ミラン、マンジュキッチを獲得!~期待される役割について~
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— AC Milan (@acmilan) January 19, 2021
Comunicato Ufficiale: Mario Mandžukić ➡ https://t.co/gEHRYtZmQL #ReadyToUnleash #SempreMilan pic.twitter.com/NjmFT2ESVq
公式によれば、契約期間は半年ですが延長OP付。また、背番号は「9」となっています。
以前メイテについて書いた記事のコメント欄にて、名無しのミラニスタさんやAkiさんからマンジュキッチ獲得の噂について尋ねられた際、僕は懸念材料として以下の点を挙げさせてもらいました。
・ブランク
・年俸
・控えの役割を受け入れてくれるか
で、これらについてなのですが、報道によると
・ブランク→メディカルチェック、フィットネステスト共に問題なし
・年俸→他クラブからの高額オファーを断り、ミランとは年俸180万ユーロで合意
・控えの役割→受諾
あと、これらとは別に契約期間も気になっていたのですが、これも先述の通り「半年間+延長OP」とのことで、非常にリスクの低いものとなっています。
という事で、懸念材料のほとんどが解消されたため、個人的にマンジュキッチ獲得は大賛成です。夢のスクデットに近づく補強ではないかとすら思います。
○マンジュキッチのプレースタイル
そもそも何故CF補強の必要性が叫ばれたかといえば、それはチームに「イブラヒモビッチの実質的な代役」がいないにも関わらず、その肝心のイブラの離脱が少なくないからでした。
確かに、今のミランがイブラに頼り切ったサッカーでないことは試合を観ていればわかることで、イブラ不在時の結果もそれを裏付けているわけですが、それでも彼がいる時といない時とではチームの形は変わりますし、それによる欠点ももちろん存在します(詳しくはコチラの記事「イブラヒモビッチ不在時における、ミランの戦術的特徴について」にて詳述)。

(『SofaScore』より)
そこで、代役候補としてマンジュキッチに白羽の矢が立ったわけですが、彼は言わずと知れた優秀な選手です。
190センチの長身を活かしたヘディングは強い(=競り合いに勝ち、ゴールに突き刺す)だけでなく上手い(=ロングボールを味方に落とすなど、マイボールに出来る)。
またフィジカルが強いだけでなく、足元も普通にあるため、ミランが求めていたCFとして非常にマッチしていると考えられます。
もちろんイブラほど卓越したインテリジェンスがあるわけではないですが、マンジュキッチも戦術理解度が高く、献身性もあるため、イブラの代役として十二分な働きを「試合勘とフィジカルコンディションが戻れば」見せてくれると思います。
○パワープレー要員としての期待
さて。ここまではイブラの代役としての側面に焦点を当ててきましたが、もちろん併用の可能性というのも十分に考えられます。俗にいう「ツインタワー」というやつです。
長丁場となるリーグ戦(セリエA)の中では、実力的に劣る相手に苦戦し、時間の経過と共に守備をガチガチに固められて攻めぐねるなどといった状況は必ずといっていいほどあるわけですが、そういう時にこそこのツインタワーが非常に有効となるのではないかと考えています。
というのも、どれだけ人数をかけて守っても、空中戦においては1対1となる場面というのが頻発しますし、そこで優位性を持てればゴールをこじ開ける可能性は高まります。
実際に今季のヴェローナ戦やウディネーゼ戦など、ミランがイブラを使ったパワープレーで終盤にゴールを奪って勝ち点をもぎ取った試合がありましたね。
そこに更に、マンジュキッチという優秀なターゲットマンが一緒に加われば、注意が分散され、より強力なパワープレーになることが考えられます。
というわけで、マンジュキッチ投入による終盤のパワープレーというのが、今後のミランが安定して勝ち点を得ていく上での非常に大きな武器になるのではと期待しています。相手DF陣にとっては脅威としか言いようがないですね(笑)
○左サイドハーフ起用の是非
ところで、マンジュキッチは左サイドハーフでの先発起用の可能性も取りざたされています。
ユベントス時代にも同ポジションで起用され、機能した実績があることですし、もちろん可能性の一つとしては考えられますね。
ただ、今のミランの場合、右サイドハーフはバランスの取れる選手(サレマ)や守備的な選手(カスティジェホ)が起用され、左サイドハーフにはスピードと突破力に優れた攻撃的な選手(レビッチやレオン)を起用する傾向が強いです。
一方、マンジュキッチはスピードやドリブルに関しては長所としている部分ではなく、彼を左サイドに置いた場合、今の両サイドのバランスが多少なりとも崩れることになります(特に、カウンターの威力が低下する恐れがある)。
またその場合、右サイドから崩し、中央のイブラと逆サイドから飛び込んできたマンジュキッチがクロスのターゲットとなる形が理想の攻撃の1つといえますが、右サイドハーフが突破力に大きく欠けるカスティジェホやクロス精度が(今のところ)何とも言えないサレマだと、この形をスタートから十分に活かせるかどうかは疑問の余地があります。
当時のユベントスだと、右サイドにはクアドラードとかドウグラス・コスタとかがいたから上記の形が十分に機能したという側面もあると思いますしね。
しかしながら一方で、怪我やコロナで離脱者が続出している今現在のミランにおいては、左サイドハーフで起用される可能性も低くないんじゃないかとも思っています。
献身的なマンジュキッチであれば守備もしっかりやってくれるでしょうし、セットプレーなどにおいては間違いなく脅威になれるでしょうしね。
後はカスティジェホが昨季の絶好調時くらいのクロス精度を取り戻してくれるなら、十分とは言わずとも結構良い感じになりそうです。
もしくは、サレマが更なる成長を遂げ、正確なクロスや突破力を身に付けてくれれば上記の形を活かしやすくなりますね。
○おわりに
以上、マンジュキッチのプレースタイルと今のミランとの親和性だったり、起用法だったりについて、僕の思うところを書かせていただきました。
最後に。以上のことはマンジュキッチがユベントス時代並のパフォーマンスを発揮してくれることを前提に書いている部分も多いです。
実際は、約10カ月ものブランクがある34歳のマンジュキッチがすぐにフィジカルコンディションや試合勘を取り戻せるかどうかは未知数ですから、この点はやはり触れておかねばなりません。
しかしながら、僕の知る限りマンジュキッチという選手はサッカーへの情熱があり、チームへの忠誠心が高いですから、ミランのために全力を尽くしてくれることは間違いないと思います。だからこそ彼の獲得に賛成していますしね。
否定的な意見も散見されるマンジュキッチですが、シーズンが終わる頃には全ミラニスタの心を鷲づかみにする存在になって欲しいと心から願います。
Foza Mario!
I am thankful to the @acmilan leadership for the opportunity to join this great club - it will be a real honor to wear this iconic jersey and fight for the #rossoneri 🔴⚫ I can only promise to give my best effort in every game and try to help the team in any way that I can 💪🏼 pic.twitter.com/JSp8yXp2ds
— Mario Mandžukić MM17 (@MarioMandzukic9) January 19, 2021
それでは今回はこの辺で。