ミランのCF編成について
一時は手術の可能性も取りざたされましたが、ひとまずは保存療法により復帰を目指すことになりました。
しかし、その経過は思わしくないとのことです。スウェーデン代表のアンデション監督が先日の会見にて、「私はズラタンとコンタクトを取ったが、彼の回復は順調ではない」と発言。
そして報道でも、イブラが当初の想定以上に離脱する可能性が噂されています。
🚨 Concerns are increasing at Milan in regards to Ibrahimovic as the conservative therapy to his knee injury is not giving the desired results. Milan will wait until the end of June before making further assessments
— Milan Eye (@MilanEye) June 11, 2021
[Gazzetta dello Sport] pic.twitter.com/cIzeSRDKoB
今後の負傷箇所の経過次第では手術の選択もあり得るとのことで、もしそうなれば離脱期間の延長は免れません。
イブラ本人が「通常なら俺は年間で50試合プレーする」と豪語するように、タフネスさというものが彼の数多くある魅力の内の1つです。
しかし、今シーズンは継続的に怪我に悩まされ、欠場を重ねることとなりました。

今季ミランの公式戦53試合の内、イブラの出場は27試合と約半分。そして、「コロナによる離脱、サスペンション、ベンチ入りするも出番なし」といった「怪我以外の欠場」を除くと、実に20試合を怪我により欠場しています(『transfermarkt』調べ)。
数年前のユナイテッド在籍時代に負った大怪我、加えて39歳という現在の年齢や最初に言及した回復具合を踏まえると、来シーズンになってもこの出場率が大幅に上昇することは考え難いですし、何より過度の期待を寄せることはイブラの選手としての寿命を縮めることにもなりかねません。
したがって、今オフシーズンの課題の1つとしては「イブラの負担を減らし、その不在を補える選手の確保」という事になります。
〇ジルー獲得?
その意味で、近ごろ強く噂されるジルーの獲得は実に合理的だと感じます。
🎙@DiMarzio: There were really POSITIVE contacts today between Oliver Giroud entourage and AC Milan management. The situation may define in the next few days for the forward. There is great optimism by both parties. pic.twitter.com/kV4CmTCnKL
— Milan Posts (@MilanPosts) June 9, 2021
ミランにとってイブラの「実質的な」代役は存在しないというのが僕の持論であるわけですが、優秀なポストプレーヤーであるジルーは今のミラン2列目の組み合わせに間違いなくマッチするはずですしね(チャルハノールのパスの収め所、レビッチやサレマの飛び出しに応えるパス等)。
また先日、チェルシーはジルーとの契約を延長したものの、一部報道によればジルーが国外へ移籍する場合に契約解除に応じる条項ないし約束?があるだかないだかで、まぁ何れにせよミラン移籍の可能性は依然として残されています。
年俸も300~400万ユーロと、実績を考慮すればリーズナブルであると思いますし、もし今季の戦い方をベースとするのであれば是非とも実現して欲しいところです。
〇3番手CF獲得の是非
更に、ミランにはジルーのほかに、「3人目のCF」として若手選手の獲得の可能性が報じられています。
イブラやジルーといった百戦錬磨のFWのプレーを間近で観察し、その熟練の技を吸収。そしていずれはミランを背負って立つ選手へと成長してもらうというのが理想的でしょうか。
ただし、現時点で3番手のCFに資金を費やす余裕があるかというのは怪しいところです。
というのも、右サイドハーフやボランチ、両SBなどミランの優先されるべき要補強ポジションは多いですし、未だに煮え切らない態度を見せるチャルハノールの去就によってはそれが更に増えますからね。
それに、現時点でもレビッチやレオンを状況によってCFとして起用する手があります。今季のように、彼らがイブラ不在時のCF1・2番手になるようでは困る事も多いでしょうが(例えば37節のカリアリ戦など、相手がかなり引いてきた試合などではスペースがないため、彼らだと厳しい)、プレスとカウンターに注力したゲームプランを立てる際などは有用なはずです。
ですので、もし補強するとしても、獲得当時のサレマのように比較的マイナーで安く、それでいて伸びしろのある若手がベストかなと。既に有名で微妙に高騰している若手選手を獲るくらいであれば、他のポジションに資金を充てた方が良いというのが個人的な見解です。
ただしもちろん、こういった判断はイブラや2番手CFのコンディションにも左右されるところであって、実際に現時点でイブラの状態が思わしくないらしいことから、今後チームにとって3番手CF獲得の重要性が増すことが考えられます。そうならないことを願いますけどね。
〇まとめ
志向する戦術や2列目以下の構成によっては求められるCF像も変わってくるでしょうが、少なくとも現時点で確実に言えることは「イブラの控えの必要性」についてです。
全盛期とは異なり、イブラにシーズンを通してフル稼働してもらうことは難しいと実証されたわけですから、今季と同じ轍を踏まないためにもイブラの控えには十分な実力者を迎え入れて欲しい所です。
そして、3番手CFについては現時点で判断が難しいところですが、獲るとしても出来る限りローコストに抑えたいですよね。イブラの状態如何によって重要度が決まるでしょう。
最後に。今回はイブラの控えに焦点を当ててきましたが、ミラニスタであり大のイブラ好きでもある僕からすれば、やはりイブラが活躍してミランが勝ってくれるに越したことはありません。
控えの必要性は承知の上ですが、それでも彼がシーズンを通してチームをピッチ上で牽引し続けてくれることを願っていますし、そのためにもまずは今の膝の怪我をしっかりと治して欲しいですね。
それでは今回はこの辺で。