アレクサンダー・メルケル ~ミランが輩出した天才を振り返る~
その名もアレクサンダー・メルケル。僕がかつて大いに期待を寄せた選手の1人です。
El juego de "Olvidé completamente que jugó en el Milan"
— World AC Milan. (@WorldACMilan) June 24, 2019
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Alexander Merkel. pic.twitter.com/9PGmA0lWHf
そこで今回は、どうしてもメルケルについて振り返りたくなったので、彼の来歴やプレースタイルについて書いていきます。
全くもって時事的ではないですし、120%自己満足のための記事ですが、どうかお付き合いいただけたらと思います(笑)
当時は中盤に負傷者が続出していたこともあり、昇格から間もなくしてトップチームデビューを果たすと、リーグ・CL・国内カップ戦合わせて10試合に出場。
そんな彼の持ち味は、何といってもボール運びの上手さ。
精力的なフリーランニングでスペースに走り、適切なポジションでボールを受け、シンプルに散らすことでリズムを作り、円滑なボール回しに大きく貢献できる選手でした。
往年のミランの選手で例えるならば、(ボール運び役を課された時の)セードルフに近いプレースタイル。無論、ラストパス・シュートの精度、ドリブル、キープ力等は彼のレベルに遠く及んではいなかったものの、リンクマンとしてのプレーの質はおよそトップチーム1年目の選手とは思えぬ高さを誇っていました。
彼に関し、僕が今でも鮮明に覚えているのが、コッパ・イタリアのバーリ戦でのプレー。
イブラヒモビッチやカッサーノ、ロビーニョ等トッププレーヤーが顔をそろえる中で物怖じすることなく堂々たるプレーを披露し、1ゴール1アシストを記録。
チームの勝利に大きく貢献してくれました。
(※ざっと調べたところ、おあつらえ向きの動画があったのでご紹介します。バーリ戦におけるメルケルのプレー集です)
しかし、翌シーズンはジェノアに共同保有の形式だかなんかで移籍。エル・シャーラウィ獲得のためだったと思いますが、とにかく放出されてしまいました。
確かに当時のミランの中盤は(怪我人がいなければ)質も量も十分過ぎるほどに揃っていましたから致し方ないとはいえ、かなりショックでしたね(当時はそれ以上にピルロ放出のショックがデカすぎて、相対的に悲しみは薄まりましたが)
新天地ジェノアでも継続的に出場機会を得ていたメルケル君でしたが、同シーズンの冬の移籍市場にてまさかのミラン復帰を果たします。
OFFICIAL: ALEXANDER MERKEL RETURNS TO @ACMILAN!! #BenvenutoMerkel pic.twitter.com/oaVBRQKl
— FORZA MILAN! (@Altaqui) January 17, 2012
当時のミランは昨季に引き続いてまたしても中盤に怪我人が続出したため、やむを得ず彼をレンタルバックしたわけですが、振り返るとここが彼にとってのターニングポイントだったかなと。
というのも、ミラン復帰間もなくしてメルケルは右膝靭帯の損傷により長期離脱。結局のところ、ほとんど試合に出ることなくシーズンが終了してしまいました。
翌年からジェノアに再び戻ったわけですが、今度は出場機会を得られずに他クラブに移籍。それからは各地を転々とする日々が続き、いつしかその名が話題に上ることはめっきりと減っていってしまいました。
現在は、オランダのヘラクレス・アルメロというクラブで主力選手として活躍しているメルケル。
もちろん十分に凄いことではあるのですが、トップチームデビューを果たしたあの頃の将来性を思い返すと、当初の期待通りのキャリアとは言えないのではないかと個人的に思ってしまいます。
もしも11-12シーズン、怪我なくプレーを続けて結果を残せていれば…。来る翌シーズン、レジェンド達が大量に退団したミランにおいて絶対的な地位を確立し、新星ミランの中心選手の1人として今もプレーし続けていたんじゃないかと。
僕は彼には大きな期待を寄せていただけに、どうしてもそのような「たられば」を考えてしまいます。
ただ、メルケルもまだ27と決して老け込む歳ではないですし、今後も頑張って欲しいと切に思います。
同時に、ミランの下部組織からまた彼のような才能溢れる若手が出てきてワクワクさせて欲しいです。
個人的に、今はブレッシャニーニに逸材の気配を感じるので密かに期待しています(笑)
最後まで読んでいただきありがとうございました。