ジェノア対ミランの雑感

セリエA第7節、ジェノア対ミランの一戦は、1-2でミランの勝利に終わりました。

試合展開については、こちらのツイートが非常にわかりやすく整理してくれているので、未視聴の方でもこちらをご覧いただけると試合の荒れっぷりが良く分かると思います(笑)



僕は前回のプレビュー記事で「内容云々よりまず勝てば良い」という話をし、実際に勝ってくれたわけなので、今回は特に不満は書きません。
「勝った試合は褒める」というのが基本的なスタンスでもあるので。

かといって、そうなると取りたてて書くこともなくなるため、今回は話題を絞って良かった点をポツポツと書かせていただきます。

まず、ラファエル・レオン。
後半からピョンテクに代わって1トップで出場し、素晴らしいパフォーマンスを見せてチームの勝利に貢献してくれました。

ドリブルでのボール運び、ワンタッチパスの意識と判断(精度はもう少し)、テクニック、いずれも素晴らしかったです(ジェノアの守備が緩々だったのもありますし、まだ成長の余地はあると思いますが)。


正直なところ、もっと早くレオンの1トップをやってくれよと思わなくもないわけで、最低でも今節からは前半早々にやるべきだと思ったんですけどね。

まぁかなり好意的に解釈すれば、未だ90分はもたないレオンを前半は温存し、後半に勝負をかけるつもりだったのでしょうかね。あと、久々先発のボナベントゥーラを先に慣れさせてから、後半にこの2人の連携で崩すという思惑があったのか。

仮に上記の推測が事実だとして、実際にある程度の効果はあったと思いますしね。

まぁそうは言っても流石に次節からはレオンが1トップで先発だと思いますし、(システムを変えないならば)是非ともそうして欲しいところです。



ピョンテクについては、はっきり言って現状はベンチ行きが妥当なところじゃないでしょうか。
昨季後半戦のチームを、その圧倒的な決定力で何度も窮地から救ってくれたのは間違いなく彼ですし、そんな彼を思い返すと悲しいものがありますが、戦術に合っていない以上はこういう扱いも致し方なしかなと。

監督が交代し、戦術がガラッと変わったことで出場機会を失うなんてことはザラにあるわけで、それは昨季後半戦のエースストライカーとて例外ではないということかなと。

まぁしかし、もう1人明らかに実力を発揮し切れていない選手がいるように僕には見えますが、その選手は監督から今日も元気に絶賛されているので今後もスタメン起用されるのでしょうけどね。



続いて、ボナベントゥーラ。



本日は349日ぶりのスタメン復帰だったそうですが、左ウイングとしてまずまずのプレー。
ですがウイングといっても、内寄りでのプレーが目立ちました。


bandicam 2019-10-06 14-12-36-992
――コチラが本日ジェノア戦におけるボナベントゥーラのヒートマップ(左攻め。『WhoScored』より)


レオンインテル戦ヒートマップ
―― 一方でコチラが、4節インテル戦におけるラファエル・レオン(左ウイング)のヒートマップ(同上)


少し見にくくて恐縮なのですが、2つを見比べるとボナベントゥーラの方がより内側でボールタッチしていることがおわかりいただけると思います。

レオンも結構内に入ったりしたとはいえ、基本的に左ウイングの時はサイドに張って1対1を仕掛けたりするシーンが目立ちましたが、一方でボナベントゥーラはより内に絞ってプレーしている印象でした。

僕はボナベントゥーラを中盤の選手だと思っていて、基本的にウイングでプレーさせることには否定的なのですが、今回のようにプレーさせるのであれば別段不満はありません。

そして今後も後半のようなメンバーで臨むのであれば、ウイングのボナベントゥーラ、トップのレオン、インサイドハーフのパケタ等が上手く絡んで中央突破できるシーンというのが増えてくるのではないかなと。SBはテオがいるので、幅は取れますしね。

この試合でもボナベントゥーラとレオン、パケタが絡んでチャンスを作るシーンがありましたし、時間と共に成熟していければ華麗なパス交換からの突破が見られそうです。

色々と攻守においてまだまだとは言え、ようやく一筋の光明が差した感じがします。



最後に、レイナ。
ドンナルンマが体調不良(嘔吐したらしい)で急遽スタメンから外れ、緊急起用となったレイナでしたが、前半40分にシェーネの素晴らしいFKにより失点。
しかし、その後1-2のミランリードで迎えた後半終了間際のPKをストップする値千金の活躍により、チームの勝利に大きく貢献してくれました。

彼のようなベテランが後方に控えているのは心強いことだと再認識しましたし、今後も若いチームをまとめ上げて欲しい所です。



・・・シンプルに短くまとめるつもりだったのが、何だかんだ長文になりました(笑)
やはりどんな形でも勝利は嬉しいので、自然と色々書いてしまいました。


さて。ひとまずはこの勝利によりジャンパオロの首は繋がった(多分)わけですが、今後に向けて改善すべき点が山積みなのも事実。

この代表ウィークでも多数の主力選手が各代表に選出され、チームを離脱するため十全な準備を行うことはできないとは思いますが、それでも内容を改善するための絶好の機会であることは間違いないと思います。

11月からは強敵との3連戦(ラツィオ、ユヴェントス、ナポリ)も控えていますし、この時までにはチームとしてのある程度の確固とした形を作り上げて欲しいと思います。


Forza Milan!

最後まで読んでいただきありがとうございました。

10Comments

名無しのミラニスタ

審判ゲーでしたね
内容自体は降格圏同士の戦いと言った感じで何とも言えませんわ
レッチェ戦終わると上位陣達との地獄ロードになるのでレッチェ戦落とすのだけは勘弁して欲しい
ここら辺で連敗すると本格的に降格争いに足を突っ込んでしまう恐れがある
レッチェとSPALには絶対勝って後はもう神頼みですな祈るしかない
ローマ、ラツィオ、ユーヴェ、ナポリ、勝てないにしてもせめて引き分けれたらいいんですけどもね

ミラネスタ

新生ミラン

こんばんは。
結果オーライでしょうか。
レオン&ドゥアルチが可能性を見せてくれ、何より勝利という結果を出せたことが一番だと思います。
正直、これから待ち受ける強敵を相手に若さでぶつかってほしいです。
私としては引き分けねらいでそれ以上の結果を得られるようなチームには見えず、むしろ『肉を切らせて骨を断つ』『ただでは負けぬ、腕一本はもらう!』くらいのハートがなければ、これからの苦境に屈してしまうような気がして。
若さ故のミスはあっても、若さにしかないがむしゃらな気持ちを期待しています。
かつてのガットゥーゾがそうであったように。サレルニターナから移籍した当初は気持ちだけの選手でしたが、最後までその熱い血を持ち続けながら、チームだけでなく、代表までも鼓舞し、選手一人ひとりの限界を引き出すまでの選手であったように。ピルロもガットゥーゾを傍らに置くことで大成できたのだと思います。
たとえガットゥーゾがいなくても、そのハートを選手全員が持つだけで何かしらの収穫は得られるのではないかと思います。カードコレクター的になってきましたが、個人的にはカラブリアにはかなり期待しています。
カカニスタさんの予想が的中したのが嬉しいです。しかも逆転で!
トーナメント方式で前進してほしいです。
FORZA MILAN !!

諭吉

レイナ良かったですね‼︎控えキーパーの鏡のような活躍でした。PKストップ後も切り替えが早くやっぱ頼りになります。FKの失点後も乱れない精神も流石でした。

あとは本当 毎回気になる点が一緒で改善されないな。。。。と 笑
変な話ですが上位との対決の方が、カウンターでの得点で良いサッカーが出来るのでは??と感じてしまいます、でもそれを言ったら監督はジャンパオロじゃなくて良くなっちゃうんですけどね。。。笑
前半のジェノアのようにアーリークロス放り込んだ方がピョンテクは得点できそうですね笑

ぴょぴょぴょん

勝ててよかった。につきますね。

ジェノアのPK+レッドがかわいそうでした。

上位陣との連戦までにもうちょっとチーム作っとかないとですねえ。
勝てたからといって、数的同数の時間は常に押されてたのは忘れられませんし。

あそこで勝ててジャンパオロ続投になっててよかったってシーズン後に言えてるといいですが、どうなるでしょうねw

  • 2019/10/07 (Mon) 00:29
  • REPLY

すくろう

スタメンを見た瞬間、ビビり過ぎだろと思いました。あのスタメンで先に失点という最悪の前半でしたが後半頭からの2枚変えで逆に吹っ切れた感がありましたね
まぁ最初からその面子で行けよと思ったのは僕だけではないはずでしょうが…
ただジャンパオロにとってこの吹っ切れが必要なプロセスであったと思いたいです
ドゥアルテは悪くなかったと思いますし、ジャックがここまで戻して来てくれたのは本当に嬉しいです。
パケタやテオ、カラブリアはハートも良いものを持ってると思うので、根気強く使い続けて欲しいですね
レイナはPKストップも凄いですがストップ後、沸き上がるチームメイトに対してまだCKがあると引き締めたのはさすがでした
あまり出番のないレビッチが気になる所ですがまずは勝てたというのが1番ですね

  • 2019/10/07 (Mon) 01:40
  • REPLY
カカニスタ22

カカニスタ22

To 名無しのミラニスタさん

コメントありがとうございます!

次節のレッチェ戦での勝利は絶対ですね。
現時点で勝ち点を落としすぎですし、これ以上上位に引き離されないためにも、そして何よりチームの調子を上げるためにも絶対に勝って欲しい所です。

強敵との4戦は、合計で勝ち点4取れれば良い方かなという印象です。

  • 2019/10/08 (Tue) 08:18
  • REPLY
カカニスタ22

カカニスタ22

To ミラネスタさん

コメントありがとうございます!

以前のような、老獪に試合をコントロールして効率的に勝ち点を取っていくようなサッカーはメンツ的に難しいですし、仰る通り攻守にエネルギッシュに動いて攻め切るサッカーが観たいところですね。
どうにも今のミランは、基本的に後半になると元々悪いパフォーマンスが更に落ちますし、集中力の維持は課題の一つといえますね。

カラブリアの闘志は見ていてビシバシ伝わってきますし、とても好感の持てる部分ですよね。
ただしここ最近はその闘志が空回り気味ですし、今節のように軽いプレーが原因で退場してしまうようなのは論外なので、その点はしっかり猛省して次につなげて欲しい所です。

  • 2019/10/08 (Tue) 08:20
  • REPLY
カカニスタ22

カカニスタ22

To 諭吉さん

コメントありがとうございます!

昨季も中途半端にボールを持たされた試合は大抵低調でしたし、堅守速攻型の方が良かったですしね。アタランタとの2戦目も、ピョンテクのスーパーゴール有りとはいえ1-3で快勝しましたし。

ピョンテクは間違いなく対戦相手のジェノアがやっていたようなサッカーの方が良いでしょうね(笑)
今の彼が最も活きるのはカウンター型でサイド主体の攻撃だと思うので、今のチームだと活躍するのは難しそうです…。

  • 2019/10/08 (Tue) 08:20
  • REPLY
カカニスタ22

カカニスタ22

To ぴょぴょぴょんさん

コメントありがとうございます!

内容に関しては・・・という試合でしたね(笑)

あのズルズルと押し込まれる癖なんとかなりませんかね…。
ロングカウンターが強力なチームなら引いて守るというのは非常に有効な策ですけど、メンバー構成・戦術からしてそうじゃないですしね。

  • 2019/10/08 (Tue) 08:21
  • REPLY
カカニスタ22

カカニスタ22

To すくろうさん

コメントありがとうございます!

レオンのスタメン落ちには驚きましたよね。
後半勝負というプランだったのかもしれませんが、前半で失点してしかもあの内容では擁護も難しいです。

パケタはキッチリと得点に絡みましたし、以前のような積極的なプレーが出てきて良い感じですよね。
ある程度効率化を図ることも重要ですけど、持ち味を消してしまっては本末転倒ですし、最適なバランスというのを見つけて欲しい所です。

  • 2019/10/08 (Tue) 08:22
  • REPLY