【セリエA第4節】 ミラン対インテル 【マッチレポート】

8 Comments
カカニスタ22
ミラノデルビーのマッチレビューどうしようかなと思ったのですが、やっぱりやることにしました。

非常に長くなってしまったので、時間のある時に読んでいただけると幸いです。


スタメン

ミランーインテルスタメン


※当記事では画像の貼り方をいつもと少し変えた(画像をタップ、クリックすると拡大する)ので、「画像が画面からはみ出ている」などの不具合がありましたら教えていただけると助かります。


~前半の序盤~


ミランの守備とインテルの攻撃

ミランの守備陣形は4-3-1-2でセット。
スソが相手アンカーのブロゾビッチに対応し、2トップがボールをサイドに誘導していく。
そしてサイドに誘導した後は全体を圧縮し、基本的にインサイドハーフとSBの2人でそれぞれ相手のインサイドハーフ、WBに対応するという形。


おおむね普段通りの戦い方であり、この形で相手のビルドアップを封じた時もありましたが、これに対しインテルは主に「素早く裏もしくはサイドへロングボールを蹴る」と、「インサイドハーフを押し上げる」2つの方法でしっかりと対応。

前者に関しては、例えばミランSB(特にロドリゲス)が相手WBに対応するために前掛かりになった際に、主にラウタロ・マルティネスがそのスペースにダイナゴルに抜け出してくる形。
また、その際には相方のルカクはボールを引き出す動きを見せます。その主な目的はもう1つのパスコースを作ることでしょうが、あわよくばロマニョーリを引っ張り出してしまおうというのもあったでしょう。

そしてミランの3FWは非常に距離間を短くしてポジショニングするためサイドが空きやすく、そのスペースにインテルの両CBが持ち運んでそこからロングボールを入れ込む形が目立ちました

ミランーインテル2
――例えばこのシーン(当記事の試合のスクショ画像の映像引用元はいずれも『Dazn』)。ラウタロ(青)が裏に抜け出し、そこへゴディン(茶)がロングパスを送る。ルカク(黄)は下がってパスを引き出す。

これをやられると高く保とうとしているDFラインを下げざるを得ません(つまり押し込まれやすくなる)から、SBも飛び出すのが難しくなります。


そして後者の「インサイドハーフを押し上げる」に関しては、その通りインサイドハーフは頻繁に下がらずに2ライン間やサイドのスペースでボールを受けようとします。

前回のCL、スラヴィア・プラハ戦ではビルドアップ時にインサイドハーフが頻繁に下がることで、相手のマーカーも引き連れてしまいますから相手のハイライン維持及び高い位置でのプレスをサポートしてしまいましたし、その後ロングボールで逃げてもインサイドハーフが低めの位置にいるのでこぼれ球を中々に拾えず苦戦していました。

また、今回はガリアルディーニに代わりバレッラが入ったのも大きい。
運動量豊富に走り回ってスペースを見つけるのが上手く、パスも繋げてドリブルもまずまずのオールラウンダーな彼がいることで中盤が活性化しましたし、ミランはかなり手を焼きました。


インテループラハヒートマップ
――プラハ戦における両インサイドハーフ(センシとガリアルディーニ)のヒートマップ(左攻め。『WhoScored』より)


bandicam 2019-09-24 08-29-39-782
――ミラン戦における両インサイドハーフ(センシとバレッラ)のヒートマップ(『Whoscored』より)


上記の2つを見比べると、ミラン戦の方がより高い位置でボールを触れている事がわかります。

以上のような方法でミランのプレスを躱しつつ、徐々にインテルが押し込んでいきました。



ミランの攻撃とインテルの守備

攻撃時のミランはシステムを4-3-2-1(基本的にスソはやや中央寄りの右だが、レオンは左に張って右CBのゴディンとマッチアップ)に変更。
いつも通り後方からボールを繋いでいこうとします。

対するインテルの守備は、前から積極的に猛プレスを仕掛け、ミランのビルドアップを妨害しようとします。

その際のポイントは、SB(ロドリゲス、コンティ)を最初は敢えてフリーにし、そこへボールを呼び込もうとする点です。


ミランーインテル7
――前半最初の決定的ピンチを迎えたシーン。中央の選手たちはマンマークで封じられているため、ドンナルンマはフリーのSBロドリゲス(橙)にパス。その後、インテルWBのダンブロージオ(水)が縦を切りながら猛然とプレス



ミランーインテル8
――その後のシーン。中央へ追い込まれたロドリゲスは、最終的にドンナルンマへのバックパスを選択。その選択を見越していたラウタロはパスカットを狙って動き、インターセプト寸前まで至った


ロドリゲスは視野が狭いためか度々こういうやらかしをしますし、折角のパス能力をあまり活かし切れていない印象です。
なお、逆サイドのコンティも同様のプレスの形で苦しめられました。


その後もインテンシティの高いプレスを続けられ、ミランは沈黙。
個で剥がせる選手がいませんし(なぜベナセルを起用しないのか)、組織で躱す連動性も今のところは持ち合わせていないため、これに対しては為す術なしでした。


~前半の中盤・終盤~


ミランの守備とインテルの攻撃

徐々にインテルがサイドを起点にして押し込んでいく展開に。
というのもミランはリトリート後も陣形を崩さずに4-3-1-2(4-3-3)の形をキープし、とにかく中央を固めるため、サイドががら空きになるという仕組み。

ミラン―インテル1
――リトリート後のミランの陣形4-3-1-2(実質4-3-3)


より危険な中央のスペースを消すことと、前線に枚数を残すことでカウンターに繋げたいという狙いがあったのでしょうが、正直これは悪手だったかと。

アサモアとセンシのクオリティ抜群の左サイドから次々とチャンスを作られましたし、ケシエが何度もスライドして対応していましたが流石に厳しい。

前半終盤に差し掛かったところで戦術修正し、守備時のシステムを4-3-3(スソの右、ピョンテクの中央を維持)に変えましたが、リトリート後の陣形はあまり変わらず。

思うにリトリート後はスソか誰かが中盤に下りて4-4ブロックを作るとか、もしくは2人が下がって4-1-4-1で守るとかするべきだったんじゃないかなと。
もちろんその場合は、ロングカウンターが上手く機能しないであろう今の構成ではなく、スソに代えてレビッチ(スピードと献身性があり、後方から飛び出せる選手)を入れるなどの変更は必要だったと思いますけどね。


閑話休題。というわけでインテルがチャンスを量産していきますが、ミランはドンナルンマの奮闘とゴールポストの活躍によりなんとか無失点に抑える。

一方のミランは苦しみながら時にカウンターで散発的にチャンスを作り出すも、無得点。
唯一の決定機はインテルCKの場面でスソがセンシからボールを奪い、独走ロングカウンターを始めた一連のシーンでした。
最後の場面でレオンに出しておけば・・・。



~後半の序盤・中盤~


ミランの攻撃とインテルの守備

後半早々の49分、コンティがセンシを倒してFKを与えてしまう。そのFKから最後はブロゾビッチに決められてインテルが先制。
元々不利な状況でしたが、これで敗色濃厚に。

その後はペースを落として引いて守ることも増えたインテルに対し、ミランは当然前掛かりになって主に左サイドから攻め込みます。が、5-3-2で中央を固めて守る鉄壁のインテル守備陣を全く崩せず。
64分、72分にはパケタ、テオ・エルナンデスを投入して更に攻撃的にしますが、さほど効果なし。


前半から頼みの綱であったレオンも、ラインを下げたことで更に安定感が増したゴディンを前に沈黙してしまいました。



ミランの守備とインテルの攻撃

対するインテルの攻撃は、前半以上にシンプルにサイドを攻略していくというもの。
サイドにボールを回してミランのブロックを片側に寄せ、その後サイドチェンジをするなどしてガラガラのサイドを突いていきます。

また、上記の通り3トップに変更したことでブロゾビッチのマークが緩くなり、彼が活き始めます。


ミラン―インテル4
――ブロゾビッチから左サイド(ミラン側右サイド)への正確なロングフィード



後半終盤


ミランの守備とインテルの攻撃

76分、インテルはラウタロに代えてポリターノを投入。これによりポリターノを右サイドに回し、代わりにバレッラを左サイドに。そして中央をブロゾビッチとベシーノ(71分にセンシと交代)で固め、5-4-1のような形(ポリターノを極端に右に置いた5-3-2とも言えるかも)に変更。

これは両サイドにアタッカーを置くことで、元々攻め続けていたミランのサイドを更にいたぶろうとする敵ながら素晴らしい采配であり、その数分後に早速功を奏します。


78分、ゴディンからのロングフィードを受けたバレッラがクロスを上げ、それにルカクが合わせてインテルが追加点。試合を決定づけました。

ミランーインテル5
――ゴディンが左サイドへロングフィード



ミランーインテル6
――その後のシーン。左サイドに張っていたバレッラとコンティが1対1(アサモアも含めれば2対1)となり、バレッラが正確なクロス。そのクロスにルカクが頭で合わせてネットを揺らした


その後も引いて守ってロングカウンターから決定機を作り出すインテルと、レビッチを投入してなんとか得点を奪おうとするミランという構図。

ミランはエルナンデスのゴリ押し突破などでチャンスを作り出しましたが決定機には至らず、対するインテルもゴールポストに嫌われ追加点は奪えず。試合はそのまま0-2で終了。

ミラン0-2インテル


雑感

試合についての雑感は前回の記事でやってしまったので、今回はかなり短めに。

スタメン選好、戦術に関して個人的に疑問を感じる部分は多々ありましたし、もう少しやりようがあった気もします。

まぁしかし既に終わってしまったことを悔やみ続けても仕方ないですし、インテルも強かったのでね。選手・コーチ陣はこの悔しさを糧にするべきですが、僕たちファンは早くこの敗戦を忘れましょう(笑)

次節のトリノ戦も難しい試合になると思いますが、ジャンパオロ・ミランの信頼を取り戻すためにも勝利が求められる一戦です。
いつもより試合間隔が短いですが、出来得る最善の準備をして臨んでもらいたいですね。


Forza Milan!



お礼と謝罪と報告

まず、先日の記事にてたくさんのコメントをしていただき誠にありがとうございました!
僕が普段このブログを覗くのは記事投稿の直前/直後のため、先ほどコメント数の多さに喜ぶと同時に、正直なところ驚きました(笑)

それと同時に、前日に更新をサボったことで返信が遅れてしまい、本当に申し訳なく思っております。

本来であればすぐに返信させていただきたいのですが、現在時間的余裕がなく、かといって熱意あるコメントに対し1行2行の返信で済ませるというのは失礼であると感じたため、誠に勝手ではあるのですが返信を少し遅らせていただきたいと考えています。

遅くとも今晩中には返信する予定ですので、もう少しお待ちいただけると幸いです。


では。長くなりましたが、最後まで読んでいただきありがとうございました。

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Comments 8

There are no comments yet.
名無しのミラニスタ  

そんな律儀にコメント返ししなくても大丈夫かと
量が多ければ余計に1.2行で「読ませて貰ってます」とかで済ませていいと思いますけどね個人的には
毎度記事楽しく読ませて貰ってるんで変にストレスになったりして欲しくないっす

ガリガリガッリアーニ  
最高に面白いです^_^

上の方の言う通りですよ!これだけ面白い記事を書くのも大変ですし、更に返信まで考えるとなるとストレスになってしまわないかが心配ですよ!
私はスマホのホーム画面に入れてるほどお気に入りにさせていただいてますし、こんな形で記事を見れるのは試合の後の楽しみになってます。
これからも宜しくお願いします^_^

  • 2019/09/24 (Tue) 19:33
  • REPLY
カカニスタ22
カカニスタ22  
To 名無しのミラニスタさん

コメントありがとうございます!

お気遣いいただき誠に感謝致します。

返信に関しては僕が好きでやらせていただいている面が非常に非常に大きいのですが、確かに多忙な時にしてしまうと記事更新が滞るなどして折角当ブログを閲覧してくださった読者の方に迷惑がかかる恐れがあり本末転倒なので、多忙な時は言及ポイントを絞ったり返信を遅らせるなどの対応をさせていただこうと考えています。

もちろんコメントや質問は随時大募集なので、今後ともぜひぜひしていただけますと幸いです。

  • 2019/09/25 (Wed) 06:41
  • REPLY
カカニスタ22
カカニスタ22  
To ガリガリガッリアーニさん

コメント&お気遣いありがとうございます!

>>私はスマホのホーム画面に入れてるほどお気に入りにさせていただいてますし、~

そこまでしていただけるというのはブロガーとして冥利に尽きますし、本当に嬉しいです。ありがとうございます!

これからも少しでも多くのミラニスタの方に楽しんでいただけるブログにしていこうと考えていますので、今後とも末永くお付き合いいただけると幸いです(笑)

  • 2019/09/25 (Wed) 06:43
  • REPLY
リーナ  

返信いつもお疲れ様です(>_<)
そしてありがとうございます(つд;*)
毎回カカニスタさんの返信を楽しみにしてますよ( ・∇・)

試合の感想というよりかは今度は選手について言及したいと思います。
インテルのセンシとバレッラですね。
どちらもイタリア代表で連携ばっちりですよね。それと、ブロゾビッチの配給先として縦横無尽に動きますし、シュート、パス、ドリブルと何でも有りなのでとにかく怖いです(>_<)
そしてなにより、タフなんですよねw
彼らサボらないですねw

あとは、やはり、カンドレーバの再生ですね。(私はラツィオ時代から大好きな選手)
スタミナ、走力はかなりあります(しかもタフ)。そしてチェイシングもガンガンしてくるのでウイングバックの起用がハマった感じですよね。

カンドレーバ、センシ、バレッラ……
大好きなイタリア代表で好きな選手がインテルに獲らてるので歯痒いです(>_<)

  • 2019/09/25 (Wed) 22:20
  • REPLY
ミラネスタ  
新生ミラン

カカニスタ22さん、
こんばんは。
頭ではわかっていたことですが、やはりデルビーでの敗戦は精神的にダメージ特大ですよね。なぜなら、それでもやっぱりミラニスタだから!!
その気持ちをいつも代弁してくださったり、戦友の皆さんと共有できるこの場所は大切な場所です。私もスマホアプリをおいて、いつでも見ることができるようにスタンバイしてます。
今のミランは中途半端な気がして…。
負けきる、攻めきる、という潔さが見たいんです。そこから何か打開策を見つけてほしいと願い、この数年は応援してます。
サッカーを始め、最初に勝ったのがミランのユニフォーム、最初に見たのがトヨタカップでした。
フォルツァ、ミラン&カカニスタ22☆

カカニスタ22
カカニスタ22  
To リーナさん

コメントありがとうございます!
こちらこそ、いつもコメントをしていただき本当に感謝していますし、楽しく読ませていただいております。

センシとバレッラはイタリア代表の未来ですね。
タイプ的に相性も良さそうですし、仰る通りオールラウンダーですからね。
ミラニスタからすれば本当に怖い選手ですが、アッズーリ好きからすれば本当に今後が楽しみな選手たちです(笑)

昨季は不振を極めたカンドレーバですが、今季は見事に復活しそうですよね。
コンテはウイングバックの使い方が上手ですし、時間と共に更にパフォーマンスを上げていくかもしれないですね。

最後の段落は全く以て同感です(笑)
ミランにもドンナルンマとロマニョーリがいるので満足ですが、欲を言えば中盤以降に彼らのような素晴らしいイタリア人選手も欲しいですね。

  • 2019/09/26 (Thu) 07:08
  • REPLY
カカニスタ22
カカニスタ22  
To ミラネスタさん

コメントありがとうございます!
日々閲覧していただき本当に嬉しいです。

デルビーの敗戦はやはり悔しいんですよねー…。
ここ数年はリーグ戦で全然勝てていないですし、そろそろ勝った時のあの得も言われぬ喜びを再び味わいたいです(笑)

近年のミランがイマイチ煮え切らないサッカーをしていたのは、もちろん監督の手腕の問題もあるでしょうが、そのほかにも選手の質の問題が大きかったと思うんですよね。
その点今のミランはベナセル、レオンなどなどスケールの大きさを感じさせてくれる選手が多数加入してくれましたし、昨冬加入のパケタもその一人です。
後は監督であるジャンパオロがどう調理するかにかかっていますし、復権に向けた第一歩を今度こそ踏み出して欲しいと思います。

ミラネスタさんのようにファン歴の長い方の話は本当に勉強になると同時に、何より羨ましいです(笑)

  • 2019/09/26 (Thu) 07:10
  • REPLY