がチームキャプテンを務めることがほとんどで、『ウィキペディア』によれば、歴史上ミランのチームキャプテンを務めた外国籍選手はわずか6人となっています。
1899–1900 David Allison イングランド
1900–1908 Herbert Kilpin イングランド
1910–1911 Max Tobias ベルギー
1913–1915 Louis Van Hege ベルギー
1954–1956 Gunnar Nordahl スウェーデン
1956–1961 Nils Liedholm スウェーデン
もし先の報道通りにケアーが新カピターノに就任した場合、1961年まで主将を務めたニルス・リードホルム以来60年ぶりとなる外国籍カピターノが誕生することになりますね。
確かにマルディーニがミランの主将を務めていた頃からのミラニスタである僕からしても、「ミランのカピターノ=イタリア人」という観念はありましたし、バレージ時代もしくはそれ以前からのミラニスティであれば尚更かと存じます。
ただ、一方で僕個人としてはケアーが新カピターノとなることに何ら不満はありません。
〇カピターノの条件
思うに、主将として何より求められるのは「人格」と「能力」である、と。
イタリア人であろうと、わずか1年でキャプテンマークを投げ捨てて古巣に逃げ帰るような選手もいるわけで、「カピターノとしての責務を全うできるかどうか」という点は「国籍がどこか」よりも遥かに重要です。
その意味で、ケアーは正に適任ではないかと思います。
例えば、先日のEURO大会にてデンマーク代表を襲った悲劇。その際にケアーがキャプテンとして見せた振る舞いには世界中から称賛の声が寄せられました。
Honest to god full respect to Denmark's captain Simon Kjær. He made a wall round Eriksen whilst he was getting treatment. Performed CPR on Eriksen until medical staff arrived AND comforted his horrified wife whilst all this was happening. A true captin🇩🇰❤️#PrayForEriksen pic.twitter.com/DSeLVV4Sei
— dxxtr (@dxxtrc) June 12, 2021
非常事態において、こうした主体的かつ的確な行動をとれる人は希少です。
またミランにおいても、ピオリ監督がインタビューの際によく口にする「イブラとケアーの加入がチームを変えた」という言葉は、ケアーのチームにおける存在感の大きさを表しているように感じます。
続いて「能力」に関しても、ミランのDFリーダーに君臨する彼に技術的な能力という点で疑いの余地はありません。
そして何より、主将として求められる精神的能力である「キャプテンシー」という点についても特筆すべきものがあります。
先に挙げた非常時における行動もそうですが、通常においても彼がピッチ上で味方に声をかけたり指示を出したりする姿というのはよく見られます。また、以下のシーンに見られるように、時には味方を叱咤激励するという所も個人的に彼のキャプテンシーを強く感じる部分です。
Even the little stuff like this one v Napoli
— Karim (@Futball_Karim) June 14, 2021
Kjaer tells Kessie ‘why did you put your hands behind your back like that?’
That made him not move properly & gave away an easy corner.pic.twitter.com/rfCJRDcX9u https://t.co/CQlUsiZ4dy
(※相手のクロスをケシエが上手く処理できず、CKを与えてしまったシーン。その際ケアーはケシエのクリア時の体勢を指摘しつつ、ケシエの体を叩いて鼓舞した)
〇おわりに
以上のことから、ケアーはミランのカピターノとして相応しい選手だと思いますし、個人的にはアンブロジーニ以来となる納得いく人選です。
まぁこれに関しては現カピターノのロマニョーリの去就が少なからず関係することでありますし、実際にケアーが常にキャプテンマークを付けるかどうかは現時点で定かではありません、
しかしいずれにせよ、このようなカピターノとして相応しい選手がミランに在籍してくれていることは大変に喜ばしいことですし、新シーズンも実質的なリーダーの1人としてチームを引っ張っていってくれることでしょう。とても楽しみです。
それでは今回はこの辺で。