【愚痴話】ラツィオ対ミラン【2020-21シーズン・セリエA第33節】
今回はセリエA第33節、ラツィオ対ミランについて。
タイトルにもある通り、今回は愚痴ります。
いつものような作図とかキャプチャ解説は今回ナシで、ひたすらグチグチと書いていきます。あらかじめご了承いただければと思います。
タイトルにもある通り、今回は愚痴ります。
いつものような作図とかキャプチャ解説は今回ナシで、ひたすらグチグチと書いていきます。あらかじめご了承いただければと思います。
〇敗北の要因
ラツィオボールから始まった前半キックオフでしたが、ミランはすぐにボールを奪ってショートカウンターに繋げ、枠内シュートを放ちました。その間わずか20秒足らずです。
このように非常に良い入りを迎えたわけですが、ご存知の通り丁度その1分後、ラツィオにあっさりとプレスを掻い潜られて早々に失点を喫すると。
試合後のインタビューでピオリが「ラツィオの先制ゴールによって、彼らの個性が最大限発揮される状況が作られた。これが敗北の決定的要因だった」という旨を述べていますが、その通りだと思います。
というのも、開始早々にリードを得たラツィオはその後5-3-2でしっかりとブロック主体で手堅く守りつつ、攻め込むミランのボールを奪って得意の(ロング)カウンターを連発。決定機を次々と作り出していく、と。
サビッチ―ラッツァーリ間の連携や、2トップの細かい連携等、カウンターの起点となる場面での精度が今のミランとは雲泥の差でございました(本来、ピオリ・ミランもカウンターが強力なチームだったんですけどね…)。
試合前にラツィオが準備したゲームプランも同様のものだったと予想しますが、この先制点によって彼らに精神的余裕が生まれた事は間違いなく、逆にミランとしては出鼻を完全に挫かれ気落ちしてしまったと。こうしたメンタル面もその後のパフォーマンスに影響を及ぼしていたと思います。
〇攻撃の形と、主力の不調
ビハインドとなったミランは何とかしてラツィオの守備を崩して点を奪わないといけないわけですが、31分。綺麗な崩しから最後はチャルハノールがシュートを撃ちますがキーパーに止められます。
直近の決定力の無さからして、もはや「ああ、ハイハイ…」といった感じの流れです。
ところで、上記のシーンもそうでしたが、基本的にミランが良い攻撃の形を作った時は大抵ボランチ(主にケシエ)が最終ラインに加わり、両SBを押し上げる一方でサイドハーフを中に絞らせる形を取っていました。
これなら相手の2トップの横にボールを持ち運びやすいし、中盤にできたスペースにパスを出しやすくなると。上記のシーンもケシエからライン間のサレマに縦パスが通り、そこからチャルハノールへとテンポ良くボールを渡したことで決定機が生まれています。
一方で、ダブルボランチが2.5列目の位置をキープし、4バックのまま組み立てようとした時はあまり上手くいきません。
ラツィオの2トップがしっかりと守備をし、ボランチへのパスコースを切るためそこにパスを入れるのは難しいですし、何よりテオが問題です。
というのも、元々テオは組み立てが上手くないわけですが、今はコンディション不良が重なり判断・精度共にかなりよろしくない状態です。
この試合でも開始10分近くのシーンが象徴的でしたが、左サイド後方から中央にボールを入れようとしてものの見事にインターセプトされ、ラツィオにショートカウンターを食らいました。
また守備に関しても、技術的な面はさておき、好調時は帰陣の速いテオですが、この試合では対面のラッツァーリに走り負けるシーンが散見されました。
主力中の主力であるテオがこの調子だとチーム力は当然ガタ落ちですし、厳しい状況ですが何とかしてコンディションを上げてもらうしかないよなぁと。さもなければ、一旦ダロトを左SBで先発起用するという選択も視野に入れる必要がありそうです。
それとコンディション面で言えば、同様のことがベナセルにも当てはまります。ピオリ・ミランを支える彼らの復調を願いたいです。
〇マンジュキッチの不振とその影響
続いて、前線について。
この試合、ミランに加入して初のリーグ戦先発となったマンジュキッチのパフォーマンスに注目が集まったわけですが、率直な感想を言わせてもらうと非常にガッカリなものでした。
そもそも、マンジュキッチに最も強く求められた役割は何だったのかといえば、それはイブラの「代役」だったはず。もう少し具体的に言えば、ミランの2列目以下をポストプレー等でサポートし、崩しの局面に大きく貢献することですね(最近で言えばパルマ戦の1点目・2点目におけるイブラのプレーが理想です)。
特にチャルハノールが真価を発揮するためには、この手のパスの受け皿となる選手が不可欠といって過言ではないと思います。
彼はライン間でのポジショニングと、そこでボールを受けてからのパス精度・判断は素晴らしいものがあって、実際に「キーパス数」で言えばセリエA暫定トップの「89回」です。
ですが、ドリブルによる推進力やキープ力は平均レベルですし、一発で相手DFの裏を取るような創造性のあるパスを出せるわけでもないため、周囲に的確なサポートを必要とします。それが例えば、イブラのようなボールの収め所となる選手ですね。
それで、この試合のマンジュキッチの話に戻りますが、彼がこの試合で印象的なプレーを見せたのはエリア内での空中戦くらいのもので、ポストプレーによってチャルハノールを始めとする2列目以下の選手たちをサポートできた場面はほとんどありませんでした。
そういったサポートがないこともあり、チャルハノールは中央でボールを受けてもそれを素早く捌く対象が見つからず、ボールロストを連発しました(特にルーカスにやられまくってた印象です)。
もちろん、冬加入でしかも怪我で離脱していた時期もあり、周囲と連携を深める時間が足りていないという斟酌すべき点はありますが、短期的な助っ人として獲得されたマンジュキッチの場合はすぐに結果を残してもらわないと困ります。
昨季のイブラやケアーもそういう形で冬に加入し、期待された役割を実際に担ってすぐに活躍してくれたわけですからね。それが結果的に契約延長に繋がったわけで。
要するに、現段階でマンジュキッチにイブラの「代役」という役割がほぼ期待できなくなった以上、残念ながら契約延長の可能性は限りなく低いだろうなぁと思います。
もちろん、残り5試合の中でどっかしら出番はあるでしょうし、そこで得点なりアシストなり決めてくれることは引き続き期待します。活躍してくれるに越したことはありませんしね。
〇まとめ
本当はもっと色々な事に言及すべきなのですが、書き疲れてしまったのでまとめに入ります。
このラツィオ戦での完敗によって、ミランはとうとう5位にまで順位を落としました。
2位アタランタが68で、3~5位のナポリ・ユベントス・ミランが同勝ち点の66。また、ラツィオが未消化分の試合で勝利すれば勝ち点64という事で、CL争いは引き続き大混戦状態です。
順位上は十分にCL圏内の可能性を残すミランですが、チーム状況を考慮すると厳しくなったと言わざるを得ないですし、当面の到達目標として掲げられていた「勝ち点75」で4位以内に入れるかどうかも疑わしいものとなっています。
しかし、こうなってしまってもミランをただひたすらに信じるしかありません。
イブラが次節ベネヴェント戦に出場できそうというポジティブなニュースもありますし、彼を中心にもう一度チーム状態を上げていって欲しいと思います。
そして、個人的にピオリ監督にはハウゲ関連を除いて概ね満足していますし、チーム目標である4位以内を達成して来季以降も監督を務めて欲しいです。
Forza Milan!
愚痴回で恐縮でしたが、最後まで読んでいただきありがとうございました。
ラツィオボールから始まった前半キックオフでしたが、ミランはすぐにボールを奪ってショートカウンターに繋げ、枠内シュートを放ちました。その間わずか20秒足らずです。
このように非常に良い入りを迎えたわけですが、ご存知の通り丁度その1分後、ラツィオにあっさりとプレスを掻い潜られて早々に失点を喫すると。
試合後のインタビューでピオリが「ラツィオの先制ゴールによって、彼らの個性が最大限発揮される状況が作られた。これが敗北の決定的要因だった」という旨を述べていますが、その通りだと思います。
というのも、開始早々にリードを得たラツィオはその後5-3-2でしっかりとブロック主体で手堅く守りつつ、攻め込むミランのボールを奪って得意の(ロング)カウンターを連発。決定機を次々と作り出していく、と。
サビッチ―ラッツァーリ間の連携や、2トップの細かい連携等、カウンターの起点となる場面での精度が今のミランとは雲泥の差でございました(本来、ピオリ・ミランもカウンターが強力なチームだったんですけどね…)。
試合前にラツィオが準備したゲームプランも同様のものだったと予想しますが、この先制点によって彼らに精神的余裕が生まれた事は間違いなく、逆にミランとしては出鼻を完全に挫かれ気落ちしてしまったと。こうしたメンタル面もその後のパフォーマンスに影響を及ぼしていたと思います。
〇攻撃の形と、主力の不調
ビハインドとなったミランは何とかしてラツィオの守備を崩して点を奪わないといけないわけですが、31分。綺麗な崩しから最後はチャルハノールがシュートを撃ちますがキーパーに止められます。
直近の決定力の無さからして、もはや「ああ、ハイハイ…」といった感じの流れです。
ところで、上記のシーンもそうでしたが、基本的にミランが良い攻撃の形を作った時は大抵ボランチ(主にケシエ)が最終ラインに加わり、両SBを押し上げる一方でサイドハーフを中に絞らせる形を取っていました。
これなら相手の2トップの横にボールを持ち運びやすいし、中盤にできたスペースにパスを出しやすくなると。上記のシーンもケシエからライン間のサレマに縦パスが通り、そこからチャルハノールへとテンポ良くボールを渡したことで決定機が生まれています。
一方で、ダブルボランチが2.5列目の位置をキープし、4バックのまま組み立てようとした時はあまり上手くいきません。
ラツィオの2トップがしっかりと守備をし、ボランチへのパスコースを切るためそこにパスを入れるのは難しいですし、何よりテオが問題です。
というのも、元々テオは組み立てが上手くないわけですが、今はコンディション不良が重なり判断・精度共にかなりよろしくない状態です。
この試合でも開始10分近くのシーンが象徴的でしたが、左サイド後方から中央にボールを入れようとしてものの見事にインターセプトされ、ラツィオにショートカウンターを食らいました。
また守備に関しても、技術的な面はさておき、好調時は帰陣の速いテオですが、この試合では対面のラッツァーリに走り負けるシーンが散見されました。
主力中の主力であるテオがこの調子だとチーム力は当然ガタ落ちですし、厳しい状況ですが何とかしてコンディションを上げてもらうしかないよなぁと。さもなければ、一旦ダロトを左SBで先発起用するという選択も視野に入れる必要がありそうです。
それとコンディション面で言えば、同様のことがベナセルにも当てはまります。ピオリ・ミランを支える彼らの復調を願いたいです。
〇マンジュキッチの不振とその影響
続いて、前線について。
この試合、ミランに加入して初のリーグ戦先発となったマンジュキッチのパフォーマンスに注目が集まったわけですが、率直な感想を言わせてもらうと非常にガッカリなものでした。
そもそも、マンジュキッチに最も強く求められた役割は何だったのかといえば、それはイブラの「代役」だったはず。もう少し具体的に言えば、ミランの2列目以下をポストプレー等でサポートし、崩しの局面に大きく貢献することですね(最近で言えばパルマ戦の1点目・2点目におけるイブラのプレーが理想です)。
特にチャルハノールが真価を発揮するためには、この手のパスの受け皿となる選手が不可欠といって過言ではないと思います。
彼はライン間でのポジショニングと、そこでボールを受けてからのパス精度・判断は素晴らしいものがあって、実際に「キーパス数」で言えばセリエA暫定トップの「89回」です。
ですが、ドリブルによる推進力やキープ力は平均レベルですし、一発で相手DFの裏を取るような創造性のあるパスを出せるわけでもないため、周囲に的確なサポートを必要とします。それが例えば、イブラのようなボールの収め所となる選手ですね。
それで、この試合のマンジュキッチの話に戻りますが、彼がこの試合で印象的なプレーを見せたのはエリア内での空中戦くらいのもので、ポストプレーによってチャルハノールを始めとする2列目以下の選手たちをサポートできた場面はほとんどありませんでした。
そういったサポートがないこともあり、チャルハノールは中央でボールを受けてもそれを素早く捌く対象が見つからず、ボールロストを連発しました(特にルーカスにやられまくってた印象です)。
もちろん、冬加入でしかも怪我で離脱していた時期もあり、周囲と連携を深める時間が足りていないという斟酌すべき点はありますが、短期的な助っ人として獲得されたマンジュキッチの場合はすぐに結果を残してもらわないと困ります。
昨季のイブラやケアーもそういう形で冬に加入し、期待された役割を実際に担ってすぐに活躍してくれたわけですからね。それが結果的に契約延長に繋がったわけで。
要するに、現段階でマンジュキッチにイブラの「代役」という役割がほぼ期待できなくなった以上、残念ながら契約延長の可能性は限りなく低いだろうなぁと思います。
もちろん、残り5試合の中でどっかしら出番はあるでしょうし、そこで得点なりアシストなり決めてくれることは引き続き期待します。活躍してくれるに越したことはありませんしね。
〇まとめ
本当はもっと色々な事に言及すべきなのですが、書き疲れてしまったのでまとめに入ります。
このラツィオ戦での完敗によって、ミランはとうとう5位にまで順位を落としました。
2位アタランタが68で、3~5位のナポリ・ユベントス・ミランが同勝ち点の66。また、ラツィオが未消化分の試合で勝利すれば勝ち点64という事で、CL争いは引き続き大混戦状態です。
順位上は十分にCL圏内の可能性を残すミランですが、チーム状況を考慮すると厳しくなったと言わざるを得ないですし、当面の到達目標として掲げられていた「勝ち点75」で4位以内に入れるかどうかも疑わしいものとなっています。
しかし、こうなってしまってもミランをただひたすらに信じるしかありません。
イブラが次節ベネヴェント戦に出場できそうというポジティブなニュースもありますし、彼を中心にもう一度チーム状態を上げていって欲しいと思います。
そして、個人的にピオリ監督にはハウゲ関連を除いて概ね満足していますし、チーム目標である4位以内を達成して来季以降も監督を務めて欲しいです。
Forza Milan!
愚痴回で恐縮でしたが、最後まで読んでいただきありがとうございました。