【ジャック、ミランでの最終試合】 サンプドリア、カリアリ戦 【セリエA第37・38節】
今回は、セリエA第37、38節をまとめて振り返ろうと思います。
今日中にどうしても書き上げたい記事がもう一つあるため、コチラはめちゃくちゃ内容を減らし簡略化しています。あらかじめご了承くださいませ。
今日中にどうしても書き上げたい記事がもう一つあるため、コチラはめちゃくちゃ内容を減らし簡略化しています。あらかじめご了承くださいませ。
◎サンプドリア戦
前半3分に幸先良く先制したこの試合では、前節アタランタ戦で欠場したベナセルとテオが躍動します。
まずベナセルについてですが、状況に応じて、バックラインに降りる動きと相手2トップの背後に位置してボールを引き出す動きとを使い分け、サンプドリアのプレスをいなしながらパスを捌いていきます。

――この場面ではベナセルが降りてボールを受け、サンプドリア(守備時4-4-2)の2トップに対して後方で数的優位を作る
また、ケシエもベナセルが戻ってきたことで攻撃時の安定感を取り戻しました。
そして崩しの局面においては、テオが躍動。ライン間へのパスを警戒して中央を固めるサンプドリアに対し、サイドからテオが強襲していきます。

――ベナセルからテオ(赤丸)にパスが通った場面。その後、テオはエリア内へ侵入して決定機を演出
これに対し、サンプドリアは途中から戦術修正。右サイドハーフのデパオリをテオにマンツーマンで付かせ、5バック気味に変更。これにより、ミランのサイド突破を封じ込めようとします。

――ガッビアがボールを持った場面。右サイドハーフのデパオリは中盤ラインから離れ、テオをマーク。一方、降りてボールを受けようとするレビッチに対し、右SBのベレシンスキが最終ラインから飛び出して対応する
これにより攻めづらくなったミランでしたが、それでもピッチを幅広く使ってサンプドリアの中盤を揺さぶり、いくつか決定機を演出。
そして後半には、ミランが戦術修正。イブラが左サイド中央寄りでボールを集め、テオ、チャルハノール、途中投入のレオンと絡みながら流動的な攻撃でチャンスを量産。イブラは1得点1アシストの活躍を見せてくれました。

――比較:この試合の「前半」におけるイブラのボールタッチポジション(左攻め。『WhoScored』より)

――比較:この試合の「後半」におけるイブラのボールタッチポジション。前半と比べ、左サイドに大きく偏っていることがわかる。
そして終盤には1失点を喫するも、その後レオンがチーム4点目を挙げ試合終了。1-4の快勝となりました。
◎カリアリ戦
3-0で完勝したこの試合の注目は、何といっても左サイドハーフのポジションを不動のものとしていたレビッチが欠場した点です
今のミランの左サイドは、従来の役割としてサイドでのプレーが求められると同時に、積極的に中央に侵入してテオのオーバーラップスペースを提供するとともに、相手のエリア中央でゴールに関与するFWとしての能力が必要です。イブラがより自由に下がってプレーする傾向が強くなったこの終盤戦においては、特に後者の能力が求められています(イブラが空けた前線中央のスペースに入る人物が必要になるため)。
こうした役割をほぼ完璧にこなせていたのがレビッチで、実際にこの過密日程の中でも、ピオリ監督は彼をスタメンから外す選択をほとんどしませんでした。
そしてレビッチほど機能してはいないにしろ、そのレビッチの代わりとして(主に試合途中から)起用されるのがレオンです。この試合ではベンチを外れたレビッチに代わって先発出場を果たし、ドリブル突破からのシュートで1点目のゴールを演出。その後も中央でバー直撃のシュートを放つなど、見せ場を作っていました。
そんな中でしたが、無念の負傷交代。そこで前半途中からはボナベントゥーラが左サイドハーフで起用されました。
今シーズン限りでの退団がほぼ決まっていた彼にとって、今回がミランでのラストゲームだったわけですが、結論から言うと素晴らしいプレーを見せてくれたのではないかと。
攻撃に際しては、積極的にエリア近辺に顔を出して崩しに関与し、3点目をアシスト。
また、以下のような「らしい」飛び込みでゴールを脅かすなど、多くのチャンスを演出。

――右サイドでイブラがボールを持った場面。サイドからエリア内へボナベントゥーラが飛び込み、イブラはそこへクロスを送るも、惜しくも合わず
そして守備に関しても、献身的な戻りで素早く守備に参加。2点目の起点となってくれました。

――被カウンターの場面。ボナベントゥーラ(赤丸)はここから左サイドまで戻る

――その後の場面。ボナベントゥーラが所定の位置に戻り、プレスをかけてパスコースを誘導。そこでテオがボールを奪い、そのまま一気にドリブル突破。2点目に繋がった
振り返れば6シーズンもの間ミランでプレーし、数々の印象的なゴールを決めてくれたボナベントゥーラ。
「怪我がなければ…」「チーム状態が良ければ…」彼に関し、こうしたタラレバは尽きませんが、それでも多くのミラニスタにとって記憶に残る選手となったのではないかと思います。
そんな彼の次の移籍先はフィオレンティーナに決まり、セリエAでのプレーは続きます。
まだ31歳と老け込むには早いですし、カルチョの世界ではこの辺りから第2の全盛期を迎える選手も数多く存在しますから、是非とも頑張ってほしい所ですね。
雑感
最終盤の2節で大勝を収め、シーズンを締めくくったミラン。
今シーズンも数多くの印象的な出来事があり、本来であれば19-20シーズンの総括を行いたいところなのですが、時間がないためまたの機会にとっておきます。
とにかくシーズン後半戦は本当に楽しかったですし、このチームをベースに来シーズンを戦えるというのは大きなアドバンテージだと思います。
来季こそは目標を達成し、名実ともに「強豪」ミラン復権のシーズンとなって欲しいですね。
Forza Milan!
最後まで読んでいただきありがとうございました。来シーズンもよろしくお願いいたします。
前半3分に幸先良く先制したこの試合では、前節アタランタ戦で欠場したベナセルとテオが躍動します。
まずベナセルについてですが、状況に応じて、バックラインに降りる動きと相手2トップの背後に位置してボールを引き出す動きとを使い分け、サンプドリアのプレスをいなしながらパスを捌いていきます。

――この場面ではベナセルが降りてボールを受け、サンプドリア(守備時4-4-2)の2トップに対して後方で数的優位を作る
また、ケシエもベナセルが戻ってきたことで攻撃時の安定感を取り戻しました。
そして崩しの局面においては、テオが躍動。ライン間へのパスを警戒して中央を固めるサンプドリアに対し、サイドからテオが強襲していきます。

――ベナセルからテオ(赤丸)にパスが通った場面。その後、テオはエリア内へ侵入して決定機を演出
これに対し、サンプドリアは途中から戦術修正。右サイドハーフのデパオリをテオにマンツーマンで付かせ、5バック気味に変更。これにより、ミランのサイド突破を封じ込めようとします。

――ガッビアがボールを持った場面。右サイドハーフのデパオリは中盤ラインから離れ、テオをマーク。一方、降りてボールを受けようとするレビッチに対し、右SBのベレシンスキが最終ラインから飛び出して対応する
これにより攻めづらくなったミランでしたが、それでもピッチを幅広く使ってサンプドリアの中盤を揺さぶり、いくつか決定機を演出。
そして後半には、ミランが戦術修正。イブラが左サイド中央寄りでボールを集め、テオ、チャルハノール、途中投入のレオンと絡みながら流動的な攻撃でチャンスを量産。イブラは1得点1アシストの活躍を見せてくれました。

――比較:この試合の「前半」におけるイブラのボールタッチポジション(左攻め。『WhoScored』より)

――比較:この試合の「後半」におけるイブラのボールタッチポジション。前半と比べ、左サイドに大きく偏っていることがわかる。
そして終盤には1失点を喫するも、その後レオンがチーム4点目を挙げ試合終了。1-4の快勝となりました。
◎カリアリ戦
3-0で完勝したこの試合の注目は、何といっても左サイドハーフのポジションを不動のものとしていたレビッチが欠場した点です
今のミランの左サイドは、従来の役割としてサイドでのプレーが求められると同時に、積極的に中央に侵入してテオのオーバーラップスペースを提供するとともに、相手のエリア中央でゴールに関与するFWとしての能力が必要です。イブラがより自由に下がってプレーする傾向が強くなったこの終盤戦においては、特に後者の能力が求められています(イブラが空けた前線中央のスペースに入る人物が必要になるため)。
こうした役割をほぼ完璧にこなせていたのがレビッチで、実際にこの過密日程の中でも、ピオリ監督は彼をスタメンから外す選択をほとんどしませんでした。
そしてレビッチほど機能してはいないにしろ、そのレビッチの代わりとして(主に試合途中から)起用されるのがレオンです。この試合ではベンチを外れたレビッチに代わって先発出場を果たし、ドリブル突破からのシュートで1点目のゴールを演出。その後も中央でバー直撃のシュートを放つなど、見せ場を作っていました。
そんな中でしたが、無念の負傷交代。そこで前半途中からはボナベントゥーラが左サイドハーフで起用されました。
今シーズン限りでの退団がほぼ決まっていた彼にとって、今回がミランでのラストゲームだったわけですが、結論から言うと素晴らしいプレーを見せてくれたのではないかと。
攻撃に際しては、積極的にエリア近辺に顔を出して崩しに関与し、3点目をアシスト。
また、以下のような「らしい」飛び込みでゴールを脅かすなど、多くのチャンスを演出。

――右サイドでイブラがボールを持った場面。サイドからエリア内へボナベントゥーラが飛び込み、イブラはそこへクロスを送るも、惜しくも合わず
そして守備に関しても、献身的な戻りで素早く守備に参加。2点目の起点となってくれました。

――被カウンターの場面。ボナベントゥーラ(赤丸)はここから左サイドまで戻る

――その後の場面。ボナベントゥーラが所定の位置に戻り、プレスをかけてパスコースを誘導。そこでテオがボールを奪い、そのまま一気にドリブル突破。2点目に繋がった
振り返れば6シーズンもの間ミランでプレーし、数々の印象的なゴールを決めてくれたボナベントゥーラ。
「怪我がなければ…」「チーム状態が良ければ…」彼に関し、こうしたタラレバは尽きませんが、それでも多くのミラニスタにとって記憶に残る選手となったのではないかと思います。
そんな彼の次の移籍先はフィオレンティーナに決まり、セリエAでのプレーは続きます。
まだ31歳と老け込むには早いですし、カルチョの世界ではこの辺りから第2の全盛期を迎える選手も数多く存在しますから、是非とも頑張ってほしい所ですね。
雑感
最終盤の2節で大勝を収め、シーズンを締めくくったミラン。
今シーズンも数多くの印象的な出来事があり、本来であれば19-20シーズンの総括を行いたいところなのですが、時間がないためまたの機会にとっておきます。
とにかくシーズン後半戦は本当に楽しかったですし、このチームをベースに来シーズンを戦えるというのは大きなアドバンテージだと思います。
来季こそは目標を達成し、名実ともに「強豪」ミラン復権のシーズンとなって欲しいですね。
Forza Milan!
最後まで読んでいただきありがとうございました。来シーズンもよろしくお願いいたします。