チアゴ・シウバのミラン復帰を阻む2つの問題

契約満了により、今季限りでのパリ・サンジェルマン退団が濃厚とされているチアゴ・シウバ。
それもあり、(確か)今年の始め頃からチアゴ・シウバのミラン復帰の噂が徐々に出始めました。

しかしながら、現在はトーンダウン。『Calciomercato.com』によれば、チアゴ・シウバのミラン復帰の実現には、越えるべき2つの壁があるとのことです。
1つ目は、年俸の問題。シウバの現在の年俸は1200万ユーロと高額で、とてもじゃないですが今のミランの払える額ではありません。
復帰に際して減俸は必須条件となるわけですが、来季から更に厳格なサラリーキャップを定めるとも一部で報じられるミランが払える額で合意できるかは怪しい所です。

2つ目は、年齢にの問題。ボバンが去り、マルディーニもメルカートに関する発言力を失うことが極めて濃厚な来シーズンは、もとより若手を中心としたプロジェクトを推進するエリオット並びにその任を授かったガジディスCEOの意向がより色濃く反映されるスカッドが作られるでしょう。
そして、そんな彼らが36歳のシウバ獲得にゴーサインを出すことは考えづらいです。


以上の2つはいずれも大きな障壁ですし、はっきり言って実現の可能性は限りなく低いと言わざるを得ませんね…。



視点を変えましょう。移籍の実現に当たり何より重要ともいえる、チアゴ・シウバ本人の意思はどうなのでしょうか。
これについては、『Milannews.it』によるシウバの代理人の発言が参考になります。

「フットボール界においては全てが起こりうる。シウバはミランに対し深い愛情を持っているし、そこで数年間のキャリアを積んだ。それに、ミラニスティからの深い愛情も理解している。」



定型的なコメントと言えばそれまでですが、シウバ自身もこれまで度々ミラン愛を口にしていたことを踏まえると、ミラン復帰の意思はあると考えても良いんじゃないかと思います。
まぁ、それでも先述の通り2つのデカすぎる障壁をクリアしなければなりませんから、いずれにせよ可能性は低いままですけどね。




最後に。一部報道では、一転してパリ・サンジェルマン残留の可能性もあるらしいです。



新型コロナウイルス騒動が今夏の移籍市場に大きな影響を及ぼすことが予想されるため、安全策としてシウバと1年間の契約延長をパリが再考し始めたとか何とか。


さて。キャリアの最終盤に差し掛かった偉大なCBの去就は一体どうなるのでしょうか。
イブラとシウバのコンビが忘れられない未練がましい僕からすれば、願わくはもう一度ロッソネロのユニホームを身に纏った彼の姿が見たいですけどね…。


それでは今回はこの辺で。

7Comments

ヒツジ

チアゴ・シウバは注目せざるを得ないですよね。
全て希望的観測の妄想に過ぎませんがお許しください。 笑)
前者のどこまで減俸を受け入れてくれるか不透明ですが、ズラタンと同額であれば、チアゴ・シウバの性格上、受け入れてくれるのではないかと思っています。
仮に700m辺りと換算すると、レイナ+ビグリア+ボナベントゥーラの年俸の総額とほぼ同等です。
ビグリアとボナベントゥーラについては契約満了退団がほぼ確定していますし、レイナについてはジャンルイジ・ドンナルンマ残留であれば放出濃厚です。
他にも獲得する選手もいるでしょうから何とも言い難いですが、年俸面に関してはクリア可能な範囲と見ています。
後者については、チアゴ・シウバに関しては例外扱いすべきかと思います。
今季が物語るように、加入前・加入後問わず、ズラタン不在の試合では気が抜けたかのような不安定なパフォーマンスに終始しています。
これが指し示すのは、リーダーは一人では足りないのではないかということです。
ズラタンにしても全試合フル稼働できるはずもありませんし。
ズラタン加入前・加入後のチームの変貌ぶりを経営陣も目の当たりにしていますし、ベテランの必要性を"多少は"理解してくれていると信じています。
戦力的に見ても、かつての超ワールドクラスの領域からは衰えましたが、未だワールドクラスのCBである上に、クラブのレジェンドを移籍金無しで獲れるなんて千載一遇のチャンスだと思います。
年齢的にもチアゴ・シウバは長くて2年が限界だと思いますし、ロマニョーリ、テオ・エルナンデス、ガッビア、カラブリアの最終ラインの若手たちを育て上げられる最適な人材だと思います。
以上、チアゴ・シウバ加入はデメリットを軽く上回るメリットがあると思いますし、エリオットの英断に期待しています。
何しろ、"戦術ベース"と"若手集団"のチームがどうなってしまうかは、今季で思い知ったはずですから。 笑)

  • 2020/04/23 (Thu) 03:23
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ヒツジ

長文・駄文で大変失礼しました!
700mは7mの誤りです!
チアゴ・シウバは、ズラタンと共にクラブの最盛期を肌で知る"最後の生き残り"ですから、つい熱が入ってしまいます。 笑)

  • 2020/04/23 (Thu) 03:26
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すくろう

1200万€!?
いやいやさすがにちょっと厳しい。半分でもエリオットを納得させられるとは思えません…450~500くらいでやっと交渉の余地が出てくるって感じじゃないですかね
マルディーニ、ネスタと直接一緒にやってる選手ですし、ミランにとってはマスターヨーダ、オビワンの直系のラストジェダイ、ルーク・スカイウォーカーみたいなもんですから凄く来て欲しいんですが…

  • 2020/04/23 (Thu) 16:39
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Hana

私は当初、クラブの方針がブレる為、ズラタンの獲得には否定的でした。しかし、圧巻のパフォーマンスを観て久しぶりに本物のスーパースターのプレイを観たと思いました。(ほとんどミランの試合しか観ないので)。
ですのでチアゴシウバの獲得には賛成です。
なんとか2年プレイしてもらって、その間にチームのベースを作って欲しい。
バレージからマルディーニが学び、それをネスタが引き継ぎ、そしてそれをイタリア人ではないがチアゴシウバが学びました。それが完全に途絶えてしまいました。(素人の意見ですが1人でディレイをかけながら同時に2人を見るディフェンスの時に特に感じます)。
チアゴシウバはミランでブレイクしたので思い入れは持っていると思います。
チアゴシウバが入ってきた時に、ネスタがマルディーニにあいつは本物やでと言ったらしい。
そのチアゴシウバがネスタに、ユース時代のデシーリオのことを、あいつはエエもん持ってると言ったらしい。
レジェンドの使い捨てもそうですが、私は生え抜きのことも大切にしてほしいと思います。

  • 2020/04/23 (Thu) 18:51
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カカニスタ22

カカニスタ22

To ヒツジさん

コメントありがとうございます!

正に仰るように、契約満了予定選手たちの退団が実現すればある程度の金銭的余裕が生まれますし、年俸面について物理的に支払い不可能というわけではなさそうなんですよね。
問題はやはりエリオットの意思そのものともいえるガジディスの意向で、僕もシウバについては例外扱いにすべきだと思うのですが…今季もマルディーニ&ボバンの移籍リクエストを尽く断ってきたらしい彼がイブラに次ぐ2度目の例外を設けてくれるかは怪しいところな気がしますね…。

長文コメはこちらとしても大歓迎です。時間がありましたら是非とも、気兼ねなく思いの丈を当ブログにぶつけてださい(笑)

  • 2020/04/24 (Fri) 00:28
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カカニスタ22

カカニスタ22

To すくろうさん

コメントありがとうございます!

250万ユーロほどのサラリーキャップの採用がもし事実であれば、シウバ復帰は絶望的ですね…。
一部の在籍選手(ロマニョーリとか)は例外らしいですが、新たに獲得する選手に対しては厳格に適用しそうな気がしますし、例外扱いにしてもどの程度まで(シウバと合意できるほど)許すか未知数ですからね。
ドンナルンマやイブラといった高額年俸選手の去就とも関わってきそうです。

  • 2020/04/24 (Fri) 00:29
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カカニスタ22

カカニスタ22

To Hanaさん

コメントありがとうございます!

ワールドクラスのミランCBの系譜が途絶えてしまったことについては僕も常々残念に思っていて、あの時期にチアゴ・シウバを失ったことというのはミランCBのDNAを失ったことと同義なんじゃないかと。

>>1人でディレイをかけながら同時に2人を見るディフェンスの時に特に感じます

正に、正にそれですね。全面的に同意です。
ネスタは完璧なラインコントロールとポジショニングで複数の相手選手を一度に封じ込めていましたし、11-12シーズンのチアゴ・シウバも鬼神の如きパフォーマンスでした。
彼らのような選手がいるからチームは安定して勝つことができますし、ミランが革新的なサッカーを色々と試行錯誤しながら続けていけたのも彼らのような存在があってこそなんだと今更ながら強く感じます。

  • 2020/04/24 (Fri) 00:32
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