ラファエル・レオンの成績、プレーを振り返る【2020-21シーズン】
レオンの今シーズンを成績の観点から振り返りますと、リーグの前半戦と後半戦とでその結果は大きく異なることがわかります。

――今シーズンのリーグ前半戦、レオンのゴール・アシスト等について(『transfermarkt』より)
まずはリーグ前半戦ですが、レオンは14試合に出場して「5ゴール・4アシスト」をマークしています。
また、その4アシストを記録したのはインテル戦、ローマ戦(2アシスト)、ユベントス戦と相手が強豪ばかりです。
更に、13~17節の5試合ではCFとして起用されて3得点をマーク。イブラ欠場時にはその得点力を補う活躍を見せてくれました。
〇得意なレオンのプレースタイル
こうした期間中、レオンは主にカウンターの局面にてその才能を発揮していきました。具体的にそのプレーを見ていくと、以下のインテル戦におけるアシストが挙げられます。

――ミランのカウンターの場面。チャルハノールから左サイドのレオンにボールが素早く展開される

――その後の場面。ダンブロージオとマッチアップするレオン(赤)。フェイントによりダンブロージオのバランスを崩してから、一気に縦に加速する

――レオンは爆発的なスピードによりダンブロージオを剥がし、敵陣深くにボールを持ち出す

――その後、イブラにピンポイントのクロスを供給し、ゴールをアシストした
このように、まず「カウンターの局面」にて「左サイドでボールを持つ」というのがレオンの得意なシチュエーションであるように思われます。そこからは基本的に縦に仕掛けていき、対面の相手を躱してクロス、と。
スペースのある状況ではレオンのスピードとフィジカルが如何なく発揮されますし、そうした状況でレオンの縦突破を封じるのは相手にとって困難を極めますね。
同様のシチュエーションはユベントス戦でも見られ、その際はカラブリアのゴールをアシストしています。
また、以下のローマ戦ではカウンターの局面ではないものの、左サイドを独力でこじ開け、得意の形(縦突破→クロス)からサレマのゴールをアシストしました。
〇不調の後半戦
こうしてシーズン前半戦では上々の成績を残したレオンでしたが、後半戦に失速します。

――今シーズンのリーグ後半戦、レオンのゴール・アシスト等について(『transfermarkt』より)
後半戦は16試合に出場したものの、成績は「1ゴール・2アシスト」。イブラの離脱頻度が高く、レオンにはフィニッシャーとして1トップを務める機会が多々あったわけですが、その期待に応えることはできませんでした。
結局、今シーズンのレオンのリーグ通算成績は「30試合(1938分)6ゴール6アシスト」で終了。
ちなみに昨シーズンは「31試合(1359分)6ゴール1アシスト」でしたので、アシスト記録こそ大きく更新したものの、得点数は変わらずという結果になりました。
そして、こうした失速が影響してか、今オフシーズンのレオンには移籍の噂が浮上しています。
Rafael Leao pourrait partir de l’AC Milan cet été.
— Diavolo FR 👺🇫🇷 (@DiavoloFR) June 12, 2021
Le joueur portugais intéresse Wolverhampton, Everton et l’Olympique de Marseille.
La direction milanaise demande 25/30M.
📰@NicoSchira pic.twitter.com/U4OQ22UEzj
どうやらプレミアのクラブやマルセイユがレオンに興味を示しているらしく、ミランも以前とは違いレオンを放出不可能の選手とは考えていないとのことです。
〇レオンの去就について
現在のレオンの価格はおおよそ2500~3000万ユーロと報じられており、この額は今夏の補強資金が既に”かつかつ”となっているミランにとって非常に魅力的ではあります。
僕としては、これまで散々書いてきたようにレオンに大いに期待していますし、今夏も出来れば残留して欲しいとは思っているのですが…。仮に上記の額もしくはそれ以上で獲得オファーが届いた場合、それを断るのがチーム強化の観点から正しい判断なのかは正直悩ましく感じるところでもあります。
そこでこの件について、Twitterの方でアンケートを実施させていただきました。
ふと気になったので、ミラニスタの方向けにアンケートを実施させてください。
— カカニスタ22 (@kakanista_22) June 14, 2021
ラファエル・レオンの去就について、現時点でいずれの立場でしょうか?
ミラニスタの方向けに、レオンの去就について「残留派」、「放出派」いずれの立場かお尋ねしたところ、約6:4で残留派が上回るという結果に(大雑把な選択肢で答えにくいアンケートだったと思うのですが、ご協力いただき誠にありがとうございました)。
それといくつかコメントもいただきましたが、レオンの去就にはハウゲの去就が密接に関わりそうな気配がありますし、また起用法の問題(トップで使うかサイドで使うか。来季の起用方針によっては補強戦略も変わる?)もあることから、改めて難しい選択だなぁと感じますね。
〇来季のレオンへの期待
まぁ現時点では具体的なオファーもなさそうですし、残留の可能性は高いとのことで、以下ではレオンの残留を前提とした上で来季の話をさせていただきます。
ミラン在籍3年目となる来季はレオン個人にとっても正念場となるシーズンだと思いますし、そろそろ本格的な活躍を見せて欲しいところ。そのために求められるのが、精神・技術両面の成熟ではないかと思われます。
前者については、イブラ、ケシエ、ピオリ監督らが異口同音に言うように「集中力」というのが今のレオンの大きな課題として挙げられますし、ピッチ上で90分間集中を切らさずにプレーすることが今後は期待されます。
後者については色々と考えられますが、ここで1つ挙げるとすればそれはボールタッチの判断・精度かなと。
殊に中央でのプレーの際、レオンはボールの受け方が良くない場面が散見されますし、そのためせっかく良い状況でパスを受けてもそこからの展開に窮するというシーンが少なくないように思われます。
先述の通り、良い形でボールを持てれば素晴らしいプレーを披露できますから、そのための前提となるポジショニング判断等に磨きをかけていければよりパフォーマンスは上がるかなと。
そして、現時点でもカウンターの局面においては良いパフォーマンスを見せるレオンですが、一方でポゼッションの局面では粗が目立つだけに、その局面でどれだけ貢献できるようになるかが鍵になってきそうです。
レオンには来シーズンこそは飛躍的な成長を遂げ、そして大活躍してもらいたいですし、そのポテンシャルはあるはずなので、引き続き期待していきたいと思います。
それでは今回はこの辺で。