トリノ対ミラン 【セリエA第5節マッチレポート】
スタメン

ミランはテオ、ベナセル、レオンの新加入選手3人が同時にスタメン。
ようやくですね。
画像とその注釈を除いた部分については、試合中に書いたメモをそのまま載せています(※キャプチャ画像の映像引用元はいずれも『Dazn』)。
○前半序盤戦の攻防
アグレッシブに仕掛けるホームのトリノ。
攻撃時はサイドに素早く展開してそこからクロスを上げていき、守備時はハイプレスを仕掛ける予想通りの形。

――ミランGK時のトリノのポジショニング。前節のインテルと同様に、中央の選手をマンマークする一方、SBのテオ、カラブリア(いずれも赤)へのパスコースを空けてそこにボールを呼び込もうというもの
一方のミランは攻撃時も守備時も4-3-3が基本。
攻撃時の4-3-1-2は試合前から絶対にないと思っていましたが、守備時も形は変えませんでした。

――4-3-3、ハイラインで守るミラン
攻撃に関してはサイドを起点としつつ、素早く裏へとボールを出す速攻サッカーが基本。
トリノのシステム(3-4-1-2)上SBへのパスコースは空きやすく、トリノのWBは基本的にミランのWGに付きますからSBは比較的ボールを持ちやすい。
そこでポゼッション時などは主にカラブリアがボールを前進させるシーンが目立ちました。

――カラブリア(紫)がボールを持ったシーン。左WBのアイナ(橙)はスソをマークし、誰もカラブリアにはマークに付いていない
○前半中盤戦の攻防
ミランは速攻からチャンスを量産。。
16分、縦に速い攻撃から一気に敵陣まで持ち込んでクロス。エリア内でレオンが倒されてPK獲得。
19分、ピョンテクが落ち着いて決めてミランが先制!

――ボールホルダーのカラブリアに寄って来たアイナ。そこですかさずスソ(赤)が裏に走り、そこへカラブリアが素早く縦パス。その後はスソ→ピョンテクと繋いでクロスを上げ、レオンが倒されPKを獲得した
さらに20分にもサイドチェンジ→テオが一気に持ち運びんでサイドのレオン→クロスという形で惜しい形を作る。
22分、カウンターから最後はレオンがヘッド。シリグに阻まれる。
ミランがチャンスを量産していきます。
テオの推進力はやはり素晴らしいですし、スピードのあるレオン、テオサイドからはかなりチャンスを作れる。
テオは中央寄りでもボールを持ってドリブルで運べますし、彼の推進力は本当に大きい武器です。

――サイドチェンジにより、左サイドにボールが回ってきた場面。レオンがサイドに流れ、チャルハノールは前線に飛び出してそれぞれマーカーを引っ張る。そしてテオ(緑)は中央寄りでボールを受ける。そこから手薄な中央へとドリブルで持ち運んでいく
トリノは手薄な中盤のスペースを埋めるためにも早く3ボランチにでもした方が良いと思いますし、このままならミランは追加点を高確率で奪える。
また、トリノは攻撃に関しても中盤でゲームを全く作れないため単調になりがちですし(素直にサイドに展開してそこからWBが頑張るくらい)、ミランはしっかりとハイラインを維持してサイドで起点を作らせないことができているので守備も今のところは問題なし。
それに先述のトリノのハイプレスに対しても、ミランはロングボールを織り交ぜつつしっかりと回避することができています。
○前半終盤戦の攻防
おおむね同様の展開でしたが、ミランは中途半端にボールを失うなどして押し込まれるシーンも生まれ始めます。
そして前半終了間際にはドンナルンマが飛び出しをミスしてゴールラインをがら空きにしますがベロッティが外して事なきを得る。
前半はそのまま0-1で終了。
追加点を奪えなかったのは痛いですし、トリノにはミランの苦手とする放り込みゴリ押し戦法があるため0-1でゲームが進むのは非常に危険。
追加点は何としても取って欲しい所ですし、このままいけばカウンターから高確率で奪えます。
メンバーも戦術も特に変える必要はないと思いますが、スソ、ピョンテク辺りは別に代えても良いかと。
後は押し込んだ後のバイタルをもう少し使いたいので、コンディションが良ければボナベントゥーラやクルニッチを使うという手もありますね。
後半
○後半序盤戦の攻防
サイドから攻めるトリノと、速攻のミランという構図。
ミランは前半同様カウンターからチャンスを量産しますが、主にピョンテクが無駄にする。
トリノは前半よりも縦の意識を高め、素早く攻め切ろうとする。
時にはベロッティが頑張ってドリブルで運ぶ。
こうした動きに対しミランはズルズルとラインを下げるのをやめないといけないし、時には前に出て潰しに行く勇気が必要でしょう。
57分、リャンコ→アンサルディ。トリノは4-4-2に変更。
守備のバランスを取り戻す意味でも、サイドを攻めやすくする上でも無難だが良い修正。
特に前半はWBの他に2トップの一角が流れて来ないとサイドに中々人がいなかったですが、これでサイドハーフとSBで継続的に攻めることが出来ますからね。
○後半中盤・終盤戦の攻防
65分、レオン→ボナベントゥーラ
ん?レオン?
代えるべき選手は他にいる気がしますが、ボナベントゥーラ投入という選択肢自体は良い。
ボナベンの方がより中で(ライン間で)勝負できる選手ですからね。

――このシーンでは、ベナセル(桃)からボナベントゥーラ(青)へといい形で縦パスが通る
66分、ヴェルディ→ベレンゲル
トリノはサイドハーフの動きでミランのSBを釣り出しつつ、その裏に2トップが流れて攻めるというシンプルな攻めを何度か見せる。
すると72分、カウンターからベロッティに持ち込まれた挙句、強烈なシュートを叩き込まれて同点に追いつかれる。

――得点の少し前のシーン。これもまたカラブリア(紫)がベレンゲルのマークのため前に出たことで生じたスペースにベロッティ(黄)が流れ、そこにロングボールが入ったところから始まっている。
そして76分、またしてもベロッティに決められてあっという間に逆転。
ムサッキオは晒された状態での1対1が弱すぎる…。
78分、ベナセル→レビッチ
チャルハノールをアンカー、ボナベンをインサイドに。
うーん、ベナセルはイエローを貰っているし理解できない交代ではないものの、この後はトリノに引いて守られるであろう状況でベナセルがいないのは本当に痛い。
トリノの守備を崩せていたのは彼に依る所がかなり大きかったですしね。
83分、アイナ→ジジ
守備を固めるトリノ。
ミランは雑になってきたし、逆に前掛かりになったのを利用されてカウンターからチャンスを作られる始末。
攻勢をかけるミランと守備を固めるトリノ。
終盤には恒例となったスソ様からのクロス祭りが開催され、最後にドデカい花火(ピョンテクのヘディング)が上がるかと思いきやシリグに阻まれ不発。
試合はそのまま終了。
トリノ2-1ミラン
○雑感
ミランは数々のカウンターチャンスを無駄にし続け、追加点を奪えなかった結果、手痛い敗戦を喫しました。
正直このトリノに負けたのは痛恨だと思います。昨季の方が遥かに強かったですからね。
前半は明確な攻めの形を見せ、守備も全体的に安定していたものの、後半から多少なり持ち直してきた相手に対して2失点という悲しい展開。
決定機を外すのはもちろん良くないことですが、守備に関しても後半はズルズルと下がり過ぎかと。
こんなことやってたらリベリ・キエーザの強力2トップ擁するフィオレンティーナにボコボコにされますよと。
さて。この敗戦によりジャンパオロへの風当たりはますます強くなりそうですが、果たして彼はこの難局を乗り切ることができるでしょうか。
僕個人としてはもう少し様子見しても良いんじゃないかと思いつつも、万が一代表ウィークまでの残り2戦の結果次第でバッサリいかれたとしても特に同情はできないですね。
まぁでも乗り切るに越したことはないですし、そのためにもまずは次節のフィオレンティーナ戦で良い結果を出してもらいましょう。
Forza Milan!
最後まで読んでいただきありがとうございました。
※選手寸評は明日以降やらせていただきます。