インテル戦プレビュー
〇予想スタメン
Probable starting XI's for Inter-Milan (tonight, 20:45 CET at Stadio San Siro) according to La Gazzetta dello Sport. pic.twitter.com/Ihl2W7lfYX
— Meytar Zeevi (@RossoneriBlog) 2020年2月9日
システム;4-4-1-1
GK;ドンナルンマ
DF;コンティ/ケアー/ロマニョーリ/テオ
MF;カスティジェホ/ケシエ/ベナセル/レビッチ
MF;チャルハノール
FW;イブラヒモビッチ
ミランは4-4-1-1が濃厚。
いつもの4-4-2との決定的な違いとしては、相手のアンカーポジションに対して明確なマーカーを置くかどうかという点でしょうか。
例えば、これまでミランは中盤3枚の相手と対峙する際、システムの噛み合わせ上アンカーに対してはマークを付け辛い。そのため基本的には左サイドハーフが中央へ移動して付くという形で対応することが多かったわけですが、そうすれば当然左サイドは空きがちになります(2トップの一角が下がって対応するときもありましたが、いずれにせよ不徹底)。
相手がインテルレベル(かつ3-5-2)だと、そのような状況では簡単にサイドを突破される恐れがありますから、2トップから1人を明確に一列下げる形で相手アンカー(ブロゾビッチ)に対応する今回の形を採用するのかなと。要は守備的な采配ですね。
で、その重要な役割を担うのがチャルハノールと。
走力と献身性を考えると極めて妥当な選択だと思いますが、懸念材料は攻撃面(特にカウンター)でどれだけ貢献できるかという点でしょうか。
実際の形にもよりますが、基本的に両サイドが深く下がる傾向にある4-4-1-1だとカウンター時には前線の個人技というのが特に重要になってきて、単騎でのドリブル突破やボールキープによりサイドや中盤が上がって来られる時間を作ることが求められます。
この点に関してはチャルハノールだと難しい気がしますが、多分最初からイブラヒモビッチにボールを当て、そこへチャルハノールが走って絡んでいくという形(要はトップ下がボールを運ぶのではなく、1トップを軸としたカウンター)をメインに想定していると思うので、もし上手く機能すればそこまで問題にはならないかなと。
続いて、その他の注目ポイントとしてはCBと左サイドハーフ。前者についてはムサッキオではなくケアーが濃厚で、後者はボナベントゥーラではなくレビッチ濃厚という話です。
CBはおそらくコンディションの良いほうを選んだという単純な理由の気もしますが、それ以外にもリトリートが多くなることを予測し、エリア内での動き(空中戦とか)が比較的安定しているケアーを選んだという事情もあるかなと。
サイドハーフについては、普通に今のボナベントゥーラよりレビッチの方が遥かに機能するでしょうから妥当だと思いますが、スーパーサブとしてもレビッチの方が期待できるため、判断が難しいところ。
まぁ上記の予想スタメン通りならレオンをスーパーサブとして起用できるので、レビッチスタメンで何の問題もないですかね。
あとはいつも通りのメンバーが予想されています。イブラが体調不良&軽度の負傷によりこの試合に復帰できるか微妙なところでしたが、無事(?)に戻ってきてくれたようで何よりです。
〇直近成績
・ミラン
伊杯16;SPAL(H)3-0○
20節;ウディネーゼ(H)3-2○
21節;ブレシア(A)0-1〇
伊杯8;トリノ(H)4-2〇
22節;ヴェローナ(H)1-1△
5戦 4勝1分 12得点5失点
・インテル
伊杯16;カリアリ(H)4-1○
20節;レッチェ(A)1-1△
21節;カリアリ(H)1-1△
伊杯8;フィオレンティーナ(H)2-1○
22節;ウディネーゼ(A)0-2〇
5戦 3勝2分 10得点4失点
(カップ戦含め)2020年は未だに無敗のチーム同士の対戦。
なお、両チームの直近5戦における直接対決の結果はミランの1勝1分3敗です。
ただし、その1勝もカップ戦でのものであって、リーグ戦での勝利となると実に4年前の15-16シーズンにまでさかのぼらないといけません(3-0でミラン勝利。ミハイロビッチ監督時代)。
〇試合展開・結果予想
勝つためには第一に、ミランの選手たち全員が最高のパフォーマンスを見せる必要があるかなと。
中でも重要なのはイブラヒモビッチのパフォーマンス。体調不良&怪我のダブルパンチにより、今週の練習時間の多くを個別メニューに費やしたというのは非常に気になる所。
先述の通り彼にはカウンターの起点となる働きは勿論のこと、ポゼッション時もいつものようにポストプレー、ロングボールのターゲットとして前線の収め所となる重要かつタフな動きが要求されますから、彼のコンディションはチームのパフォーマンス(特に攻撃面)に直結します。
しかも、ミランはいつもよりも守備的に振る舞うことが予想されるため、前線で彼が機能しない場合、守→攻の切り替えが上手くいかずに押し込まれ続ける展開になりかねません。
そんなわけで、とにかくイブラ様には頑張っていただきたいと。
続いて守備については、いつものハイプレス&リトリートでいくのか、端からブロックを固めるかどちらでいくかという点が気になります。
今回の対インテル(3-5-1-1予想)だとトップ下のエリクセンがシステムの噛み合わせ上捕まえ辛そうですし、いつものようにボランチが対面のマーカー(おそらく相手インサイドハーフ)に釣り出され、それにより空いたスペースでエリクセンにパスを受けられるケースが頻発すると苦しいかなと。
ローラインでしっかりとブロックを作ってバイタルを締めるか(ただこれをやるとメンバー的にカウンターが厳しい)、CBが勇気を出していつも以上に積極的に潰しに前に出るかのどちらかが求められるかなという印象です。
最後に結果予想ですが、2-0でインテル勝利と予想します。理想をいえば0-1でミラン。
やはり戦力的、戦術的に劣る相手である以上は正攻法で勝つことは難しいですし、今回のミランの予想スタメンを見ても、おそらくは守備に重きを置きつつ、訪れた少ないチャンスをものにして最少得点で勝つというゲームプランなのではないかと。
序盤で何とか得点を奪い、カウンターに徹することができれば勝機は見えてくると思うので、とにかくどんな形でも良いので先制点を獲って欲しいと思います。
さて。ミランは2020年から未だに無敗という良い流れでダービーまで辿りついたわけですけど、思えば2019年も最初は無敗をキープし、8戦無敗(6勝2分。その2分もローマとナポリ)という最高の状態でミラノダービーを迎えました。
しかし、そこで敗北(2-3)を喫し、パフォーマンスもチーム成績も一気に下降したという苦い経験があります。
昨季のような体験はもう懲り懲りですし、今の好調を維持するために何としても勝って欲しい一戦です。
Forza Milan!