フィリッポ・インザーギ「監督」、3度目のセリエA挑戦へ
「僕がバレンシアにいたころ、ベニテス(当時ナポリ監督)からナポリに来るように誘われた。僕は彼に言ったよ。是非ともイタリアでプレーしたいけど、それはミラノの街でだけだ、とね」
「だから僕はミランに行ったし、本当にあのクラブを愛していた。しかし、あなた(カンナバーロ)の友人であるフィリッポ・インザーギとの間に問題を抱えてしまった。彼のことを悪く言いたくはないけど、彼が行ったいくつかの批判は僕の好むものではなかったね」
ラミがインザーギ監督を批判することは今回が初めてではなく、以前はより皮肉たっぷりなコメントでもって指導者としての彼を批判していました(参照『ラミがインザーギに皮肉「彼が監督をやれるなら…」』)。
«Da grande mi piacerebbe allenare, mi ci vedo bene in panchina. Inzaghi? Mi ha fatto capire che se c’è riuscito lui allora può farcela chiunque: era una catastrofe.»
— delinquentweet (@delinquentweet) 2018年9月28日
Adil Rami su Pippo Inzaghi, senza troppi giri di parole. pic.twitter.com/RSNswAlkeH
振り返るとインザーギ監督時代のミラン14-15シーズンにて、ラミは序盤こそ継続して出場機会を手にしていたものの、怪我もあってか後半戦からは出場機会を減らしていました。
また、SBに負傷者が続出したこともあり、ラミが適正ポジションではない右SBを担当することも何度かありましたね(ミラノダービーでのプレーが印象的でした)。この点もラミにとってはあまり気分の良いものではなかったのかなと。
この件に関しては、どちらが正しいかを検討するつもりはないですし、ぶっちゃけ当時のピッポの指導とラミの態度(試合でのパフォーマンス含む)の双方に責められる部分はあったのかなと漠然と考えています。
確かにインザーギ監督の采配は序盤を除けばお世辞にも良いとは思えませんでしたが、対するラミも、当時のCB陣(アレックス、メクセス、サパタ、ボネーラ、冬からパレッタ)の中で飛び抜けたパフォーマンスを披露していたかといえばそうではなかったと記憶していますしね(個人的には確かアレックスとラミのコンビが一番かなあとは思っていましたが)。
さて。ラミからは随分と批判されるインザーギ監督ですが、現在はセリエBに所属するベネヴェントの監督を務めています。
そして、そんなベネヴェントの今季の順位は1位で、ここまで28戦で21勝6分け1敗と素晴らしい成績。
しかも、2位であるクロトーネとの勝ち点差はなんと「20」。圧倒的な強さでカンピオナートを独走中です。
リーグ戦中止によって昇降格なしなんていう異常事態でも起きない限り、セリエA昇格は間違いないでしょうね。監督交代もまずあり得ないでしょう。
思うに、インザーギ監督は既にセリエBで戦い抜く力量は十二分に備えていますし、後はセリエAに昇格した時に如何に守備組織(カウンターを含む)を整え、勝ち点をもぎ取っていけるかが今後の指導者としての飛躍の鍵なのかなと。
思えばミラン監督時代は序盤こそ素晴らしいスピードカウンターをベースに勝ち点を積み上げましたが、徐々に守備組織の脆弱さを露呈し最後は攻守において完全に瓦解。
また、昨季のボローニャでは守備に人員を割いてそこそこの失点数に抑えましたが、その分攻撃力(カウンター)が足りずに勝ち点を伸ばせず、途中解任の憂き目に遭っていますからね。
しかし、3度目のセリエA挑戦となるであろう今度は過去2回と違い、自らの手で1年間かけて作り上げたチームをもって臨むことができます。
個人的には非常に楽しみですし、是非とも彼には監督としても成功して欲しいと強く願っています。
そして、明らかにピッポを舐めているラミを見返してやってください(笑)
それでは今回はこの辺で。