【雑感】ミラン対スパルタ・プラハ【2020-21シーズン・EL第2節】
○ベナセルの躍動
ミランが主にポゼッション。後方でボールを回しながら相手2ライン間へのパスを狙いつつ、すきあらばプラハの高いDFラインの裏を狙っていく形。
この点で、大きな役目を果たしたのがベナセルです。いつものように圧倒的なフリーランニングでボールを引き出しながら相手のプレスをいなし、スペースを作り出していきます。
また、この試合のベナセルはそれだけでなく、後方からの飛び出しやミドル~ロングパスでのチャンスメイクを何度も行う別格のパフォーマンスを披露。
Ismael Bennacer vs. Sparta Praha:
— MilanData📊 (@acmilandata) October 29, 2020
➤ 86% pass accuracy
➤ 6 successful long balls
➤ 5 successful dribbles
➤ 1 assist
🎯🔴⚫️
[Via @ACMilanBros] pic.twitter.com/kuB9smJZx2
ベナセルにチャンスメイク力が付けば正に鬼に金棒ですし、是非ともこの調子で成長を続けて欲しいと思います。
○1点目のシーン
こうして出来たスペースでディアスやイブラがボールを受け、展開していく、と。
ディアスはライン間で受けるのが非常に上手いですし、個人的には左サイドハーフではなく今回のように中央(もしくは右サイドハーフで中央に絞らせる)での起用が見たいですよね。
そして24分、ディアスが相手DFからボールを奪いカウンターを発動。イブラとのコンビネーションからネットを揺らし、貴重な先制点をゲットしました。
ディアスは守備面でもメキメキと成長していますし、本当に素晴らしい才能です。何とか完全移籍で獲得できないものか…。
また、この先制点の場面に関して、イブラの守備面での貢献も見逃せません。
以前コメント欄にて言及していただきましたが、イブラは強度こそ高くはないものの、必要に応じて周囲と連動しながら適切にパスコースを切ったりプレスをかけたりしてくれますし、今回の得点シーンもディアスのプレスに応じて守備を行い、相手のバックパスを阻止しています。
守備意識の高さは10年前の在籍時とは比べ物になりませんし、こういう部分にもイブラのインテリジェンス(時代や肉体の変化と共にプレースタイル・意識を変えていく柔軟性)の高さが窺い知れますね。
今回はPKを外してしまいましたが、彼が絶対的な選手であることに変わりありません。
○2点目、3点目のシーン
ミランの今日の左サイドはクルニッチでしたが、彼はサイドに張ることはあまりなく、中央に絞ります。
代わってサイドの幅を取るのは、テオに代わって左SBに抜擢されたダロトでした。
最近のテオは比較的上がりを抑え、後方で組み立てに関与する頻度が高くなっていましたが、おそらくそれは体力的な問題(要は疲労)だったり、突破力のあるレオンが左サイドハーフだったりしたためでしょう。
一方で今回の左サイドハーフは、中央でプレーすることで真価を発揮するクルニッチですし、ダロトは休養十分で体力的には問題なしということで、彼が左サイドを使っていくと。
これに対してプラハは、内に絞るクルニッチに右SBのシャチェク(16番)が対応し、ダロトには右サイドハーフのヴィンドハイム(32番)がマンツーマンで対応し、ダロトを封じ込めます。
そのため、5バックのような形になることが多かったですね。
しかしその分ヴィンドハイムにかかる負担は大きくなりますし、ダロトへのマークを外せば一気にピンチという状況にもなり得ます。
実際に57分、ベナセルの左サイドへのロングパスにダロトが反応し抜け出しますが、ヴィンドハイムは自身の背後で抜け出されたため反応できず、マークを外してしまいます。そしてダロトが敵陣深くでボールを受け、右足でレオンに完璧なクロス。レオンが合わせてミランが追加点を獲得しました。
66分のミラン3点目のシーンでも、ベナセルの鋭い縦パスに抜け出すダロトにヴィンドハイムが付ききれず、ダロトにゴールを許しました。
○レオン、待望の覚醒?
レオンは後半からイブラに代わって出場。この試合ではチーム2点目となるゴールを決め、ストライカーとしての役目をきっちりと遂行してくれました。
おそらくですが、今回のように左サイドからのクロスに対してファーサイドに流れながら合わせるという形はレオンの好きな(少なくとも進んでやろうとしている)動きであって、左サイドハーフ起用時だとCFと動きが被ることもあるのですが(スペツィア戦でコロンボと組んだ時が顕著)、今回は自身がCF起用ということで問題なし、と。
得点シーンに限らず、この試合では積極的にスペースを突く動きが多々見られましたし、前節ローマ戦でのパフォーマンスも踏まえると、ようやくレオンにミラン選手としての自覚が芽生えたように思われます。
まぁ彼の場合はまだ油断できませんが、今シーズンはこれまで中央でもサイドでも継続的に結果を残していますし、否が応でも期待しちゃいますね。
「ポルトガルのムバッペ」という前評判通り、前線ならどこでもこなせるような選手になってくれると最高です。
○おわりに
ミランが3得点快勝を収め、グループリーグ首位に立ちました。
前回のローマ戦の記事では「プラハ戦はテオ、ケシエ、イブラ、チャルハノールを休ませたい(意訳)」と書きましたが、実際にテオとチャルハノールは全休、ケシエは10分ちょっとの出場、イブラは前半のみ出場という事で、ターンオーバーを行った上でしっかりと結果を残すことに成功しています。
今のミランは誰が出ても得点を取れる非常に良いチーム状態ですし、ディアスやダロトといった新加入の若手選手が躍動しているのを見るのは非常に心躍りますね(惜しむらしくは、彼らがドライローンでの加入といったところでしょうか)。
#ACMilan have had 11 different goal scorers after 10 games in all competitions this season:
— MilanData📊 (@acmilandata) October 29, 2020
➤ Ibrahimovic (7)
➤ Calhanoglu (4)
➤ Leao (3)
➤ Brahim Diaz (3)
➤ Krunic
➤ Kessie
➤ Theo Hernandez
➤ Hauge
➤ Saelemaekers
➤ Colombo
➤ Diogo Dalot
🔥🔴⚫️ pic.twitter.com/qS92Dl72Kp
(※ミランは今シーズンの公式戦10試合で11人の選手が得点を記録)
次戦のウディネーゼとの一戦は日曜日に行われるという事で、試合間隔が短く肉体的な疲労が気がかりではありますが、この調子で無敗記録更新といきたいところです。
Forza Milan!
それでは今回はこの辺で。