チャルハノール「僕はトレクァルティスタ」 ~ラングニック監督の下での期待~
それについて今回話題にしたいのが、彼の好むポジションについてです。(昨晩書いたのですが、投稿前に寝落ちしていました)
――1番好きな役割について
「僕は自分をトレクァルティスタ(トップ下)だと感じている。ブンデスリーガではこの役割を任されて成長したし、そこでプレーするのが好きだね。」
ミランに加入してからというもの、チャルハノールはウイング、インサイドハーフ、サイドハーフ、ボランチなど実に様々なポジションでプレーしています。
しかし、本人曰くお気に入りのポジションはトレクァルティスタ(「4分の3の人」、いわゆるトップ下)とのこと。そして現在は4-2-3-1のトップ下でプレーし、リンクマンとして印象的な活躍を見せてくれています。
個人的に、チャルハノールはもう少し下がり目のポジションでも技術的にプレー可能だと思いますが、選手の意思というのが適正ポジションを考える上で重要視されるのも事実。
トップ下としてのマインドを持っているチャルハノールに中盤をやれと言っても、気持ち的には納得しがたいものがあると思いますし、そうしたメンタル的側面がプレーに悪影響を及ぼし上手くいかなくなることもあるでしょうしね(例えばボランチ起用されながら、何となくすぐ前方へと移動してしまうなど。実際、ボランチ起用された今季のエラス・ヴェローナ戦ではそうした傾向が見られました)。
そういえばミランの背番号10の前任者である本田も、日本代表においては長らくボランチへのコンバートを一部の人から待望されていましたし、CSKAモスクワ時代は実際にスルツキ監督からボランチ起用されていたわけですが、彼も人一倍トップ下への拘りが強い選手でしたね。
話を戻します。先述の通り、現在はトップ下で活き活きとプレーしているチャルハノールなわけですが、来季は監督交代が濃厚とされているため、再びポジションが変更される可能性が高いです。
そして、次期監督として有力視されているラングニックは、基本的には4-4-2の使い手であるということで、チャルハノールが起用されるとすれば左サイドハーフになるでしょうね。
しかし4-4-2の左サイドハーフというと、彼はこれまでもミランでガットゥーゾ・ピオリ両監督の下でプレーした経験があるわけですが、前者の時は酷いパフォーマンスでした。

(参考:18-19シーズンにおけるトリノ戦のスタメン)
一方で、ピオリの時は平均以上のパフォーマンスを見せていました。(詳細についてはこれまでも数回書いてきたため、割愛)。
では、ラングニックの場合はどうなると予想されるか。
この点について、ラングニックのそれは「4-2-2-2」と表記されるほど両サイドが中央に絞ることが特徴とされている通り、サイドハーフといえど攻撃時にはかなり中央に絞ることが要求されています。

(参考:ラングニック監督の下における、予想されるチャルハノールの形式的ポジション)
僕も3試合ほどライプツィヒのサッカーを観ましたけど、確かに左サイドハーフ(フォシュベリという選手)が非常に中央に絞ったポジショニングを取り、前線や中盤との距離をコンパクトにして素早くパスを繋いでゴールに迫るシーンが散見されました。
こうした役割・プレースタイルがチャルハノールの好むものであることは間違いなく、そう考えるとかなりフィットするんじゃないかなという期待感がありますね。
また、ポジション表記は違えど、求められるプレーや実質的な攻撃時のポジショニングはトップ下のそれと大きな違いはないですし、彼の希望ともマッチするのではないでしょうか。
さて。僕はこれまで何度も言っているようにチャルハノールは好きなタイプの選手ですが、一方で「得点・アシストという結果を残す」という点で今の彼が物足りないのは紛れもない事実。
また、ミランとの現行契約期間が残り1年ちょっととなり、去就も現時点で不透明であるという状況です。
しかし、先述の通りチャルハノールにとってラングニックが監督として就任するとなれば、それは間違いなく追い風になると予想されますし、上記の課題の解決にも大いに期待できるんじゃないかと考えています。
是非とも、来季こそは多くの得点に絡んでもらい、(役割的な意味で)トレクァルティスタとしての彼の本領を見せて欲しいと思います。
それでは今回はこの辺で。