ラファエル・レオンの成績、プレーを振り返る【2020-21シーズン】

ラファエル・レオン
今回はラファエル・レオンの2020-21シーズンについて、その成績やプレー等を振り返っていきたいと思います。
好調のリーグ前半戦

レオンの今シーズンを成績の観点から振り返りますと、リーグの前半戦と後半戦とでその結果は大きく異なることがわかります。

【20-21】レオン_前半戦
――今シーズンのリーグ前半戦、レオンのゴール・アシスト等について(『transfermarkt』より)

まずはリーグ前半戦ですが、レオンは14試合に出場して「5ゴール・4アシスト」をマークしています。
また、その4アシストを記録したのはインテル戦、ローマ戦(2アシスト)、ユベントス戦と相手が強豪ばかりです。

更に、13~17節の5試合ではCFとして起用されて3得点をマーク。イブラ欠場時にはその得点力を補う活躍を見せてくれました。



得意なレオンのプレースタイル

こうした期間中、レオンは主にカウンターの局面にてその才能を発揮していきました。具体的にそのプレーを見ていくと、以下のインテル戦におけるアシストが挙げられます。





【20-21】レオン_プレースタイル1
――ミランのカウンターの場面。チャルハノールから左サイドのレオンにボールが素早く展開される


【20-21】レオン_プレースタイル2
――その後の場面。ダンブロージオとマッチアップするレオン(赤)。フェイントによりダンブロージオのバランスを崩してから、一気に縦に加速する


【20-21】レオン_プレースタイル3
――レオンは爆発的なスピードによりダンブロージオを剥がし、敵陣深くにボールを持ち出す


【20-21】レオン_プレースタイル4
――その後、イブラにピンポイントのクロスを供給し、ゴールをアシストした


このように、まず「カウンターの局面」にて「左サイドでボールを持つ」というのがレオンの得意なシチュエーションであるように思われます。そこからは基本的に縦に仕掛けていき、対面の相手を躱してクロス、と。
スペースのある状況ではレオンのスピードとフィジカルが如何なく発揮されますし、そうした状況でレオンの縦突破を封じるのは相手にとって困難を極めますね。

同様のシチュエーションはユベントス戦でも見られ、その際はカラブリアのゴールをアシストしています。



また、以下のローマ戦ではカウンターの局面ではないものの、左サイドを独力でこじ開け、得意の形(縦突破→クロス)からサレマのゴールをアシストしました。





不調の後半戦

こうしてシーズン前半戦では上々の成績を残したレオンでしたが、後半戦に失速します。

【20-21】レオン_後半戦
――今シーズンのリーグ後半戦、レオンのゴール・アシスト等について(『transfermarkt』より)

後半戦は16試合に出場したものの、成績は「1ゴール・2アシスト」。イブラの離脱頻度が高く、レオンにはフィニッシャーとして1トップを務める機会が多々あったわけですが、その期待に応えることはできませんでした。

結局、今シーズンのレオンのリーグ通算成績は「30試合(1938分)6ゴール6アシスト」で終了。
ちなみに昨シーズンは「31試合(1359分)6ゴール1アシスト」でしたので、アシスト記録こそ大きく更新したものの、得点数は変わらずという結果になりました。


そして、こうした失速が影響してか、今オフシーズンのレオンには移籍の噂が浮上しています。



どうやらプレミアのクラブやマルセイユがレオンに興味を示しているらしく、ミランも以前とは違いレオンを放出不可能の選手とは考えていないとのことです。



レオンの去就について

現在のレオンの価格はおおよそ2500~3000万ユーロと報じられており、この額は今夏の補強資金が既に”かつかつ”となっているミランにとって非常に魅力的ではあります。

僕としては、これまで散々書いてきたようにレオンに大いに期待していますし、今夏も出来れば残留して欲しいとは思っているのですが…。仮に上記の額もしくはそれ以上で獲得オファーが届いた場合、それを断るのがチーム強化の観点から正しい判断なのかは正直悩ましく感じるところでもあります。

そこでこの件について、Twitterの方でアンケートを実施させていただきました。



ミラニスタの方向けに、レオンの去就について「残留派」、「放出派」いずれの立場かお尋ねしたところ、約6:4で残留派が上回るという結果に(大雑把な選択肢で答えにくいアンケートだったと思うのですが、ご協力いただき誠にありがとうございました)。

それといくつかコメントもいただきましたが、レオンの去就にはハウゲの去就が密接に関わりそうな気配がありますし、また起用法の問題(トップで使うかサイドで使うか。来季の起用方針によっては補強戦略も変わる?)もあることから、改めて難しい選択だなぁと感じますね。



来季のレオンへの期待

まぁ現時点では具体的なオファーもなさそうですし、残留の可能性は高いとのことで、以下ではレオンの残留を前提とした上で来季の話をさせていただきます。


ミラン在籍3年目となる来季はレオン個人にとっても正念場となるシーズンだと思いますし、そろそろ本格的な活躍を見せて欲しいところ。そのために求められるのが、精神・技術両面の成熟ではないかと思われます。

前者については、イブラ、ケシエ、ピオリ監督らが異口同音に言うように「集中力」というのが今のレオンの大きな課題として挙げられますし、ピッチ上で90分間集中を切らさずにプレーすることが今後は期待されます。

後者については色々と考えられますが、ここで1つ挙げるとすればそれはボールタッチの判断・精度かなと。
殊に中央でのプレーの際、レオンはボールの受け方が良くない場面が散見されますし、そのためせっかく良い状況でパスを受けてもそこからの展開に窮するというシーンが少なくないように思われます。
先述の通り、良い形でボールを持てれば素晴らしいプレーを披露できますから、そのための前提となるポジショニング判断等に磨きをかけていければよりパフォーマンスは上がるかなと。

そして、現時点でもカウンターの局面においては良いパフォーマンスを見せるレオンですが、一方でポゼッションの局面では粗が目立つだけに、その局面でどれだけ貢献できるようになるかが鍵になってきそうです。

レオンには来シーズンこそは飛躍的な成長を遂げ、そして大活躍してもらいたいですし、そのポテンシャルはあるはずなので、引き続き期待していきたいと思います。


それでは今回はこの辺で。

4Comments

Aki

カカニスタさん

レオンはホントに悩ましい子ですよね。
今回も同意見で、僕もずっと期待しているのですが集中力と決定力、貰い方や引いた相手へのアタックなど2年間で大きな改善が見られないのですよね。スペースが無いと活躍できない現状では、セリエで力を発揮するのは限定的になってしまいます。
そのため€25~30Mのオファーなら放出かなと思っています。今のフロントならその金額で同じくらい超有望な若手を2人くらい連れてこれそうですから。この金額を見送って控えをキープする余裕はないと思います。

来シーズンこそ大爆発という期待もあるので、繰り返しですが悩ましい子です。

あと、アンケートお答えできずスミマセンでした。

  • 2021/06/17 (Thu) 11:49
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カカニスタ22

カカニスタ22

To Akiさん

コメントありがとうございます。

今シーズンはコロナで出鼻こそ挫かれたものの、前半戦を見て彼にとっても飛躍の年になると思ったんですけどね…。
レオンの将来性に若干の疑問が感じられるようになった点や、クラブの資金調達の必要性を考えるとレオン売却も致し方ないように思われますし、オファー次第ではあり得る選択でしょうね。

アンケートの件はお気になさらないでください。いつもご贔屓にしていただき感激の極みです。

  • 2021/06/17 (Thu) 22:01
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名無しのミラニスタ

レオンの放出は避けて欲しい派です
サッカーに集中出来てない感はとてもありますがポテンシャルがあるのも分かってるので
この難しいシーズンで後半の失速がありながらこの成績は全然大目に見れます
レオンの場合目に見える結果より数字にならない部分がどうしても荒いというか
未熟というか不真面目というか

チャルですが
何年も適応に苦しんだとはいえ貢献してくれた選手が下す選択は素直に応援したい
感情任せに「10番に相応しくない追い出せ!」と過激な方々に言われてた頃とは
比べものにならないくらい良いプレイヤーになったと思います
私の認識不足なだけかもしれませんがインテル⇔ミラン間の移籍はあまり良いイメージがないので
そこで上手く順応しもう一皮むける事が出来ればトッププレイヤーになれると思う
年齢的には今から全盛期がはじまる歳なので
コンテならチャルは微妙かもしれませんがシモーネなので上手く扱うかなと
しかしエリクセンの事がなければ何処に行ってたんですかねチャル

ケシエ放出だけは本当に止めて欲しい
ダロトもブラヒムもまだ分かりませんし特にトナーリどうなりますかね
甘めに見ても1年目はかなり苦しんだと思いますがまだ見てみたい思いもあります
今季の良い結果とは裏腹にチーム解体みたいになってる現状は少し寂しい
物足りなさも指摘されますが個人的に好きなカスティも含め何人残るのか
やっと居るべき場所に戻って来れたんですがね…明るいニュースもっと欲しかったりします

カカニスタ22

カカニスタ22

To 名無しのミラニスタさん

コメントありがとうございます。

ミランフロントとしてもレオン放出は消極的なのでしょうが、財政的な問題の解決(補強資金捻出)のため放出もあり得るって感じですね。
レオンのポテンシャルの高さは間違いないでしょうが、仰るように精神面で未熟な部分がどうしても感じられるので、果たして今後数年でそのポテンシャルを十分に引き出せるのかという疑念が現場で生じても不思議ではないのかなと。

僕としてはこれからチャルハノールを応援することは二度とないでしょうが、一方でこれまでのチームへの貢献には感謝したいとも思っています。
もしインテルからオファーがなければ渋々ミランに残ってたかもしれないですね。というかミランもCL権獲得後の交渉においてはもう少し条件面で歩み寄れなかったものかと。ドンナルンマとは違って、選手とインテルに出し抜かれた感が強いので非常にモヤモヤします。

現状はチームの戦力維持に一杯一杯という感じで、それでいて主力中の主力が2枚抜けてるので決して望ましいメルカートではないですよね。
ただ時期的にもEURO大会が終了してからが本格的なメルカートの始まりだと思っているので、それまでは様子見したいと思います。

  • 2021/06/28 (Mon) 06:53
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