ローマ対ミラン 【セリエA第9節 マッチレポート】
スタメン

前回と同様のスタメン。
おおむね納得ですが、コンティ?
攻撃時はビリアをDFラインに下げ、両サイドバックをガンガン上げるつもりなのでしょうか。
前半
※画像とその注釈、及びリンク以外の部分については、試合中に書いたメモをそのまま載せています(※キャプチャ画像の映像引用元はいずれも『Dazn』)。
○前半序盤・中盤戦の攻防
攻撃に関しては前回とおおむね同様の戦術のミラン。
詳しくは前回のマッチレポートを参照していただきたいのですが、簡潔に言うと
・左ウィングのチャルハノールが内に絞り、空いたサイドのスペースをテオやレオンが使う
・右SBコンティの上りは控えめで、スソはサイドに張る
・パケタがバイタルエリアに駆け上がる一方で、ケシエの上がりは控えめ
・主に左サイドからボールを運んでいき、ドリブルと素早いパス交換で崩していこうとする
・無理矢理システム表記すれば「3-2-4-1(3-2-2-3)」
一方で守備に関してはハイプレスと、ディレイ+リトリートの併用。
今の(前回の)脆弱な守備組織によるプレス一辺倒ではすぐ裏を突かれてやられかねませんしね。前線の選手(特にチャルハノールとパケタ)は相当疲れそうですが、どこまで持つか。
一方のローマ。詳しくはローマサポの方のレビューにお任せするので、守備に関して少しだけ(ミランの攻撃に大きく関わってくるため)
彼らの守備の狙いは、ミランのストロングポイントである左を使わせないというものかと。
まず1トップのジェコ、左サイドのペロッティ、右インサイのパストーレが3人近い距離で中央を固めつつ、ボールをサイドに誘導。
そして右サイドのザニオーロがテオ(今のミランのボール運びのキーマン)のマークに付き、彼にボールが渡っても中盤がギュッとサイドに絞り、スペースとパスコースを消すという形でミランの前進を妨害。

――ロマニョーリ(黄)がテオ(赤)へとボールを送るシーン。ローマは先述の3人で縦のパスコースを切り、ザニオーロ(青)はテオをマーク

――その直後のシーン。ザニオーロがテオにプレス。その背後では中盤のマンチーニとヴェレトゥ(白線)が近い距離間を保ってスライドし、パスコースとスペースを消す。
前節はテオの前方のスペースが空いていたので、彼がドリブルでボールをガンガン前へと運べましたし、それによりスピーディーな攻撃を実現していたわけですが、今回のようにスペースがないと流石の彼でも難しい。
そういうわけで、ミランとしてはやむなく右サイドから攻めるか、空いている逆サイドへのサイドチェンジというのが主な攻撃ルート。
右SBコンティからの前線へのロングボールや、主にケシエによるサイドチェンジが目立つのはそういう理由でしょうね。

――コンパクトに守るローマに対し、ケシエ(緑)がサイドチェンジを選択したシーン。逆サイドのペロッティ(桃)がここまで絞って守っている
しかしケシエのサイドチェンジの精度は良くないですし、コンティのロングボールも同様。
加えて相変わらずミランの右は酷いため(パケタとスソが合ってなさ過ぎる)、攻めあぐねる展開が続きます。
14分の、パケタが裏へ抜け出してネットを揺らした(オフサイド)シーンがここまでで唯一の決定機らしい決定機でしょうか。
○前半終盤戦の攻防
両チームともにポゼッション時はグダる一方で、カウンターからチャンスを作っていく。
ミランは、今回のような試合展開ではケシエ、ビリアの(実質)ダブルボランチは相当厳しい。前述のようにサイドは封じられている(&機能していない)ためシンプルにサイドにボールを叩いてもあまり意味はないし、2人とも受け方が良くないためパスもほとんどスムーズに繋がらない。
34分、テオのサイドチェンジからスソがシュートを撃つも真正面。
37分、ザニオーロの強烈なロングシュート。ドンナルンマがセーブしCKに逃れる。
しかし38分、そのCKからジェコに決められローマが先制。ケシエ…。
続く42分、コンティのボールロストからショートカウンターでミランが大ピンチを迎えましたがドンナルンマが超スーパーセーブ。ドンナルンマ凄すぎる。
前半終了。
後半早々の修正は不可欠かと。
言う間でもなくカラブリア、そしてボールを運べるベナセル、また得点能力と縦へのスピードに期待してレビッチ、この辺りは最低でも1人すぐに入れて欲しい。
レオンを右に回すならピョンテクでももちろん良い。
この運動量で90分持つとは思えないため、何としても早々に同点弾、出来れば逆転弾も欲しい所です。
後半
○後半序盤戦の攻防
まさかの交代なし。
戦術修正としては、一見ミランは左だけでなく右からも攻めようとする意図があったのかなと。微妙ですが。
一方ローマは、ザニオーロがより内に絞ってケシエにも付くようになり、更に中央を固めるようになりましたかね。
ビリアとケシエのダブルボランチ相手なら、スペース消してプレスかけときゃ勝手にミスるだろって感じですかね。
そして狙い通りか、早速ビリアの軽率なパスミスを誘って敵陣深くでファールをゲット、その流れから惜しいチャンスを作るローマ。
52分、コンティ→カラブリア。当然の交代ですし、52分遅い。
すると交代直後の55分、カラブリアのクロスからテオが決めてミラン同点!!
しかし59分、カラブリアの自陣深くでのパスミスから最後はザニオーロに決められローマ勝ち越し。
こういう下らない失点をしてたらもうどうしようもないです。
○後半中盤・終盤戦の攻防
63分。パケタ→ピョンテク。
レオンを左、チャルハノールをトップ下(右サイド高め)に置いた4-2-3-1に変更。
サイドであまり起点を作れず、レオンが上手くサイドに流れらない状況でしたからピョンテクを入れること自体は良い変更だと思います。
しかしなぜスソを残す…。右レオン、中央パケタ(ただしパケタも調子良くない)、左チャルハノールの2列目じゃダメなのか…。
70分、CKからマンチーニがドフリーでヘッド。惜しくも枠外。
72分、ビリア→ベナセル
レオンとピョンテクに向けたロングボールを増やしていくミラン。
ただしラインが下がっているためクリアボールを中々拾えず二次攻撃に繋げられないし、流動性も消失。
もっとベナセルにボールを集めれば良いと思うんですけどね。
81分、テオのミスからザニオーロに決定機を迎えられるもまたしてもドンナルンマがスーパーセーブ。
88分、ピョンテクの見事な動き出しから最後はチャルハノールがシュート。しかし枠外。
ミランが攻勢を強め(というかただひたすらテオが頑張る)、押し込んでいきますが決定的チャンスは作れず。
そのまま試合終了。
ローマ2-1ミラン
○雑感
※すみませんがいつもより多めに愚痴ります。あらかじめご了承下さい
2-1で敗戦。
1失点目はまぁギリ許せるレベルとしても、2失点目は完全に下らないミスによるものですし、こんなミスしてたらそりゃあ負けますよ、と。
自陣でのミスはこれだけじゃありませんでしたし、ドンナルンマじゃなければ最低もう1失点はしたはずですしね。
ですので監督は気の毒ですし、これを理由に叩かれるというのは不当だと思います。
しかし、いくつかの点で疑問を感じたのも事実。
まず、前節に引き続いてのコンティ先発起用。わずか52分で、怪我もしてないSBをそのまま同ポジションの選手に代えるというのは明らかに交代枠の無駄使いです。
そもそも前節の時点で酷いプレーだったのになぜ起用するのかと。
続いて、議論を呼びそうなのが中盤の構成でしょうか。
(実質)ダブルボランチのケシエとビリアによる攻撃のクオリティが皆無なのは承知の上で、守備面を考えた上での起用(ケシエは守備範囲だけで、守備技術は高くないですが)だとは思うのですが、その場合シンプルに攻める必要があります。
しかしこの試合(特に前半)ではストロングポイントの左サイドを上手く抑えられてしまい、ゲームメイクのできない2ボランチでは攻めあぐねる展開になりました。中央も固められていましたしね。
それでも右サイドが機能していれば話は別でしたが、スソとパケタがあの体たらく。
この2人は昨季からまるで合っていないですし、この2者択一を迫られた場合にパケタを外すのも何だかなぁと。
そもそも縦に速いサッカーをしたいのだから右サイドは順足の選手を置くというのもアリなのではないかと。レオン(か出来ればレビッチ)を途中からでも右に置くという選択肢はピオリにはないんですかね?
まぁそれでも(コンティ以外の)スタメンに関しては個人的に納得していたんですけどね。就任して間もないですし、一定のパフォーマンスを見せた前節のメンバーを極力弄りたくない気持ちもわかります。
しかし、前半の内容を受けての後半の戦術修正に関してはやや不可解でしたし、もう少し上手くやって欲しかったというのが個人的な感想です。
もちろん、ピオリに対しての信頼感はまだ十分にありますし、流石に次節は多少スタメンを弄ってくると思うので期待しますけどね。
さて。そんな次節の相手は暫定19位のSPALです。
ホームで16位のレッチェと引き分けた今のミランが侮っていい相手はもはや存在しませんが、その後の3連戦(ラツィオ、ユヴェントス、ナポリ)を考えるとやはりここでは必ず勝利を収めて欲しい所です。
Forza Milan!
最後まで読んでいただきありがとうございました。