ミランの深刻な得点力不足について

今季のミランの不振を象徴する数字の一つとして、「得点数の少なさ」が挙げられます。



ここまで26節を消化した現時点における得点数は28でリーグ15位。
得点率わずか約1.08という数字は、リーグ平均の得点率1.46を下回る数字です。

また、過去のミランと比較すると、過去のシーズンの同時期においてこの数字を下回るのは1986-87シーズンにまで遡るそうです(26試合で26ゴール。『MilanNews.it』より)。

このような問題は様々な原因が複雑に絡み合って生じたものでしょうから、明確に説明するのは非常に難しいところであります。

それでも、今回は一つだけその原因をかいつまんで述べさせてもらうと、それは前線と中盤とのタイプ相性が良くなかったことが挙げられます。



前半戦については、1トップに裏抜けタイプのピョンテクを置いたものの、彼に良質なパスを送り届けられる選手、俗にいうチャンスメーカータイプが中盤にもサイドにもいませんでした。

これは昨季後半戦に関しても同様のことが言えまして、それでも今季と違ってゴールを量産していたのは偏にピョンテクの決定力が異常に高かったからです。
以前だってチャンスの数自体は決して多くなかったという点については、おそらく昨季後半戦の試合を思い返してもらうと共感していただけると思います。

しかし今季からはその決定力も鳴りを潜めた結果、タイプ相性の悪さが浮き彫りとなりピョンテクはゴール不振に陥ってしまったと。そしてエースが点を取れなくなれば必然的にチーム全体のゴール数も減ります。


一方で今季後半戦からはイブラが加入し、1トップの位置に入ったことで得点率が改善(前半戦は得点率が0.9だったのが、後半戦に限れば1.7に)されたわけですが、それは上記のタイプ相性が改善したことと決して無関係ではないでしょうね(イブラが前線でボールを収め、走力とスピードのある中盤・サイドに捌いて彼らが前を向いた状態でボールを受けさせるといった関係性の構築)。

チャルハノール、カスティジェホ、レビッチと、1トップとの関係性向上によってパフォーマンスを高めた選手は多いですからね。

いくつかの問題点(中盤の得点数・アシスト数の少なさ、引いた相手を崩す術etc)は未だにあったものの、時間と共に改善される傾向はありましたし、楽しみであったわけですが…フィオレンティーナ戦のふざけた判定による引き分けと内部紛争に水を差され、挙句に新型コロナウイルス騒動によりリーグ中断と…。


リーグ戦再開後、果たしてミランの得点力不足は完全に解消されるのでしょうか。
ここからの快進撃のためには避けて通れない課題でありますし、何とかピオリ監督の下、一丸となって解決に取り組んでもらいと思います。


締めの言葉が前回の記事とかなり被りましたが(笑)それでは今回はこの辺で。

2Comments

おでごろう

今季はともかくとして来季が不安すぎますよね…。

例えば噂程度ではありましたが、スカマッカを獲得した場合は、今季みたいにイブラ(あるいは出場時のスカマッカ)を中心としたワントップが収めて、2列目以降が飛び出すようなサッカーになると思いますが、イブラが退団濃厚となると、レオンになるのでしょうか…?ただイブラが残ってくれたとしても、加齢により今季程の活躍は見られないと思いますし、レオンは苦しんでいるとなると、難しいところではありますよねえ。

話は変わって、僕はパケタとピョンテクが一時期のカカとインザーギのようになってくれると夢見てました。その夢も潰えそうですが…。

こんなチーム状況ですが、ミランを応援することには変わりありません。カカニスタさんもどうかくれぐれもご自愛ください。

  • 2020/04/27 (Mon) 20:19
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カカニスタ22

カカニスタ22

To おでごろうさん

コメントありがとうございます!

レオンが順調に成長していければ良いのですが、現状だとイブラの代わりは難しいですからねー…。
仰るようにイブラのボールを収めるプレーは現システムですと必須ですし、彼がもしも退団するのであれば代わりの選手の獲得か、はたまた戦術・システムの練り直しは必須になるでしょうね。

パケタがこの大事な2年目でイマイチ伸び切れなかったのは想定外でした…。
セリエA2年目というのは往々にして苦戦するものですが、去年の素晴らしいプレーがあっただけにもう少し成長してくれるかなと思ったんですけどね。

お気遣いいただきありがとうございます。今後ともよろしくお願いいたします!

  • 2020/04/28 (Tue) 01:02
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