イブラヒモビッチ、ミラン加入が正式発表!~王の帰還~

ズラタン・イブラヒモビッチ
遂に、遂に、遂に…。
これまで何度も噂になり、その度に噂に終わったズラタン・イブラヒモビッチのミラン復帰が遂に実現しました。



契約期間は半年で、1年間の延長オプション付。報道通りであれば、延長オプション行使の条件はイブラが一定の個人成績を収めることのはずです。

そして、1月2日にミラノに到着してメディカルテストを受け、その後にチームトレーニングに参加。それと同時期に入団会見が予定されています。


僕は文才も語彙力もないので、まずはシンプルに感想を言わせていただきます。

本当に嬉しいですし、最高です。


「どのポジション・システムで起用するのか?」とか「果たして今でも通用するのか?」とか、確かにイブラ復帰に際して考えることは多く、いずれも極めて重要な話題のわけですが、はっきり言って僕の中でそれらは二の次です。

イブラヒモビッチが再びミランの選手としてロッソネロのユニフォームに袖を通し、ミランの為にプレーするというその事実こそが一番です。


少しクサい言い方をさせてもらうと、これは頭より先に心が喜ぶ移籍なんですよね。

ミランに来てくれたら無条件に嬉しい選手。僕の中でそんな選手は滅多にいませんし、最近で言えばカカが復帰した時以来の喜びです。


思えば11-12シーズンの終了後、インザーギ、ガットゥーゾ、セードルフ、ネスタを始め、ミランの黄金時代を築き上げた多数のレジェンドが一挙に退団し、チームは本格的な過渡期を迎えました。
本来であれば、イブラヒモビッチとチアゴ・シウバを新たなプロジェクトの中心に据え、ミランは名実ともに強豪クラブとしての地位を維持したまま再スタートを切ることができたのでしょう。しかし、2人は先のレジェンド達と時を同じくしてチームを離れ、現状はご覧の有様です。

この7年半の間に、ミランは多数のレジェンドOBを監督として使い捨て、多額の資金を浪費し、挙句に数々の不名誉な記録を更新して、往年の名選手が必死になって築き上げてきたクラブの誇りと伝統に大きく傷をつけました。いえ、今もなお傷つき続けています。

そんな中でのイブラヒモビッチの復帰は、やはり言葉では言い表せないほどの感動がありますし、彼ならば今のミランすら変えてくれるのではないかという期待感を抱かざるを得ません。



ただし、絶対に留意しておきたいのは、レジェンドであるイブラ一人に全てを任せることはできないということ。すなわち13―14シーズンの「過ち」を繰り返してはいけないということです。

少し振り返りますと、13―14シーズンはカカがレアルマドリーからミランへと復帰を果たした非常に意義深いシーズンでした。

かつての驚異的なスピードは見る影もありませんでしたが、テクニックとインテリジェンスの高さは健在。カカは孤軍奮闘を続け、シーズン前半戦に関してはチームMVP級の活躍を見せてくれました。

しかし最悪に近い組織レベルと戦術の中では、当時の彼が及ぼせる影響力にも限界があり、チーム成績は低迷。
後半戦は酷使の影響でカカのパフォーマンスもかなり下がり、最終的にチームは8位フィニッシュ。シーズン終了後、カカはMLSへと旅立ちました(直後にサンパウロへレンタル移籍)。


心情的にはもちろんのこと、戦力的にもカカの復帰は間違っていなかったと断言できるわけですが、肝心要のチーム成績が酷かった以上、これを成功と呼ぶことが出来ないのも否定できない事実です。


つまり僕が言いたいのは、「レジェンドが戻ってきただけで満足せず、レジェンドの存在を十分に活かせるようなしっかりとした組織・戦術・スカッドを作り上げないといけない」ということです。


確かにイブラヒモビッチは紛れもなくカンピオーネであり、今の彼に期待されるのも当然ながらチームの中心的な役割です。

もちろん僕もイブラには大いに期待していますし、中でも彼の持つ勝者のメンタリティ、練習への姿勢などは間違いなく今のチームに特大の効果をもたらしてくれると思っています。


しかしながら、ピッチ上においてはかつての支配者としての姿を求めることは流石に難しいわけで、今のイブラをそのままピッチ上に入れたとしても、劇的な試合内容の改善というのはほぼ不可能です。

彼を十分に活かすには戦術・システムの抜本的な見直しは不可欠ですし、「イブラヒモビッチ」という多くのミラニスタにとっての最後の希望に手を出した以上、そうしてもらわないと困ります。

何より現状のミランに復帰するという男気を見せてくれた彼に対しては、万全のサポート態勢を整えて然るべきですからね。



さて。今回のミラン移籍は、イブラヒモビッチという偉大な選手のキャリアの終着点になると予想されます。



そんな彼に課された最後のミッションは、「地に堕ちた、かつての世界最高クラブを救うこと」。実にイブラらしい、最後にして最大の挑戦になるでしょう。

この出来事が後に、ミランの歴史的転換点として語り継がれることを願ってやみません。

Forza Zlatan!!




最後に。コチラは56ゴールという、ミランでのイブラの「暫定」ゴール数がまとめられた素晴らしい動画です。
この感動と興奮を再び味わう瞬間が、今から待ちきれませんね!

12Comments

編集長ミツ

ユベンティーニですが、このニュースには熱くなりましたし、この文章からカカニスタ22さんの気持ちも凄く伝わりました。

次の対戦が楽しみです!

すくろう

今ここで正式発表を知りました!
すでにサッカー関連のニュースを検索する前にまずここを訪れるのが習慣になってます!
イブラのこの火中の栗を拾うがごとく行動には感謝しかないです。衰えがあったとしてもイブラはイブラ、彼のメンタリティだけは絶対に変わらないはず。晩説を汚した~なんて言われかねないこの選択を下した事自体がその証拠だと思います
特に若く才能のある選手が多いミランに於いてはその意味は大きいでしょう
ナイトクラブで憂さ晴らしたレオンの気持ちは良く分かりますがそういう選手にこそ影響を与えてくれるはずです。
イブラは数多くのクラブを渡り歩いた選手ですがその中でもミランにはちょっとだけ他より愛着を感じてくれてる気がしますねぇ…勘違いかもしれませんが…ミラノが気に入ってるのかな?
とりあえず年内に明るい話題があって良かった!

  • 2019/12/28 (Sat) 09:47
  • REPLY
カカニスタ22

カカニスタ22

To 編集長ミツさん

コメントありがとうございます!
『月ユベ』、本当に面白くて定期的に閲覧させていただいております。

>>この文章からカカニスタ22さんの気持ちも凄く伝わりました

そう仰って頂けると非常に嬉しいです!ミツさんのようなユーモアに溢れた文章は僕には書けないので、自分の気持ちを率直に書かせていただきました(笑)

次にユーベと当たる時までにはイブラを中心とした組織と戦術を確立し、最高のガチンコ勝負を見せてほしいです!

  • 2019/12/28 (Sat) 17:52
  • REPLY
カカニスタ22

カカニスタ22

To すくろうさん

コメントありがとうございます!

>>サッカー関連のニュースを検索する前にまずここを訪れるのが習慣になってます!

マジですか!是非ともその習慣を続けていただけると僕としては嬉しいです(笑)

仰る通り、この選択はイブラにとってかなりリスキーなものでしたし、それでもこうしてミラン復帰を決断してくれたというのは彼のフットボールへの飽くなき情熱と、ミラン愛に依る所が大きいと思います。本当に感謝です。

彼のメンタリティ、練習態度に触発される若手は多いでしょうし、中でもレオンのような特大の才能を秘めつつも素行に問題のある選手にとっては飛躍の大チャンスだと思います。
とは言え、このチャンスをモノにできるかは結局のところ本人次第です。心を入れ替え、ミランの次期エース候補としての自覚を持って欲しいと思います。

ミラノという街への愛着や、妻のヘレナさんの意向というのも復帰を後押ししたのでしょうが。最終的にはイブラのミラン愛に基づく決断だったと考えて良いのかなと。
高揚感に包まれたまま年越しできそうで良かったです(笑)

  • 2019/12/28 (Sat) 17:53
  • REPLY

パオロ

王様帰還!

ズラタン様は、簡単にクリアできない壁を求めるみたいですね。MLS挑戦も、自身に対する挑戦だったみたいだし。同じく超嬉しい、今年最後のビックニュースです!

そして、ミラン復権という超難題ミッションに向けて決意してくれたこと、すごーく嬉しい!感動!もちろん、今のミランの惨状を理解した上で決めてくれたと思うので、それもまた感謝!
ズラタン様が救いたいと思うのも、いまだにビッククラブの一つとして世界から思われているのも、レジェンド達が輝かしい歴史を作ったから!今の選手達はいつまでもその膝に乗ってるだけじゃなく、プライド持って闘って欲しいです!気持ちが緩んでたり、メンタル面で負けてたら、ズラタン様の檄が来ますよね。

  • 2019/12/28 (Sat) 21:07
  • REPLY

ビオラ

カカニスタさん、
56ゴール集、さっそく見せていただきました!
すごい、うまい、速い!
覚えてるゴールも沢山ありました。

イブラはきっとミラニスタなんだと思います!

  • 2019/12/28 (Sat) 21:15
  • REPLY

ぴょぴょぴょん

イブラはロナウドについて
「彼はユベントス移籍をチャレンジとしてるようだが、本当のチャレンジはセリエB降格時のユベントスに移籍して復活させるくらいしろ(自分がそっからさっさと脱出キメたのを棚に上げて)」
みたいなこと言ってましたけど、今のミランに来るのはそういう意味でもチャレンジですね。

もちろん試合で活躍してくれるのが一番ですが、マルチロールな活躍は流石にもう無理だと思いますね。
点取りに専念させるかチャンスメイクに専念させるかちゃんとしないと。
まあ点取りに専念させることになるでしょうか。
今のチームのままだとろくすっぽボールが前線に行かないので下がってきちゃうでしょうねぇ。
今のFW陣より下がってきての仕事も遥かにできると思いますが、そうならないシステムをピオリには見つけてもらいたいですね。

  • 2019/12/29 (Sun) 00:45
  • REPLY

Joie_de_Myao

個人的にはイブラ戻ってきたなら前線を2トップにして開幕当初の4-3-1-2に戻すべきじゃないかと思います。
前線でボールを収め、タメを作ってラストパスを出せるイブラがいれば本来は決定力が持ち味のピョンテクやセリエ内に侵入してラストパスを合わせるのが上手いボナベンを活かせるんじゃないかと。
あとはイブラに代わって他の選手がいかに走れるかでしょう

  • 2019/12/29 (Sun) 08:40
  • REPLY
カカニスタ22

カカニスタ22

To パオロさん

コメントありがとうございます!

MLSでもタイトルこそ獲れませんでしたけど、しっかりと個人成績は素晴らしいものを残していますからね。
(おそらく)キャリア最後の挑戦にミランを選んでくれたのは本当に嬉しいですし、ミランフロント陣は彼の男気に応えるサポートをしなければなりませんね。

仰る通り、ミランというクラブが今なおビッグクラブとして存在しているのはかつてのレジェンド達の尽力あってのことですし、現選手たちには今一度そのことを再認識した上で、新しい歴史を作り上げる位の気概をもってプレーしていただきたいですね。
その点、イブラにはメンタリティの面で何の心配もいらないですし、若手選手たちにもどんどん檄を飛ばしてもらいましょう(笑)

  • 2019/12/30 (Mon) 00:00
  • REPLY
カカニスタ22

カカニスタ22

To ビオラさん

コメントありがとうございます!

素晴らしいプレーの数々ですよね。
どんな試合展開であっても1人で流れを一変させるだけの力がかつての彼にはありましたし、決して動じることのない素晴らしいメンタリティを備えていました。
後者については今でも不変でしょうから、今回もメンタル面でチームの支えになって欲しいですね。

これまでも度々ミランについては愛を感じるコメントを残してくれていましたし、今回の一件からミランに愛着を持ってくれているのは間違いないでしょうね。有り難いことです。

  • 2019/12/30 (Mon) 00:01
  • REPLY
カカニスタ22

カカニスタ22

To ぴょぴょぴょんさん

コメントありがとうございます!

ロナウドへの発言はだいぶ挑戦的でしたねー。
個人的に、あの歳でセリエAに初挑戦することは十分にチャレンジに相当すると思います。
まぁしかし、イブラもその後に現状のミラン復帰という完全なる挑戦に臨むわけですから凄いですよね。優劣を付けるつもりはありませんが、有言実行のイブラは本当にかっこいいと思います。

現在のイブラの状態について明るい方のお話を聞く限り、今のイブラに期待される戦力的な役割は仰る通り点取りでしょうね。
1トップでボールキープ&ポストプレーというのは難しいと思いますし、2トップはマストでしょう。その上で、中盤以下をどのように構成していくのか…。ピオリの腕の見せ所ですね。

  • 2019/12/30 (Mon) 00:02
  • REPLY
カカニスタ22

カカニスタ22

To Joie_de_Myaoさん

コメントありがとうございます!

4-3-1-2はやはりロマンがありますし、イブラが復帰してきた今、十分に考慮に値するシステムだと思います。
懸念材料があるとすれば、今のイブラのコンディションというか実力がセリエA基準でどれほどなのか未知数な点と、中盤の守備力とトップ下の人選ですかね。

優秀なアンカーないしインサイドハーフを獲得でき、かつイブラの状態が良ければ非常に有効なシステムだと思います。後は仰る通り、どれだけイブラの体力的な問題を全員でカバーできるかですね。

  • 2019/12/30 (Mon) 00:03
  • REPLY