カスティジェホのプレースタイルの変化 ~スタッツから読み解く~

6 Comments
カカニスタ22
昨季、そして今季前半戦は苦しい時期を過ごしたカスティジェホですが、2020年に入ってから爆発。

新年明けてから2戦目となるカリアリ戦で先発を果たすと、そこから11試合連続でスタメン出場。それによって計1ゴール4アシストを記録しました。

昨季のリーグ戦での先発はシーズン通して8試合でしたから、早くもその数字を上回っていますね。

また、総プレー時間に換算しても、昨季は1008分だったのが今季は既に963分(『WhoScored』より)。
セリエA中止でもない限り、シーズン終了時に昨季の総プレー時間を大きく上回ることは間違いないですね。


こうした点に関し、カスティジェホは『AS』にて以下のように語ったようです。

「セリエA1年目は適応の時期だった。それに毎試合15分ちょっとで自らの価値を証明することは簡単ではなかったね。スタートからプレーするのも2~3週間に1度だった。」

「ラ・リーガは全てがずっと技術的だったが、対してイタリアの方が守備は固い。セリエAのチームはより戦術面に取り組んでいるね」




昨シーズンは大体の時期においてウイング(特に右サイド、というかスソ)に後方からのボール運びも託していたこともあり、その代役として出場した際のカスティジェホは明らかに苦戦していました。
対面のDFに素早く詰められて前を向けず、バックパスや横パスに逃げてしまったり、前を向いても狭いスペースを前に上手くプレーできなかったりといったシーンが多発していましたしね。

しかし、再三指摘してきた通り、今季後半戦からはイブラの加入によってシステム・戦術が変わり、スペースが比較的ある状況かつ前向きでボールを受けられるようになったことでカスティジェホは激変しました。

無論、こうした変化はシステム・戦術変更によるものだけではなく、移籍2年目でセリエAの特徴を掴み始め、相手チームの組織的な守備に慣れ出したというのも大きいと思います。カスティジェホも、1年目はセリエAへの適応に苦しんでいたと言っていますしね。

そんな苦しい状況においても腐らずに適応しようと努力を続け、見事にレギュラーの座を勝ち取ったカスティジェホは本当に素晴らしいですし、彼の姿勢から学ぶべきことは多いと思います。




さて。続いては視点をデータに移し、カスティジェホの昨季と今季のスタッツの違いを見比べていこうかなと。
なお先述の通り、今季のリーグ戦における暫定プレー時間は現時点で昨季とほぼ同じ(昨季は1008分、今季はここまで963分)ということで、昨季の全試合におけるスタッツと今季ここまでのスタッツをそのまま比較していきたいと思います。ちょっとした参考程度にご覧ください。(※以下のデータはいずれも『WhoScored』より


キーパス数

19(昨季)→37(今季)



約2倍に増加。
昨季よりもチャンスに繋がるパスを遥かに多く出せているというのは、システム・戦術の違いはもちろんあれど本人の判断力やプレースタイルの改善による部分も大いにあると思います。



ちなみに、カスティジェホは上記のキーパス数37の内、31回が後半戦に入ってから記録されたものですが、これは同時期における欧州5大リーグの中でトップの数字だそうです。



ドリブル

成功数:19→17
失敗数:22→16



ドリブル成功数は減っていますが、それ以上に失敗数(ボールロスト)が減っています。よって、ドリブル成功率も今季は上昇。

こうしたドリブルスタッツに関しては、どのようなピッチ状況で仕掛け、その後どうなったか(チャンスに繋げられたか、はたまた無駄にキープしてチャンスを無駄にしたか等)が非常に重要だと思うためデータだけで一概には言えませんが、少なくともボールロストが減ったという点は確かですね。

なお、ミラン移籍前のビジャレアル時代(17-18シーズン)には、実に106回ものドリブルを試みていたそうです(成功数47、失敗数59)。今よりも2~3倍多かったようですね。(その分、出場時間も今より2倍ほど多かったわけですが)


ポゼッション

トラップミス:28→24
ボールロスト(ドリブルミス以外):27→18




トラップミスや、相手のタックル等によるボールロストの数も減少。
移籍2年目となり、セリエDFとの対峙の仕方に慣れてきたことが原因の一つと考えられるかなと。
ボールの置き所や間合いの取り方などですね。



守備

タックル数:36→45(成功数:15→22)
インターセプト数:8→21
ファウル数:27→10



個人的に注目したいのは、コチラの守備スタッツについてです。
タックル数、インターセプト数共に大きく増加している一方で、ファウルを与えた数は大きく減少しているという理想的な変化を見せています。

昨季は、カスティジェホの守備については当初から献身的な姿勢が目立っていた一方で、その動き方に関してはやや雑な印象が拭えませんでしたが(そのためファウルも多い)、その点もセリエA2年目となった今季は大きく改善されたと思います。実際、データにも表れていますしね。
組織的守備が身に付いてきたといえる証ではないでしょうか。




以上、昨季のスタッツと比較しながらカスティジェホのプレースタイルの変化について見てきました。

繰り返しになりますが、昨季~今季前半戦の苦しい状況の中でも腐らずに努力を重ね、こうしてレギュラーの座を勝ち取ったカスティジェホは本当に素晴らしいですし、こうした姿勢を選手たちには是非とも見習ってほしいと思います。

特に、加入1年目で現在苦戦中のレオンにとって正にカスティジェホは良き見本と言えますし、来季は彼のように捲土重来を果たして欲しいところです。


また、カスティジェホにもここから更なる成長を見せて欲しいわけですが、真面目な彼ならば現状に驕ることなく努力を重ね続けてくれるでしょう。

このまま成長を続け、これからも末長くミランに貢献して欲しいですね。



それでは今回はこの辺で。

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Comments 6

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シェバシェバ  

コメント失礼致します。

後半戦以降、動きが見違えるほど良くなったと思っていましたが、スタッツでも全ての面で昨季を上回っており、今ではなくてはならない存在になりましたよね。あそこまで攻守に渡り、走ってくれるとチームは助かりますよね。

カスティジェホってまだ25歳なんですよね。まだ成長の余地はありそうですし、今後が楽しみです。

  • 2020/05/04 (Mon) 00:28
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Joie_de_Myao  

スペイン人のWGということでスソ同様テクニシャンと最初は思ってましたが、
昨季ミランに来て意外にも技術よりも走力や運動量、献身性が目立ち、スソとは全く違うタイプのサイドアタッカーなんだなと思った。
とにかくよく走る、特に守備の時はどこまでもボールを追いかけていくんじゃないかと思うほど。
この走力と献身性を磨き続けていけば、昨今の噂通りラングニックが就任したとしても戦力として重宝されるでしょう。
そしてピッチを走り回るサムカスを見習って欲しいのはレオンだけでなくパケタにもいえるでしょう

  • 2020/05/04 (Mon) 09:17
  • REPLY
すくろう  

イブラ加入でチーム戦術が変わり、一皮、いや二皮くらい剥けた印象でしたが細かくデータで見ると分かりやすいですね!
特にキーパスと守備は素晴らしい!
今思えば、以前はスソありきのチームの型の所に全くタイプの違うカスティジェホをそのまま当てはめるだけで上手く行くはずがなかったんですねぇ…
スペイン人で左利きのウイングというイメージが先行しちゃってた感は否めません
良い意味でスペイン人ウイングらしからぬ所こそが彼の長所だったわけですし
このタイミングでこんな事言うのはダサいんですが…僕はずっとカスティジェホを特に応援してたんですよ!
上手くいかない時も、というか上手くいかない時の方がずっと多かったけどその中でも彼が手を抜いたり気持ちが折れたりするように見える事は一切なかった。
ここ数年、暗黒期とも言える時期ですが正直、そういうつもりじゃないかもしれないけど、そう見える選手は何人もいたしタイミング的にそうなってしまう瞬間があるのは理解できる。でもそうじゃない選手もいたんですね。それほど多くはなかったけどカスティジェホはその中の1人だったのは間違いないです。そういう選手に結果が出るとは限らない世界ですがそうなるとやっぱ嬉しいですよね

  • 2020/05/04 (Mon) 09:48
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カカニスタ22
カカニスタ22  
To シェバシェバさん

コメントありがとうございます!

昨季から献身性は目立っていましたが、今季はその動きに質が伴ってきたことで非常に強力な選手になってきましたね。

カルチョで戦術的動きを仕込まれることで能力を飛躍的に伸ばした他リーグ出身の選手は多いですし、仰るように25歳でまだまだ伸びる年齢でしょうから今後が楽しみです。

  • 2020/05/04 (Mon) 22:51
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カカニスタ22
カカニスタ22  
To Joie_de_Myaoさん

コメントありがとうございます!

僕も最初に見たカスティジェホの評価が「ドリブラー」と書かれたものだったので、予想していた姿とは違って驚いた記憶があります(笑)

確かに同様のことはパケタにも言えますね。来季も残留するなら是非ともカスティジェホのように復活して欲しいです。

  • 2020/05/04 (Mon) 22:52
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カカニスタ22
カカニスタ22  
To すくろうさん

コメントありがとうございます!

昨季は戦術も合ってなかったですし、それに適正ポジションである右サイドだけではなく左でもプレーさせられていましたからねー。
加えてセリエA一年目というこもあってかなりキツかったでしょうね。

しかし、仰る通り昨季も諦めることなく懸命なプレーを続けていたことは間違いないですし、そうした姿勢が守備力やボールコントロールの向上に繋がったという側面は間違いなくあると思います。そうした選手が報われるのは確かに良いですよね。

  • 2020/05/04 (Mon) 22:53
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