ハウゲの去就について
20-21シーズン終了直後から忙しなくチーム補強に動いているミラン。
報道でも様々な獲得候補・放出候補の名前が挙げられているわけですが、その中で個人的に今かなり気になっているのがハウゲについてです。
今シーズン最後の9試合で1分も出られなかったハウゲには兼ねてからレンタル移籍の噂がありましたが、現在ホットな話だと、デ・パウル獲得のため取引の一部に含まれるのではないかというものがあります。
📰Claudio Raimondi (SportMediaset): Milan is searching for a new number 10, and the first name is Rodrigo de Paul. Udinese's request is €35 million, but Milan could offer Hauge (€12 million value), a profile that interest the Friulians to reduce the value Udinese set. pic.twitter.com/qFHGkSinVW
— Milan Posts (@MilanPosts) June 2, 2021
今回はそんなハウゲについて、軽くですが個人的見解を述べさせてもらおうと思います。
そもそも何故、ハウゲは終盤戦になるにつれ起用されなくなっていったのでしょうか。
その理由としては、コンディション面、戦術面、技術面からそれぞれ考えられます。
まずコンディション面についてですが、今シーズンのミランに加入する前までハウゲはノルウェーリーグで半シーズン以上プレーを続けていました(リーグ戦18試合に出場)。
そこから休まずミランに加入したわけでして、長期間のプレーにより終盤はフィジカル・メンタルコンディションの両面が低下してしまったという事情はあったかなと思われます。
続いて技術面についてですが、今シーズンのハウゲに見られた技術的な課題として、トラップ精度とパス判断などが挙げられると個人的には考えています。
というのも、ハウゲはセリエAの守備に対する「慣れ」が十分でなく、そのため相手のプレッシャーなどによってボールコントロールが不正確になってしまったり、パスミスしてしまったりといったシーンが散見された印象です。
そして、そうしたミスが続くことによってやや消極的なプレーが増え始め、シーズン途中からはスペースのある状況でもドリブルで仕掛けないといった場面も見られました。
ハウゲの魅力は何といってもそのドリブルで、思い切りの良い仕掛けからの豊富なプレー選択(ドリブルからのシュート、ラストパス、ワンツー突破etc…)にあると思っています。ですが、その状況を作るにはまず正確なボールタッチが求められますし、もちろん積極性も必要です。
こういった前提条件が今シーズン(途中から)のハウゲには欠けており、それが真価を十分に発揮できなかった理由の一つではないかと思います。
最後に戦術面についてですが、基本的に今のミランに求められる左サイドハーフはエリア内に侵入してストライカー的な仕事ができる選手(レビッチ、ちょい物足りないけどレオン)ですとか、同SBテオを活かすことができる選手ですとか、積極的に中央ライン間に入って細かいパスを繋いで崩しに貢献する選手(チャル、ブラヒム)とかが優先的に起用される傾向があります。
一方、今のハウゲは基本的にサイドでボールを受けて輝くタイプです。ELのグループステージでハウゲは躍動したわけですが、その素晴らしいプレーの数々はサイドでボールを持ったところから生まれています(詳しくはコチラの記事「ハウゲのプレースタイルについて(2) ~ELで躍動する大器~」にて詳述)。
逆に、タイミング良くエリアに飛び込んでゴールを脅かしたり、狭いスペースで細かくパスを繋いでチャンスを演出したりといったシーンはあまり見られませんでした。おそらく後者については連携の問題もあり、時間と共に解消される面だと思うのですが、いずれにせよ監督が求めるプレーヤーと今のハウゲのプレースタイルがやや一致していないのというのが現状ではないかと考えます。
ですので、ELなど試合数の多かったシーズン前半戦はともかく、シーズン終盤戦の大事な試合では起用されなかったのかなぁと。
〇おわりに
しかしながら、こうした点の多くは今オフシーズン中の休暇によるリフレッシュですとか、来シーズンのハウゲの更なる適用・成長によって解決し得る問題だと思います。
ですので、やはり僕としてはハウゲに残って欲しい。マノラスを躱してチームの3点目を決めたナポリ戦や、ELでの躍動など、全体的に少ない出場機会ながらも印象的な活躍はありましたしね。
確かにデ・パウルは物凄く欲しい選手ではあるのですが…。何とか上手くハウゲ抜きで交渉成立できないものかなぁと。
まぁもちろん構想外という事であればそれはもう致し方ないですが、そうでないのならミランでまだまだ見たいというのが僕の切実な願いであります。
それでは今回はこの辺で。