【2020-21シーズン】ポジション毎に見る、ミランのスカッドについて【後編】
前回の続きという事で、今回は2列目とCFのポジションを見ていきたいと思います。
チャルハノール
ブラヒム(新)
マルディーニ
昨季途中からチャルハノールが不動の存在として君臨するトップ下。それだけに、代役の選手の存在が重要になってくるわけですが、このポジションでは新加入選手のブラヒム・ディアスが早くも存在感を発揮しています。
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ブラヒムはドリブルでの推進力があり、ライン間でボールを受けるのが非常に上手いためボールを運べますし、狭いスペースでもプレーできる非常に有用な選手です。後はフィジカル面が向上すれば中央でかなり危険な存在になれると思います。
ところで先日、ブラヒムは『AS』によるインタビューにて、「利き足はどっち?」という質問に対し以下のように回答しています。
「それは明らかにしたくないんだ(笑)そうすれば対戦相手は分からないからね。僕は両足でプレーする。シュートを撃つときは右利きで、ドリブルするときは左利きだ。でも、左足でもシュートを撃てるし右足でもドリブルできる。場合によるね。」
以前、クロトーネ戦のマッチレビュー記事で「左利きのブラヒムは~」と書いたのですが、訂正します。両利きでした。
思えばパスやシュート時は右足を頻繁に使っていますし、ブラヒムの言うように場合によって両足を使いこなせるようです。
ドリブルでのボールの動かし方が基本的に左利きのそれだったので、早合点してしまいました。申し訳ございません。
というわけで、場数を踏んでいけばトップ下・右サイドハーフだけでなく左サイドハーフとしても本領を発揮できるようになるかなと。素晴らしい才能ですね。
また、3人目のトップ下候補としては、あのパオロの息子、ダニエル・マルディーニがいます。
現在は1トップで出場機会を与えられることが多いですが、輝くとしたらトップ下などの2列目だと思います。
いずれ、このポジションで起用されるダニエルを見たいですね。
○右サイドハーフ
サレマーケルス
カスティジェホ
ブラヒム(新)
昨季の終盤に引き続き、このポジションではサレマーケルスが素晴らしいパフォーマンスを披露。派手な個人技こそありませんが、無尽蔵のスタミナと高いインテリジェンス、テクニックを武器に攻守に躍動しています。
ピオリ監督がサレマとカスティジェホのどちらをレギュラーと捉えているかは現状定かではありませんが、サレマの方が攻撃においてチームの連動性を高めてくれるため、おそらくサレマがレギュラーになると考えています。
ただカスティジェホも守備の安定感は流石ですし、昨季のようにイブラ(とレビッチ)がいれば攻撃面でも見せ場を作れると思うので、メンバーの組み合わせや状況次第ではアリかなと。
また、ブラヒムもこのポジションで起用可能なので、2人を休ませたいときや流れを変えたいとき等に起用されることがありそうです。
○左サイドハーフ
レビッチ
ハウゲ(新)
レオン
ブラヒム(新)
レビッチ以外の序列をつけるのが難しいポジションですが、数も質もしっかりと揃っています。
注目は、何といってもハウゲの加入です。
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彼については先日の記事「ハウゲのプレースタイルと特徴について~今シーズンのブレイク候補~」で詳述したので今回は割愛しますが、個人的に彼は左サイドハーフのレギュラー候補に躍り出ると踏んでいます。
特にイブラ不在の状況下では、彼がキーパーソンの1人になるのではないかと。
○トップ
イブラヒモビッチ
レビッチ
レオン
コロンボ
このポジションはイブラヒモビッチが絶対的なレギュラーですが、故に問題となってくるのが控えを誰になるかという点です。
先日、イブラがコロナに感染したことでミランは早速この問題に直面し、コロンボ、レビッチ、レオンの3人がそれぞれこのポジションを任されましたが、いずれも満足いくパフォーマンスを見せることはできませんでした(レオンは2ゴールを決めていますが、全体的なパフォーマンスとしては不十分かなと)。
現段階の序列は以上のようにつけましたが、個人的にはレオンをそろそろストライカーとして育成する方針を固めても良いのではないかと思います。
というのもレオンは意外とゴールセンスがありますし、上背もフィジカル(スピード含)も良い物を持っています。そしてドリブルもサイドではなくエリア近辺で効果的に使える選手だと思うので(逆にスタートポジションがサイドだと無駄にキープしたり、中に切れ込んだりする動きが少なく流れを止めたりすることが多々あるため)、上手く育成できればムービング型の優秀なセンターフォワードになれる気がするんですよね。
ただ本人曰く「ウインガーとしてのプレーが好き(意訳)」らしいので、まずは本人を納得させ、意識改革を行った上での指導になりますからハードルは高そうですけどね。
ところで、仮にレオンを含む、上記3者を1トップに置いたチームが冬までに上手く機能しなければ、冬の移籍市場で補強する可能性も考えられます。
今のところ、フリーエージェントとしてマンジュキッチ辺りの優秀な選手もいますし(報道によるとミランフロントは興味ないそうですが)、また他クラブで出場機会を失っている大型FWを短期レンタルで引っ張ってくるという手段もあります。
とは言え、財政難の現状だと出来れば現有戦力でやり繰りしたいところですし、くどいようですが僕はレオンに期待しているので、ひとまずは様子見ですね。
まとめ
以上、2回にわたってポジションごとにミランの2020-21スカッドを見てきました。
今までの個人的見解をまとめると、現状のベストメンバーは以下の通りになります。

結局のところ、現状のベストメンバーは昨季後半戦のスタメンといって差し支えないかなと。コンディションが良ければどんなチームが相手でも十分に戦える力を持っているように感じます。
ここにトナーリ、ハウゲ辺りの新加入選手が割って入ってくれば、チームとしては最高ですね。
最後に。今夏(と昨冬)の新加入選手の傾向として、いずれもテクニックがあり、ピッチ上の様々な場所でプレーできるという特徴を持っています。
すなわちこれはピオリの志向する流動的な攻撃を実現できる選手たちであり、フロントが監督の要望、チーム戦術に沿った選手を獲得できていることを意味しているのではないかと。
また、イブラ、ケアーの完全移籍を今夏の「補強」と捉えれば、チームをまとめるベテランの獲得にも成功していますし、フロントは厳しい経済的制約の中で素晴らしい補強を敢行してくれたと思います(CBについては冬に期待します。笑)
そんなわけで、昨季の快進撃を見せたチームをベースとしつつ、要所に即戦力級の若手を加えて確実に戦力アップした今季のミランには更に期待が持てますし、後はイブラを筆頭にチームの要となる何人かの選手が長期離脱さえしなければ、悲願のCL復帰という目標は極めて現実的だと考えています。
コロナという大きな脅威に晒されながらのシーズンになりますが、今季こそは「世界的強豪クラブ」であるべきACミランが、復権に向けた大きな一歩を踏み出すことを心から期待しています。
それでは今回はこの辺で。