ユヴェントス対ミラン 【セリエA第12節マッチレポート】
スタメン

前日の予想スタメン通りのスタメン。
○前半序盤戦の攻防
ミランの守備陣形は4321。
チャルハノールとスソが内に絞り、「ピヤニッチへのマーク」と「DFラインへのプレス」の2つの役割を分担。そうして中央のパスコースを封鎖し、サイドにボールを誘導します。
そしてサイドに追い詰めたらウイングが中央へのパスコースを切りつつ、同サイドのインサイドハーフ、SBが猛プレスをかけて奪いにかかるという形。
対するユーヴェはサイドで起点を作り、ミランCBやインサイドハーフを釣りだしたことで生じたスペースに選手がダイアゴナルに走り込んでいき、チャンスを作る。
要はサイドで囲い込まれる前に、スピーディーにパスを回して空いたスペースを突こうというもの。
サイドの深い位置は、主にトップ下のベルナルデスキと2トップ(ロナウド)が流れて使う。
そして2度、この形でイグアインが抜け出して惜しいチャンスを作りました。
○前半中盤・終盤戦の攻防
ユーヴェは2トップがサイドやライン間に流れ、パスコースを作っていたときは良かったものの、中央に留まり出してからはあまり良くない。
インサイドハーフのベンタンクールやマテュイディがサイドに流れ、パスを受けるもそこで詰まり、前進に苦戦するシーンが目立ちます。
もちろんミランの守備組織が機能し、選手個々のパフォーマンスも良かったというのも要因の一つですけどね。中盤3枚は前節同様に守備に奮闘しますし、今日はコンティも安定していますし。
それにロマニョーリを中心とする見事なDF陣のラインコントロールで裏に抜けさせないですし、リトリート後も両ウイング(実質シャドー)がそのまま下がるので、中央はかなり固い。
しかし、ミランもせっかくボールを奪えてもカウンターにはほとんど繋げない。
スソが尽く流れを止めるし、その他のメンバーに関しても組み合わせ的にロングカウンターは機能し辛い。
というわけで主にポゼッションで、主に左サイドから攻めるミラン。
左サイドではテオ、クルニッチ、チャルハノールの連携から崩しを図り、右サイドではスソのサイドチェンジやコンティのオーバーラップからチャンスを作る。
そんな感じで、チャンスを作っていくミランでしたが決定機と呼べるシーンは少なく、スコアレスのまま前半終了。
後半
○後半序盤戦の攻防
前半と同様の立ち上がり。
ユーヴェはロングカウンターからチャンスを作りますが、決定機とはいえず。
55分、ロナウド→ディバラ
コンディションが非常に悪く、らしくない酷いプレーでしたしね。
ディバラならサイドで起点を作ることも、ライン間で受けることもできるでしょうから非常に厄介です。
交代直後、早速ディバラのパスからチャンスを作っていく。
○後半中盤・終盤戦の攻防
61分、クルニッチ→ボナベントゥーラ
イエロー貰っていますしね。
そのままクルニッチの位置に入るかなーと思いましたが、どうやらトップ下に入り、チャルハノールが左サイド寄りに下がる。無理矢理システム表記するなら、4-2-3-1に近い感じかなと。
ピヤニッチに対し、マークを常に付けるためでしょうかね。
61分、ベルナルデスキ→コスタ
これでユーヴェは4―3―3にするのかと思いきや、4―3―1―2継続。
左サイドに起点を作られる方がヤバそうだったので、ミランとしては助かりました。
ミランは基本的に4-3-2-1でコンパクトに守っていたので(ボナベン投入後は多分4-4-1-1で守りたいのでしょうが、スソの戻りが遅いため)、サイドで囲い込んだときは逆サイドが空いていますし、そこへサイドチェンジでボールを入れられてコスタと1対1なんて状況にはなりたくないですしね。
66分、ピョンテク→レオン
勝負に出ましたね。
レオンにはそろそろ結果を出して欲しい所。
70分、マテュイディ→ラビオ
負傷交代。
試合内容に戻りますが、ミランは体力的にキツくなってきたことに加え、速攻の応酬になってきたため中盤のスペースが空き始める。
また、トップ下を置いた分中盤の枚数は減りますし、スペースの管理はベナセルもパケタもそこまで上手くないため(守備は滅茶苦茶頑張っていますが)、ちょっと不味いかも。
それに、70分過ぎ辺りからユーヴェはコスタを左に置き、4-3-3に変更。
スソの戻りが緩慢(かつ中央寄りにポジショニング)なのでミラン側右サイドはスペースが空きがちですし、それを狙ってのことか。
これによりミランにとっては相当キツいことに。
すると77分、そのコスタのカットインを起点に、最後はディバラがネットを揺らしてユーヴェが先制。
その後は攻勢を強めるミランと、それにより空いたスペースを使ってコスタが躍動し始めるユーヴェという構図。
ミランは人数をかけますが、結局崩せないのでエリア外からのミドルシュートが増えていく。
レオンは周囲にあれだけ敵味方入り混じってスペースを消されていたら活きませんね。元々一瞬の動き出しで勝負する選手じゃないですし。
ただ、プレーに継続性(動き直しの数とか、トランジションの速さとか)がないのはどうかと思いますが。
ボナベントゥーラも、未だコンディションが戻っていないのか緩慢な動きに終始。
途中から入った選手の効果の差をまざまざと見せつけられるとは…。
85分、パケタ→レビッチ
凄まじい運動量と守備貢献でした。
その後、レビッチの仕掛けから何度か惜しいチャンスを作りますが決定機には至らず。そのまま試合終了。
ユヴェントス1-0ミラン
○雑感
「比較的良いパフォーマンスを披露するミランが攻めあぐねている内に、ユヴェントスに点を取られてそのまま敗戦」という去年の試合展開の焼き直しのような試合でした。
これで直接対決9連敗……、何とも悲しい状況です。
内容的には前節ラツィオ戦と同様に攻守にアグレッシブに仕掛け、狙い通りの形でボールを奪えていただけに、問題はその後の局面。すなわちカウンターの精度の低さをどうにかしないといけません(まぁこの問題に関しては今に始まった話ではなく、もうずーーーーっと前からですけどね。)
パケタが徐々にピョンテクの動きを理解し始め、シンプルに裏へと1本のスルーパスを出すようになってきたのは良い傾向ではありますし、今節はその形からチャンスも作れていましたが、これだけでは物足りないのも事実。
練習を重ねることによる連携面の向上ももちろん重要ですが、メンバー選考も含めもう少し抜本的な変更が必要な部分だと思います。
一体いつになったらまたミランで美しく組織的なカウンターが見られるのか…。
さて。代表ウィークを挟み、数週間後となる次節に迎える相手はナポリです。
彼らは現在チーム状況がよろしくなく、内紛が起きているなんて話もまことしやかにささやかれています。
それでも非常に手ごわい相手に変わりはありませんし、何よりミランはサスペンションによりベナセルとチャルハノールを欠いて臨まなければなりません。
しかし、チームが勢いに乗るためには、こうしたビッグマッチでの勝利というのは非常に重要です。
この一戦がターニングポイントとなることに期待します。
Forza Milan!
いつもより手抜きで申し訳ございませんが、最後まで読んでいただきありがとうございました。