ミラン、放出選手まとめ 【2019-20シーズン/冬】
MILAN
— País do Futebol ( de 🏡) (@futebol_pais) 2020年2月1日
Quem saiu: Piatek (Hertha Berlim, €27 mi), Suso (Sevilla, empréstimo), Caldara (Atalanta, empréstimo), Ricardo Rodríguez (PSV, empréstimo), Pepe Reina (Aston Villa, empréstimo) pic.twitter.com/j97G2qX9j8
移籍先→アストンヴィラ
移籍形態→レンタル(6カ月)
1年半の間ミランの2ndゴールキーパーとしてピッチ内外で貢献してくれたレイナでしたが、今冬アストンヴィラへとレンタル移籍。
コストカットしたいクラブ側の思惑と、出場機会が欲しくなった選手側の希望が合致した形なのかなと。
というのも、レイナは先日のインタビューで以下のような発言をしています。
「去年、僕がミランと契約を結んだとき、彼らはドンナルンマを売却するつもりだと言っていたから、当初のクラブの計画では僕はスタメンだったはずだ。でも、それからジージョ(ドンナルンマ)は残留した。だから僕は彼を助けることに決め、彼の側で最善を尽くしたよ。」
財政的制約(FFP問題)を抱えているミランが300万ユーロもの年俸をセカンドGK(として構想している選手)に払うなど普通はあり得ないわけですが、レイナと契約を結んだ当時のフロントはあの伝説の迷コンビであるファッソーネ&ミラベッリ。
彼らならば上記の行動もあり得ない話ではないという疑念を個人的に抱いていたわけですが…。大方の予想通り、ドンナルンマ放出は既定路線だったようですね。
クラブ内のゴタゴタに巻き込まれ、当初の計画とは大きく異なる役割を任されながらもチームに尽くしてくれた彼には感謝ですし、移籍先でも頑張って欲しいですね。
ただ、ミランとの契約は2021年まで残っているため、とりあえずは今シーズン終了後に復帰する予定です。
○カルダーラ
移籍先→アタランタ
移籍形態→レンタル(18カ月。買取OP付)
ミランに1年半在籍し、公式戦に2試合(EL1試合、コッパ・イタリア1試合)出場。リーグ戦出場はなし。
移籍先では怪我なく出場できるといいですね。
○リカルド・ロドリゲス
Official Statement: Ricardo Rodríguez ⬇https://t.co/S8DQCTtFNc
— AC Milan (@acmilan) 2020年1月30日
移籍先→PSV
移籍形態→レンタル(6カ月。後に完全移籍)
ミラン移籍後、最初の2年間は不動のレギュラーとして左SBでプレーしていましたが、今季は新加入のテオ・エルナンデスにスタメンの座を奪われ出場機会が激減。
今季はここまでわずか5試合の出場(その出場もテオが離脱中の序盤戦がほとんどで、テオ復帰後はアタランタ戦での45分間のみ)に止まっていました。
ガンガンオーバーラップを仕掛けて左サイドを上下動し、積極的に仕掛けて崩しに絡んでいくことが求められる今の左SBだと、走力に欠けるロドリゲスは合いません。
また、ロドリゲス本人も今年のEURO2020参戦のために出場機会を熱望していましたから、双方にとって良い移籍だったのかなと。
しかし、問題は移籍金。
報道によれば、移籍金はレンタル料100万ユーロ+完全買取義務により追加で500万ユーロというのが内訳らしいですが、流石に安くないか?と。
今夏の市場価値は1500万ユーロほどだったと思うのですが…。半シーズンで多少下がったにせよ、1000万ユーロ位はあっても良かったのではというのが感想です。
○ボリーニ
Official Statement: Fabio Borini ⬇https://t.co/OmSXraFDH3
— AC Milan (@acmilan) 2020年1月14日
移籍先→エラス・ヴェローナ
移籍形態→完全移籍(フリー)
クオリティ不足ではありましたが、この2年半でトップ、ウイング、ウイングバック、サイドバック、果てはインサイドハーフと様々なポジションで文句1つ言わずにプレーしてくれました。
思えば若かりし頃は純粋なストライカーとして期待されていたわけで、その頃はまさかこうした選手になるとは思いもよりませんでしたね。
移籍先でのヴェローナではおそらくストライカーとしての起用が多くなると思うので、以前のような得点感覚を取り戻し、もう一花咲かせて欲しいです。
○スソ
Official Statement: @suso30oficial ⬇️https://t.co/viF7viz9Kl
— AC Milan (@acmilan) 2020年1月29日
移籍先→セビージャ
移籍形態→レンタル(18カ月。条件付き完全買取義務)
セビージャとの継続的な交渉が実を結び、スソは18カ月のレンタル+条件付き買取義務で移籍。
気になる買取義務の条件についてですが、報道によれば「セビージャがCL出場権を獲得すること」とのことですが、セビージャのディレクターであるモンチによれば「一定の選手成績+チーム成績による」とのこと。
報道を見るに、ミランフロントの要求は「完全移籍→買取義務付きレンタル→条件付き買取義務付きレンタル(条件は一定の出場数)→上記の条件」という変遷だったらしいので、最終的には相当セビージャ側に譲歩した内容と言えますね。
完全に足元を見られた交渉のため致し方ないとはいえ、買取が為されなかった場合は残り契約期間1年でスソがレンタルバックする事態に…。
22節終了時点でセビージャは4位(3位とは同勝ち点、5位とは2差)という上々の位置に付けているので、条件達成の可能性は今のところ十分にありそうですが…。不安です。
○ピョンテク
Official Statement: @pjona9official ⬇https://t.co/zIAwtoFP80
— AC Milan (@acmilan) 2020年1月30日
移籍先→ヘルタ・ベルリン
移籍形態→完全移籍
彼については前回の記事「ピョンテク、ヘルタ・ベルリンに移籍~納得と感謝~」で詳述したため割愛。
頑張って欲しいですね。
まとめ
今冬におけるミランフロントの移籍市場での動き(放出のみ)に個人的点数を付けるとすれば、90点(スソが完全移籍しなかった場合は60点)でしょうか。
というのも今回のフロントの動向を見るに、おそらく今冬の移籍市場の狙いは「来季に向けての下地作り」がメインであって、以下の2つの視点から考えると今回の放出にも合点がいきます。
まずは、コスパの良くない選手の放出。カルダーラ(年俸220万ユーロ)は上記の有様で、ロドリゲス(210万ユーロ)も今季は出場機会が激減し、現チームの戦術にも合っていない。
そしてレイナ(300万ユーロ)、ボリーニ(250万ユーロ)はベテランとしてチームのまとめ役にもなっていたため一概に言えませんが、それでもベンチウォーマーとしてチームに置いておくにはあまりに高額。
FFP問題に関するUEFAとの関係改善のためにも、今回の放出は必要な行動だったと思います。
もう1つは、戦術的に選択肢を限定する選手の放出。
スソはいうまでもなく扱い辛い(活躍が限定的な)選手であり、ピョンテクのプレースタイルも現チームの他選手との相性が良くなく、更に裏抜け特化タイプということで、戦術・フォーメーションによってはかなり使い所が限られる選手です。
そして、現監督のピオリが来季も続投する可能性は今のところかなり低く、かといって新監督も具体的には決まっていませんから、ひとまずは上記のような選手を放出し、どのようなタイプの監督の下でもある程度フィットし得る選手たちをベースにスカッドを構築するというのは理に適っているかなと。
そんなわけで、僕が今冬のメルカート開幕前に希望していた「スカッドの抜本的見直し」をフロントはおおむね遂行してくれましたし、その点で評価は高めです。
ところで。現在フロント(マルディーニ&ボバン)の去就が不透明なわけですが、個人的には是非とも続投して欲しいと思っているんですよね。
確かに、「監督選任」という最重要任務で下手を打った感は否めませんが、報道を見るに補強の目利きは凄く良いと思いますし(資金面で交渉が頓挫したケースが多数)、何より今季はファッソベリ時代の尻拭いに奔走していた印象が強いですからね
あんな人たちの尻拭いだけやらせてマルディーニ、ボバンのようなレジェンドを「また」使い捨てるというのは個人的に我慢なりませんし、前任者たちの不始末をおおかた片付け、ようやく本腰を入れられそうな来季以降こそが彼らの本当の能力を評価する時期なのではないかと。
報道通り、ラングニックが就任すれば彼らとはお別れでしょうし、ラングニックが監督兼ディレクターとして優秀な人物であるという話は聞き及んでいますが…。心情的に、どうしても納得し辛いものがありますね。