ラツィオ戦プレビュー「両チームにとって重要な一戦」
本日は、そんな試合前に行われたピオーリ監督による記者会見の内容について、いくつかピックアップしていこうかなと。
――この試合はCLを懸けたプレーオフか
「その通り。終盤戦における直接対決の結果は、通常の2倍の価値がある。我々にとっても相手にとっても、今後を占う重要な一戦だ」
現時点のカンピオナートは以下の通りになっています。

(『グーグル』より)
先日、33節を消化したインテル(勝利)、アタランタ(勝利)、ユベントス(引き分け)の結果が反映され、ミランは暫定で3位となっています。しかし、ユベントスとの直接対決の結果が現時点で劣っているので、このまま2チームが同勝ち点の場合、35節の直接対決に勝たなければユーベに順位を上回られることになるはずです。
まぁ今はそのことを置いとくとして…。今節の対戦相手のラツィオは暫定6位で勝ち点は58となっていますが、トリノとの一戦が延期となっています。そこで、もしミラン・トリノ相手に順調に勝ち点を積み上げることができれば+6という事で、ラツィオの勝ち点は64。CLの可能性は十分に残ります。
逆に、ミランがここでラツィオを叩くことができれば、ラツィオはCL争いから脱落してもおかしくない状況になりますので、両チームにとって絶対に勝ちたい一戦となりますね。
――センターフォワードについて
「イブラヒモビッチの状態は良くなっているが、明日の試合には出ない。次のベネヴェントとの一戦には出られるかもしれないね。明日はマンジュキッチかレオンがセンターフォワードとして出場する。マリオのコンディションは上がっているし、彼には相手のエリア内で我々に貢献できる個性がある」
この状況下でイブラが欠場というのは痛すぎますが、この試合後もまだ5試合あることを考えると無理はさせられません。
そこで問題となるのはその代役ですが、ピオリ監督はマンジュキッチの先発の可能性を示唆しています。
先日の話ではフルで出られる状態ではないとのことでしたが、レオンが結果を残せていない現状だとマンジュキッチに懸かる期待は大きくなりますし、本来こういう状況での活躍こそが彼には求められているはずです。
スタメンであれスーパーサブであれマンジュキッチに出番はあるでしょうし、もうそろそろ本当に活躍して欲しいですね。
――レオンについて
「レオンは成長し、成熟を続けている。ただ、経験の少ない若手選手にとって、セリエAのような難しいリーグで適切な役割を定めるのは難しい。より成長を遂げれば、役割やポジションを見出すことが可能になる。レオンに重要なのはクオリティと価値を高めていくことだ。それに応じて、我々は彼のポジションを評価していく」
現段階ですと、レオンの最適ポジションを定義するのは難しいと僕は感じていますし、監督も同様のことを述べています。
傑出したフィジカルとテクニックを併せ持ち、ウイングとしてもストライカーとしても光るものを見せる一方で、関係者が異口同音に言うように「継続性・集中力に欠ける」ため、そのポテンシャルを発揮し切れないという非常にもどかしい状況が続いています。
ここ2試合で批判の的になっているレオンですが、個人的に彼に対する期待感は不変ですし、この終盤戦で何とかキッカケを掴んで欲しい所です。
気分屋な彼のことですから、おそらく1ゴールでも決めればまたノッてくると思いますしね。
――ラツィオについて
「強力なチームだ。テクニック、フィジカル、スピードを兼ね備えた選手を前線に揃えている。今季はCLにも出場していたね。我々は前回の対戦で勝利しているが、彼らとの対戦はいつも均衡したものとなる。」
――守備陣のコンディションについて
「テオはコンディションが上がっており、昨日はチームトレーニングの一部を行っている。明日は起用可能かもしれない。ロマニョーリも同様に、チームとの継続的なトレーニングによってコンディションが改善している。だがトモリは昨日小さい問題を抱えていた。」
スピーディーなカウンターを持ち味とするラツィオに対し、怪我からの復帰後出番の無いロマニョーリをいきなり起用するというのはリスキーだと感じますし、出来ればトモリに出場して欲しいところですがどうなるか…。トモリをコンディションの悪い状態で出しても怖いですけどね。
一方で、テオは復帰の可能性があるとのこと。前回のラツィオとの対戦では彼が決勝ゴールを決めていますし、ハマった時の彼の破壊力は確かですから、可能ならばすぐに戻ってきてほしいですね。
――決定力不足について
「思うに、直近の数試合で見せた我々のプレーにおける最大の問題が決定力不足だ。我々は頻繁にゴールチャンスを作り出すが、そこで正しい判断ができず、パス・シュート・ドリブルの選択を誤っている。この点の改善には取り組んでいるよ」
まぁ最近の課題はこれに尽きるかな、と。
ゴール前に良い形で侵入しても、そこからの判断や精度でチャンスをフイにするシーンがあまりに多いですし、ここは要改善ですよね。
――システムについて
「前節、我々は攻撃時に4-2-2-2、守備時に4-4-2となるシステムを採用した。自分たちのクオリティを高めて相手を困難に陥れるため、我々は一試合毎に準備をしている。だからピッチ上のポジションも変化する。」
前回のマッチレビュー記事にて言及しましたが、ミランは4-2-2-2システムを採用し、中央の密度を高めてサッスオーロのライン間を破り、主導権を握ることに成功しています。
今節のラツィオは中央が固いため、同様のシステムで臨むかはわかりませんが、いずれにせよ重要になるのはボランチの働きになるかなと。
上手く相手の前線と中盤の間でボールを引き出し、相手の中盤を前に引きずり出せるか。ケシエは鉄人なので大丈夫として、ベナセル(復帰予定)のコンディションは未知数ですから注目ポイントの一つですね。
さて。最後にデータを一つ紹介して、プレビューを終わらせたいと思います。
Lazio have not kept a clean sheet against #ACMilan in a Serie A game since February 2012 (2-0 win). Since then, the Rossoneri have found the net in 17 games in a row (1.8 goals per game on average). pic.twitter.com/bybtAl37r6
— MilanData📊 (@acmilandata) April 25, 2021
こちらのデータによれば、ミランはリーグ戦でラツィオ相手に17試合連続でゴールを決めているとのこと。
決定力不足に喘ぐミランにとってはありがたいデータですが、このまま記録を更新することはできるでしょうか。
もうどんな内容でも良いのでミランに勝って欲しい。求めるのはそれだけです。
Forza Milan!
それでは今回はこの辺で。