レビッチは苦境から抜け出せるか

アンテ・レビッチ
今夏、2年間のレンタルでミランへと移籍してきたアンテ・レビッチ。
当初は目玉補強の1人だったわけですが、ジャンパオロ前監督は彼を信用することなく、わずか3試合に途中出場させるだけに終わりました。

その後、監督がピオリに代わり、レビッチにとって状況は好転するかに思われましたが、ベンチをあたためる日々が続いています。

レビッチここまで通算7試合に出場しているものの、出場時間はわずか178分。
先発は1試合のみですが、それもスソが試合直前に負傷したことによる緊急出場であり、ポジションも本職とは言い難い右ウイングでの起用でした。

こうした扱いに対し、本人は当然ながら納得は言っていないでしょうが、クロアチア代表監督であるダリッチもその一人だとのことです。
先日のインタビューにて、ダリッチ監督は出場機会を得ることの重要性を強調。来年にはEUROが控えており、そのためにも良好なコンディションを保つことをレビッチ・ラキティッチといったクラブチームで苦戦中の主力選手に求めました。

当然本人も自覚しているでしょう。しかし現状のレビッチの序列は、ここまでのピオリの起用法を見るにかなり低いと言わざるを得ません。

左サイドについては当初チャルハノールが不動の地位を築き、そこに復調を果たしたボナベントゥーラが割って入ってきたという構図。
右はスソがファーストチョイスで、ラツィオ戦を振り返るに2番手はカスティジェホ。
そしてトップはピョンテクとレオンが争っている状況ですから、いずれのポジションにおいても3番手以下というのが現状のレビッチの評価なのかなと。

そしてこうなってくると、出場機会を得るためには移籍するというのが最も手っ取り早い方法になるとも考えられます。

例えば同僚のロドリゲスもスイス代表としてEURO本戦に出場することが極めて有力視されているわけですが、現在クラブではテオに完全にポジションを奪われ、ベンチをあたためる日々が続いている状況ですので移籍が濃厚となっています(資金を捻出したいというクラブ側の事情もあるでしょうが)。


しかし、レビッチの場合は移籍が極めて難しい。
というのも彼は今シーズン、ミランに移籍する前にフランクフルトで公式戦に出場しており、その後移籍したミランでも先述の通り7試合に出場中。

つまり、既に今シーズン2つのクラブでプレーしているので、ルールにより3つ目のクラブに移籍したとしても今シーズン中は出場できないんですよね(アメリカとか中国とか、欧州リーグの日程と異なるタイムスパンのリーグへ移籍するのであれば可能らしいですが、現実的ではない)。

残る方法としては、ミランが残り1年半のレンタル期間を打ちきり、フランクフルトへ戻ることですけど、これもまた現実的ではない。
それに今夏の移籍は、レビッチ獲得と同時にアンドレ・シウバをフランクフルトにレンタルで放出するという実質トレードの形でしたから、通常のレンタル移籍よりも複雑な形態ですしね。


そんなわけで、今季のレビッチに実質的に残された選択肢はミラン残留しかないと。
先述の通り、序列は今のところかなり低いと考えざるを得ませんし、このままだと厳しいですけどね。

いっそのこと2トップにでもして、前線でレオンと組ませたりしたら面白いんじゃないかと思うのですが、ここ最近の采配を見るに全くもって現実的ではありません。


まぁ何にせよまずは、コンディションを十分に戻すところからですかね。
一部ではオーバーウェイトじゃないかと囁かれていますが、キレのない動きを見るに然もありなんという印象ですしね。

得点力不足に喘ぐチームの現状を考えるに、ふとした時にチャンスが訪れてもおかしくはありませんし、そうした時に結果を残せるよう万全の準備を整えて欲しいですね。

0Comments