【歴代2位の大記録達成】クロトーネ対ミラン【2020-21・セリエA第2節】

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カカニスタ22
今回は、セリエA第2節、クロトーネ対ミランのマッチレビューを行いたいと思います。

スタメン

【2020-21】クロトーネ対ミラン_スタメン

3-5-2のクロトーネ、4-2-3-1のミラン。
この試合のスタメンの注目ポイントは、何といってもブラヒム・ディアス、トナーリという新加入選手2人の先発起用でした。
(当記事におけるキャプチャ画像の映像引用元はいずれも『Dazn』より)

ミランの右サイド攻撃と、左サイド問題

左サイドが上手く機能しない(後述)こともあり、今回のミランは右サイドから徹底的に攻めていきます。


bandicam 2020-09-28 19-58-21-705
――この試合におけるミランのアタックサイド(『WhoScore』より。)


守備時に5-3-2となるクロトーネにとって、泣き所となり得るのは中盤のスペースとWB-CB間のスペース。そこで、ミランは好調のカラブリアとサレマーケルスのコンビにチャルハノール、トナーリ等が絡んでいく形で上記のスペースを突き、チャンスを量産していきます。


クロトーネ対ミラン1
――例えばこの場面。左サイドからチャルハノールがカラブリアにサイドチェンジ。クロトーネの中盤3枚(水色)はミラン側左サイドに寄っており、カラブリアの前方には広大なスペースがある


クロトーネ対ミラン2
――その後の場面。カラブリアがボールを運び、サイドのサレマーケルスにパス。その後、カラブリアは相手のCBと左WBの間へ走り込み、サレマからのリターンパスを受けてからクロスを送った



さて。それでは普段ストロングポイントである左サイドはどうだったかというと、今季初先発だったディアスが上手くハマらず、ボールロストを連発。時折見せるテオによる単独突破を除けばほとんど左でボールを運べません。


左利きでかつ横向きの動きを好んでいそうなディアスにとって、左サイドよりも右サイドの方がプレーしやすいと思いますし(利き足と同じサイドだと、カットインした時にゴール方向に動きづらいし、体を使ってのボールキープもし辛いため)、試合前の報道では右サイドハーフでの先発予想だったのですが、実際は左サイドでの起用でした。
個人的には右サイドハーフで起用し、積極的に右から中央に移動してゴールに絡むプレーをさせた方が合っているのでは?とも思うのですが、今回はサレマを優先的に右で起用したかったということなのでしょうか。

というのもサレマは左でもプレー可能ですが、右の方がプレーしやすそうですしね。この試合も素晴らしい活躍でした。


まぁとは言えこの試合でディアスは後半にゴールを決めるという大仕事をやってくれましたし、フィットネスの問題もあると思うので、まだ様子見ですかね。パス、トラップ、シュートに関しては右足も普通に使えてますしね。(チーム全体の戦術的に、個人的には右ないし中央の方が絶対に良いとは思うんですけどね。守備はさておき攻撃面は)。

(追記:ディアスは両利きとのことでした。申し訳ございません、訂正します。ただ、本人曰くドリブル時はやはり左足を好むようですので、今後左サイドで起用される場合は右足でのボールの動かし方を磨く必要性が高いかなと感じます)


クロトーネの攻め、ミランの守り

続いて、クロトーネの攻撃とミランの守備について。クロトーネは左WBのモリーナを中心に、主に左サイドから組み立てていきます。


bandicam 2020-09-28 21-27-31-029
――この試合におけるボールタッチ数ランキング(『WhoScored』)。モリーナはチームトップとなる81回を記録

一方、ミランの守備(プレス)は以下の通りです。


クロトーネ対ミラン3
――クロトーネの3CBに対し、ミランは基本的に1トップのレビッチと両サイドハーフが対応。チャルハノールはアンカーのチガリーニをマーク。この場面ではマッローネからゴレミクにボールが渡り、それに応じてサレマ(黄色)がプレスをかけてボールをサイドに誘導する


クロトーネ対ミラン4
――その後、モリーナにボールが渡るが、カラブリア(赤)がプレスをかける。縦のコースを切られたモリーナは中央のシミーにパスを送る


クロトーネ対ミラン5
――その後の場面。シミーに対してはケアーがしっかりと付いており、ボールを奪取した(紫)


クロトーネは、(後述する)MFの動きで中央へのパスコースを作り出し、前線のシミーにボールを入れていく形を狙いましたが、このようにシミーにはケアーがしっかりと付いていたため、ほとんど仕事をさせませんでした。
また、カラブリアの背後にシミーが流れ、そこへパスを出すという形もありましたが、それもしっかりとケアーが対応していましたね。



一方、こうしたミランの守備に対し、クロトーネは2トップの一角(右CF)であるドラグシュが中央エリアに入り込み、左サイドからの崩しに絡んでいくという形で打開を狙います。
そして、ドラグシュが移動した後の右側のスペースでは中盤のメッシアスが高い位置をキープし、隙あらば前線に飛び込んでいくという流れです。


クロトーネ対ミラン6
――先ほどと同様の形で追い詰めるミラン。一方、クロトーネは左インサイドハーフのザネラートがサイドに流れることで、マーカーであるトナーリを引き付け中央へのパスコースを作り出す(桃色)。そこで、モリーナは先ほどと同様に中央へパスを送る


クロトーネ対ミラン7
――今度はシミーではなく、タイミング良く中盤に下がってきたドラグシュにボールが入る


クロトーネ対ミラン8
――その後、ケシエのマークを何とか外し、フリーで待つ右サイドのぺレイラへボールを展開。同時にメッシアスは前方に飛び出し、クロスに備える


ミランとしては、こういった形で右にボールを展開されると危険でしたが、基本的にはタイトな守備によってクロトーネを自由にさせず、上記のような形で崩されることはほとんどありませんでした。




そうしてミランが優勢で試合を進めていると、前半終了間際にPKを獲得。それをケシエがモノにして先制。1点リードで前半を終えました。




後半の概略


クトローネは後半早々にザネラートに代えてエドゥアルドを投入。すると50分、そのエドゥアルドからボールを奪ったミランがカウンター。最後はディアスが決めて追加点をゲットしました。

出鼻を挫かれたクロトーネでしたが、後半からハイプレスの圧を強め、前から奪いにいく姿勢を見せます。
加えて、ビルドアップ時には右サイドから組み立てる頻度を増やしました。

これによってディアス(後半からはより中央寄りにプレー)の背後を突かれるシーンというのも増えましたが、ケシエが広い守備範囲を活かしてカバーリング。
前後半を通じ、この試合ではいつも以上に攻守に奮闘したケシエ。素晴らしいパフォーマンスでしたね。


クロトーネ対ミラン9
――例えばこの場面。中央でディアスとレビッチ(水色)のパス交換が合わずにボールがこぼれ、メッシアス(桃色)に拾われる



クロトーネ対ミラン10
――その後、すぐさまケシエが反応し、ボールを奪い返す


攻撃に関しても、相手のプレスに対しては速攻で応酬。2点目の直前のシーンではチャルハノールの動きとパスによってプレスを躱して惜しいシーンを、また56分にはトナーリがドリブルで持ち運んでチャンスを演出します。



しかし、57分にアクシデント。レビッチが肩を脱臼し、コロンボとの交代を余儀なくされます。
特に後半からは相手のDFライン裏を突く仕事を期待されただけに、レビッチの負傷は痛恨でした。

交代で入ったコロンボは独力でどうにかできる選手では(少なくとも現時点では)ないですからね。また、その数分後に入ったカスティジェホも見せ場を作れず。
加えてミランがペースを落としたこともあり、追加点を奪ってからしばらくは沈黙の時間帯となりました(2ゴール目から82分までの間はシュート0本)。

一方のクロトーネは、途中からモリーナを右に回し、メッシアスとのコンビで右サイドからの攻勢を強めます。80分には見事な連携で右サイドを突破されますが、ガッビアとケアーで防ぎ何とか事なきを得ました。


その後もスコアは動かず、試合はそのまま終了。

クロトーネ0-2ミラン



雑感

イブラヒモビッチ欠場、そしてその代役となったレビッチも負傷交代という逆境の中でしたが、ミランはしっかりと勝利を収めてくれました。
この勝利によりミランは公式戦17戦連続無敗ということで、この記録はクラブ史上2位の記録だそうです。凄いですね。

選手個人に関しても、チャルハノールやケシエ、カラブリアやサレマといった主力組が素晴らしいプレーを見せ、ケアーを中心としたDFも安定しており無事にクリーンシートを達成。
加えて、新戦力のトナーリは見せ場をいくつか作り、ディアスは結果を残したという事で、彼らの更なるフィット、そして活躍にも期待が高まります(トナーリのプレーに関しては今回のレビュー記事ではあえて言及を避けました。後日詳しく見ていきたいと考えています)。

離脱者が出ているため順風満帆とは言えないですし、イブラ不在の影響も確かに感じますが、一方でポジティブな要素が多いのも事実です。この調子で更に無敗記録を伸ばしていって欲しいですね。


Forza Milan!!

最後まで読んでいただきありがとうございました。


どうでもいい小話

この記事を書いてるとき、クロトーネとクトローネの打ち間違いを10回以上しました。

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Comments 14

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グラミラニスタ  
コロナ禍で

レビューお疲れさまです。コロナで嫌なことばかりですが、ミランがコロナ禍を機に調子が上がったことだけが、唯一、いいことですかね笑
トナーリ、まだまだ本領発揮ではないですね。久しぶりのイタリア人でミランの中盤の象徴みたいになるのをトナーリには期待してます。
ドンナルンマ、ロマニョーリ、トナーリ、コロンボっていうイタリア人センターラインがてきたらサイコーですね。次節、そしてELも含めて、ミランには大暴れしてほしい!!

  • 2020/09/28 (Mon) 23:45
  • REPLY
ミラネスタ  
戦術の幅

こんばんは!

しばらく膠着状態が続きましたが、チームが乗ってる時には、判定(レビッチの神の腕?)も味方して、結果に結びつくものだなと思う前半でした。

私的には、レビッチはターゲットよりも衛星のように動き回る方が合ってるのではと。その方がプレーもイキイキするんじゃないかと思います。この試合のレビッチは何だか動きづらそうで可哀想でした(あくまで私的にです)。

専門的なこと、戦術のことはわかりませんが、例えばイブラ不在時には下記のように2トップにするなど、システム・戦術の幅を広げ、柔軟に対応できないものかと思いながら、試合終了まで見ていました。

     テオ
  ガッビア  ケシエ  レビッチ
ジージョ  トナーリ チャル
  ケア    サレマ  レオン 
    カラブリア

それにしても、ケシエ・サレマは計算できる戦力になりましたね。その他、この試合はケアのプレーに魅了されました。エレガントではありませんが、読みを活かした老獪なプレーとアグレッシブな寄せ、ガッビア&ドゥアルチも学んでほしいと思うような抜群の安定感でした。
ケアがいれば安心してチャレンジ&カバーができるだろうなと。パレルモ時代もグッドプレイヤーでしたが、今ではセリエAでも屈指のCBだと思います。個人的にはボヌッチよりも安心して見ていられます。タイプ的にはキエッリーニですかね。

何だかんだで、嬉しすぎて前回以上の長文になり、すみません。
楽しみは尽きませんね。

フォルツァ カカニスタ22さん!
フォルツァ ミラン!

カカニスタ22
カカニスタ22  
To グラミラニスタさん

コメント&労いのお言葉ありがとうございます。

確かに、トナーリの真価はまだまだこんなものじゃないと思います。
ミラン愛に溢れるトナーリのような選手には、是非とも末永くミランで活躍して欲しいですね。

ドンナルンマ、ロマニョーリは既に不動の存在ですし、トナーリも超有望ですから、後はコロンボの成長次第ですね。
イタリア人センターラインも決して夢物語ではないと思います!

  • 2020/09/29 (Tue) 14:13
  • REPLY
カカニスタ22
カカニスタ22  
To ミラネスタさん

コメントありがとうございます。

確かにレビッチは今回のようにスペースが少なく、なかなか前を向けない試合だと苦しいですね。特に今回は左サイド高くで起点を作れず、得意の左サイドから中央へ裏抜けするといった形も作れませんでしたしね。

システムを拝見しました。サレマが右インサイドハーフというのは非常に面白い起用法だと実は僕も思っていまして、アンカーがゲームメイクできる選手ならサレマがポジショニングとパスでボール運びができそうでとても良いと思います。
後は2トップにする場合、レオンが中央でのプレーに適応できるかどうかですね。僕はレオンの(将来性含めた)最適ポジションは中央だと思っているので、もしフィットできればレビッチとの2トップも機能するのではないかと。

ケアがいてくれて本当に助かってますね。スピードは読みの鋭さと的確なポジショニングで十二分にカバーできていますし、常に安定したパフォーマンスを披露してくれるのはDFとして最高です。

  • 2020/09/29 (Tue) 14:13
  • REPLY
名無しのミラニスタ  

ブラヒムのゴールがとにかくめでたい上手かったですね~
そしてレビッチの負傷が死ぬほど痛い。でも骨折じゃなくて本当に良かった
そしてこの試合もケシエは素晴らしかったしみんな良くやっていた
ロマニョーリがいない間のケアーの働きには感謝しかない
世間でも段々この状況に慣れが出て来てますがコロナも含めていつ試合出来ないチームが出て来てもおかしくない
そんな中でサッカーを見れる事自体に感謝してます
ミランだけでなく全てのクラブが大きい問題にぶち当たる可能性が高いシーズンなので
上手く回ってくれるといいんですが

イブラ不在時はそのまま代役を置くのではなく私も形を変えた方が良いと思ってます
今季はそこまで煮詰める時間がないのも事実なのですが難しいっすよね下手に弄らない方が良い事も多い
パケタの移籍色々複雑っすもっと違う未来もあったと思うんで

Joie de Myao  

決して楽な試合じゃなかったけど、取りこぼしてはいけない相手にしっかり勝ち切れるのは力がついてきたといえるんじゃないでしょうか。加入後、公式戦で初スタメンとなったトナーリもブラヒムもボール持った時は流石に上手いと思わせるプレーを幾度も見せてたので周りと合ってくればさらに良くなっていくと思う。あとはボール持ってない時、中でも相手ボール時にチームへの貢献がどれだけできるかでしょう、特にトナーリはベナセルとケシエの強力コンビに割って入るには守備での貢献が絶対不可欠といえますから。

  • 2020/09/30 (Wed) 19:21
  • REPLY
華夏  

いつもありがとうございます。
まさかこのタイミングでそんな大記録達成できるとは思いませんでした
今年はまだ数試合ですが新戦力がしっかり戦力になっているのが嬉しいですね
ブラヒムディアスですが左で使うのはレンタルだからかなと思ってます
ドライな話ですが来シーズンはいなくなる可能性が高いとなるとやはりサレマを優先してしまうのかと
といっても過密日程で代役、途中出場の機会は多いでしょうしこのまま結果を残して貰いたいです

  • 2020/09/30 (Wed) 21:23
  • REPLY
alt  

レポお疲れ様でした

怪我だけは、チームが上昇気流に乗ってるので勿体無いですね。
ゲームのなかではレビッチは少し窮屈そうでした。外から開いて中に食い込んで、動きのなかでゴリゴリ行くいつものよさがワントップだと難しいのかなぁ。。
にしても脱臼かぁ。

カラブリアは連日よく走りますね。
サレマカも、捌けてるし走る。
ケシエ含め、ピオリは流動的に流れを組んで要所要所の役割をこなす選手を好みそうですね。

トナーリは、フィットしたらヤバそうな雰囲気がありました。
キックがずば抜けて上手い!ピルロ二世は伊達じゃないですね。
裏抜け出来る前線がいれば、多少は目を瞑っても使いたくなるような気がします。

三年前ならCL狙う上で、インテルかナポリの具合が悪ければ、今のミランならイケイケだったのですが。。
昨年はラツィオが背を伸ばして、アタランタは落ちる気配もなく、インテルは地力がつき、ナポリは調子が良さそうと来たもんで、今年は面白くなりそうですね☆

一年間コロナに負けず皆さんでミランミラーンしていきましょう☆

  • 2020/10/03 (Sat) 02:42
  • REPLY
カカニスタ22
カカニスタ22  
To 名無しのミラニスタさん

コメントありがとうございます。

ジェノアでもクラスターが発生してしまいましたし、今節のユーベ対ナポリも試合開催が不透明ということで、今後もスケジュール通りに日程を消化できるか怪しくなってきちゃいましたからね…。
仰る通り、サッカーを観ることのできる今に感謝しなければなりませんね。

  • 2020/10/04 (Sun) 18:51
  • REPLY
カカニスタ22
カカニスタ22  
To Joie de Myaoさん

コメントありがとうございます。

トナーリもブラヒムも、守備に関しては今一つという感じですから、この点の改善には是非とも期待したいところですね。

  • 2020/10/04 (Sun) 18:52
  • REPLY
カカニスタ22
カカニスタ22  
To 華夏さん

コメントありがとうございます。こちらこそ読んでいただき感謝です。

確かに、レンタルバック濃厚な選手を中心にチームを構想することは考え辛いですからね。
左サイドにも問題なく適応できれば本人にとってもチームにとってもプラスですし、頑張って欲しいですね。

  • 2020/10/04 (Sun) 18:52
  • REPLY
カカニスタ22
カカニスタ22  
To altさん

コメント&労いのお言葉ありがとうございます。

今シーズンはほとんどのライバルチームが順調に強化していますし、仰る通り予想の難しい楽しいシーズンになりそうですね。
ミランにとっては望ましい状況ではありませんが、ミランも他チーム以上と同等に強化できている印象ですし、後は昨季からの好調を維持して頑張って欲しいですね。

  • 2020/10/04 (Sun) 18:53
  • REPLY
通りがり  

たぶんですが、Brahimは「両脚遜色なく蹴れる右利き」ですかね
PKも右で蹴ってましたし、SoFIFAでも右利き扱いです

  • 2020/10/06 (Tue) 02:13
  • REPLY
カカニスタ22
カカニスタ22  
To 通りがりさん

コメントありがとうございます。

なるほど…。セットプレーだと右で蹴っていたので不思議だったんですが、納得です。
現状、ドリブルだと右サイド寄りでボールを受け、左足を使って中央に入っていく形の方が逆パターンよりもスムーズにプレーできている印象を受けたので、先入観を持ってしまっていたようです。思えば両足遜色なくトラップ、パスしますものね。
そうなると、慣れれば左サイドでも十分に輝けそうです。情報提供していただきありがとうございました。

  • 2020/10/06 (Tue) 17:43
  • REPLY