パケタのパスについて【個人技術編】
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カカニスタ22
今回はいつもと少し趣向を変え、選手の個人技術に焦点を当てていく記事を試験的に書いてみようかなと。
初回はパケタのパスについてです。
初回はパケタのパスについてです。
まずはSPAL戦にて見られた、パケタの一連のプレーを見ていきたいと思います(キャプチャ画像の映像引用元:Youtube『Lucas Paqueta vs SPAL (31-10-2019) HD』ttps://www.youtube.com/watch?v=_CJi69hjcsk)。
――右サイドでパスを受ける(左攻め)
――相手ゴールに対し、体を横に向ける
――その体勢から90度近い方向へと、鋭い縦パス
――ピョンテクへとボールが渡りかけるがオフサイド
昨季と異なり、今季は右インサイドハーフでの起用が多くなったパケタ。
それにより、「右サイド(中央寄り)でボールを受けて中へ進み、そこから主に軸足方向へ角度を付けた縦パスを出す」という形が増えるようになりました。
一般的に、ボールの進行方向からパスの角度がずれるほど、正確なパスを出すのは難しくなります。
それもあり、角度の大きく付いたパスに対してはディフェンダーの注意が疎かになりやすく、反応が遅れやすくなりがちです。
そのため、相手のディフェンスラインを崩す手段の一つとして、こういったパスは有効となります。
続いて、ユヴェントス戦における同様の形を見ていきましょう。(キャプチャ画像の映像引用元:Youtube『Lucas Paqueta vs Juventus 10-11-2019 HD』ttps://www.youtube.com/watch?v=rd0QI_3ovLk)
――中へとボールを運ぶパケタ(右攻め)
――その後、パケタは左サイド方向へのパスを匂わせる。そこで対面のピャニッチは右へ少しスライドする
――それに対しパケタは逆を突き、ピャニッチの左足側へと縦パス
――サイドから中央へ流れてきたチャルハノールにボールが渡る
ナポリ戦でも同様の形が見られます。(キャプチャ画像の映像引用元:Youtube『Lucas Paqueta vs Napoli 23-11-2019 HD』ttps://www.youtube.com/watch?v=O-AO4Fzwo3Y)
――サイドでボールをキープ(右攻め)
――パケタは厳しいマークを受けながらも中央へドリブル。DFライン前にいたアラン(多分)はパケタの進行方向へと歩を進め、突破を阻もうとする
――パケタは自身へのマークが集中したところで、すかさず角度を付けた縦パスを出す
――前方でフリーのケシエへとボールが渡る
上記の場面におけるパスを出すタイミングや精度は申し分なく、こうしたプレーは彼のストロングポイントといって差し支えないものでしょう。
ピオリがパケタを主に右サイドで起用するのも、おそらくはこうしたパケタのプレースタイルを評価してのことだと思いますし、チャンスメーカーとしてゴールに直接的に関与してもらいたいというピオリの意図を感じます。
しかしながら、こうした動きは当時の右ウイングであったスソとの相性が悪く、プレーエリアが被る(どちらも中央寄りのサイドから中央へ侵入するプレーを好む。また縦への突破力がなく、縦へのフリーランも積極的にしない)ため全体として機能的ではありませんでした。
また、パケタ自身もカットイン、シュート精度、球離れなどがあまり良くなく、全体的なパフォーマンスとしては満足いくものではなかったかと思われます。
個人的に、パケタを活かすならば3-4-2―1のシャドーもしくは3-5-2のインサイドハーフが良いんじゃないかと思っていまして、ここならば隣のWBに縦のスペースを突いてもらえる上、相方のシャドー(チャルハノール)や2トップの一角に斜め前へと走ってもらう(後述)ことで、先に挙げたパケタのパスが引き出されやすい環境が作られるんじゃないかと。
現状、このようにしてパケタ中心のサッカーが展開される可能性は低く、そもそも3バックシステムの採用自体メンバー的に考えにくいわけですが、せめて今シーズンが終わるまでに一回は見てみたいですね。
――先述のナポリ戦におけるワンシーン。右からカットインしたパケタがシュートを放つも、威力がなく相手キーパーが難なくキャッチ
――仮にこういったシーンにおいて、後方から赤丸のスペースに飛び込む選手がいれば、パケタのパスセンスが活きる可能性がある
それでは今回はこの辺で。




昨季と異なり、今季は右インサイドハーフでの起用が多くなったパケタ。
それにより、「右サイド(中央寄り)でボールを受けて中へ進み、そこから主に軸足方向へ角度を付けた縦パスを出す」という形が増えるようになりました。
一般的に、ボールの進行方向からパスの角度がずれるほど、正確なパスを出すのは難しくなります。
それもあり、角度の大きく付いたパスに対してはディフェンダーの注意が疎かになりやすく、反応が遅れやすくなりがちです。
そのため、相手のディフェンスラインを崩す手段の一つとして、こういったパスは有効となります。
続いて、ユヴェントス戦における同様の形を見ていきましょう。(キャプチャ画像の映像引用元:Youtube『Lucas Paqueta vs Juventus 10-11-2019 HD』ttps://www.youtube.com/watch?v=rd0QI_3ovLk)




ナポリ戦でも同様の形が見られます。(キャプチャ画像の映像引用元:Youtube『Lucas Paqueta vs Napoli 23-11-2019 HD』ttps://www.youtube.com/watch?v=O-AO4Fzwo3Y)




上記の場面におけるパスを出すタイミングや精度は申し分なく、こうしたプレーは彼のストロングポイントといって差し支えないものでしょう。
ピオリがパケタを主に右サイドで起用するのも、おそらくはこうしたパケタのプレースタイルを評価してのことだと思いますし、チャンスメーカーとしてゴールに直接的に関与してもらいたいというピオリの意図を感じます。
しかしながら、こうした動きは当時の右ウイングであったスソとの相性が悪く、プレーエリアが被る(どちらも中央寄りのサイドから中央へ侵入するプレーを好む。また縦への突破力がなく、縦へのフリーランも積極的にしない)ため全体として機能的ではありませんでした。
また、パケタ自身もカットイン、シュート精度、球離れなどがあまり良くなく、全体的なパフォーマンスとしては満足いくものではなかったかと思われます。
個人的に、パケタを活かすならば3-4-2―1のシャドーもしくは3-5-2のインサイドハーフが良いんじゃないかと思っていまして、ここならば隣のWBに縦のスペースを突いてもらえる上、相方のシャドー(チャルハノール)や2トップの一角に斜め前へと走ってもらう(後述)ことで、先に挙げたパケタのパスが引き出されやすい環境が作られるんじゃないかと。
現状、このようにしてパケタ中心のサッカーが展開される可能性は低く、そもそも3バックシステムの採用自体メンバー的に考えにくいわけですが、せめて今シーズンが終わるまでに一回は見てみたいですね。


それでは今回はこの辺で。
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