【セリエA第3節】 ヴェローナ対ミラン 【マッチレポート】

今回は、セリエA第3節、ヴェローナ対ミランのレビューを行いたいと思います。

スタメン

ヴェローナ―ミランスタメン

先日の予想スタメン通りのスタメン



前半

※試合中に取ったメモをそのまま載せています

前半序盤戦の攻防

攻守にアグレッシブなヴェローナがペースを握ります。
攻撃の起点は左サイド。後方から素早く左サイドへロングボールを送りこみ、そこからラゾビッチ辺りが中心となり持ち込んでいく。

守備に関しては前線からマンツーマン気味にハイプレス。2トップが2CBに、トップ下がアンカーにそれぞれ付き、ミランのインサイドハーフ(特にチャルハノール)の下がる動きに対してもボランチがしっかりとマークに付いてくる。


対するミランは中央でパケタが2ライン間に位置してパスを引き出そうとするも、クンブッラがマンマーク気味に対応し自由にさせず。



前半中盤戦の攻防

21分、ステピンスキがまさかの一発退場。
退場後は5-2-2(orヴェッレ1トップの5-3-1)のような感じで、とにかく前線もしっかりと守備に参加して中央を固める。

前半序盤のビルドアップ時に、ヴェローナにやられていたマンツーマン気味のプレスがステピンスキ退場により終了。そのためミランはハーフウェイラインまでは自由にボールを運べるようになりましたが、その後は上手くいきません。

ケシエがど真ん中に駐在しますがこれは指示なのか…。

逆に28分、ハイラインの裏を突かれてヴェッレにシュートまで持ち込まれる。



前半終盤戦の攻防

数的有利のミランが圧倒的に押し込む展開も、上手くいかない展開が続く。
こうなると恒例のスソからのクロス・シュート祭りが始まりそうな予感。

一方のヴェローナも全員が下がるためやはりカウンターに持ち込むのは相当難しい。
それでもヴェッレ、ラゾビッチ辺りが頑張ってボールを持ち運びますがチャンスまでは繋がらず。

両チームともに攻め手を欠く非常に退屈な展開に。
ヴェローナは数的不利のため仕方ないとして、ミランは…。


結局こういう試合展開になったとき、狭い局面を崩せる選手がいない(少ない)というのは痛いんですよね。

パケタはエリア付近で棒立ちですし、スソは元々そういうタイプじゃない。
パケタは単純に疲労によるものなのか、戦術的要求が消化しきれずにおかしな動きになっているのか…。

もちろん彼だけのせいではなく、チーム全体で崩しのプロセスが共有できていないのが悪いわけですが。


後はレジスタ不在も痛恨。
これは今に始まった話ではないですが、ゲームメイクできる選手がいないため、試合中のポジショニング修正やリズムチェンジが中々上手くできないんですよね。

この役割をビリアに託すのはやはり難しい。レジスタ扱いされることも多い彼ですが、個人的には大いに疑問です。


不満をタラタラと書いていたらいつの間にか前半終了。
まぁ何だかんだ1点はゴリ押しで取れると思います。相手も疲れてくるでしょうからね。

ですが、そのためにも早くベナセルかボナベントゥーラを出すか、ゴリ押し要員としてレビッチかレオンを出した方良いでしょうね。



後半

後半序盤戦の攻防

45分、パケタ→レビッチ
妥当な交代。


ロマニョーリが積極的に持ちあがって攻撃参加。正直ビリアが頼りないですし、良いと思います。

加えてレビッチが何度か外にボールを引き出す動きをしているのですが、中々そこに出さないロドリゲス。
今日のような展開だと、彼の短所が目立ちます。


それでも57分、カラブリアがポスト直撃のミドルシュートを放ちゴールを脅かします。

しかし60分、お返しとばかりにヴェッレがポスト直撃のシュート。

ヴェローナは状況によっては人数をかけて攻めてくるので、その際にカウンターで仕留められたら良いんですけどね。



後半中盤・終盤戦の攻防

68分、チャルハノールの得たPKをピョンテクが沈めてミランが先制!

長かった…。
これでピョンテクのパフォーマンスが少しでも改善してくれると良いんですけどね。


攻めるしかなくなったヴェローナはハイプレスを再開。
選手交代も行って、システムは4-2-3のような感じに。

83分、チャルハノールのミドルシュートのこぼれ球をピョンテクが押し込みミランが追加点。と思ったらVARによりノーゴールに。


その後も攻勢を強めるヴェローナに対し、ミランがカウンターで応酬するという構図。
最終盤はヴェローナのパワープレーに対し、カラブリアが退場するアクシデントに見舞われますが、何とかしのぎ切って終了。

ヴェローナ0-1ミラン



雑感

10人のヴェローナ相手に苦戦しつつも、何とか勝利をもぎ取りました。

正直なところスソを重用している時点でジャンパオロに対する個人的な期待値は急激に下がっているので、まぁこんなものかなという印象です。

もちろん時間が必要というのは百も承知ですし、今後ある程度改善することは間違いないと思うので、長い目で観ようとは思っています。



一方、現時点で良い点を挙げるとすれば、守備が予想以上に安定していることですかね。
ロマニョーリのライン統率とムサッキオの対人は素晴らしいですし、カラブリアも安定。ビリアも守備に関してはまずまず。

このCBコンビ(特にロマニョーリ)が離脱した時にどうなってしまうのか恐ろしいわけですが、ひとまず支柱となるDFが安定しているのは嬉しいですね。

それとレビッチですね。
ミスは非常に多かったですが縦への意識や緩急の鋭さ、気の利いた動きだしなど随所に良さが見られましたし、今後に期待できるパフォーマンスだったのではないかと。


後はピョンテクにゴールが生まれたこと。
それ以外のパフォーマンスについてはお世辞にも良いとは言えませんでしたが、彼の役割は何よりも点を取ることですからね。
これで少しは落ち着いてくれると思いますし、ここから得点を量産していってもらいたいです。



さて。次節はいよいよミラノダービー(デルビー)です。
現在のチーム状況に加え、カラブリア欠場ということもあって極めて厳しい試合になるとは思いますが、何とか維持を見せてほしいと思います。

まずはこの1週間で最善の準備を行ってもらい、出来る限り万全の態勢で試合に臨んでもらいたいですね。


Forza Milan!

最後まで読んでいただきありがとうございました。

13Comments

acm22

早速のレビューありがとうございます!

僕もリアルタイムで見たのですが内容はあまり良くなくステピンスキの退場がなければヴェローナに押し込まれる時間帯も多くあったのではとも思いました。

個人的にリカルド・ロドリゲスとハカンがもう少し上手くやれたらなぁと…
パケタも戦術に溶け込んで欲しいですね

選手レビューも楽しみにしています!

  • 2019/09/16 (Mon) 09:31
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acm22

追記

レビッチが突破力ありそうなのでロドリゲスハカンとの組み合わせもありかなとも思いました!

スソが後半消えてしまうのとケシエも微妙な気もするので新戦力も早く見たいですね笑

  • 2019/09/16 (Mon) 09:35
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いっしー

レビューお疲れさまです。

相手が赤で一人減った時点でこうなるんだろうなぁっていう展開がそのまま起こったという感じでしたね。
今後もプロビンチャ相手だとこのような形で苦しむことになるのだろうなぁと思います。
とりあえず守備面やレビッチ、ピョンテクの得点など希望となるものが少なからずあったし勝てたということで御の字でしょうか。

ここで少し質問なんですがカカニスタさん的にジャンパオロがあれだけ執拗にスソを中心として使い続ける理由はなんだと思いますか?
ジャンパオロのことなので理由がないとは思えないのですが、彼を中心に添えている時点で彼自身がよっぽどの急激な成長(動きの質云々の前にもっといろいろな意味での成長が必要なように感じる)がない限りはチームとしての内容が頭打ちになるのは目に見えてると思うのですが、彼の内容を見る限り厳しいなぁと。それともある程度チームとして形作られていく上での一時的な措置といったところなのか。
スソの一発は確かに魅力はあるのでしょうが、今のミランはそのスソの一発のためにチームを作っているように見えます。そして、スソ自身もおそらく彼中心のチームでなければ機能しないタイプの選手になってしまっている。個人的にスソのチームでの立ち位置なども考えると彼の場合はミランから出ないとこれ以上の選手としての成長はないのだろうなぁと感じていると同時にミランのチームとしての成長も限界を迎えるのではないかと思っています。

よければカカニスタさんの考えをお聞かせいただければと思います。

  • 2019/09/16 (Mon) 09:48
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ロッソネリスタ

情け無いパフォーマンスでしたが、なんとか勝ち点3をもぎ取れたことは喜びたいです。

例えPKでもピョンテクに待望のゴールが生まれたのは良かったですよね。ここから量産体制に入って欲しい所ですが、チームとして攻撃の質を上げないことには無理があるといった感じでしょうか…
両CBの安定も数少ない良かった点ですね。特に次節はこの2人の奮闘なくしては戦えないと思うので、この調子を維持して貰いましょう。

パケタが心配な反面、レビッチは期待出来そうですね。早速カードを貰う悪い部分も出ましたが、そこは改善しつつ良さを出していって欲しいです。

さて、来週のデルビーですが何らかの要因で延期になりませんかね?笑
現状では正直全く勝てる気がしないですが、ビッグマッチ補正に微かな望みを抱こうかなと…せめてお隣のCLの対戦相手がバルサかドルトムントなら多少なり消耗に期待出来たのですが。

最後になりましたが、カカニスタ22さんの体調が大分回復したと聞いて一安心です。いつも更新や返信ありがとうございます。ご自身のお身体を優先して、くれぐれも無理はなさらないで下さいね。

ミラネスタ

ジァンパオロMilan

カカニスタさん
はじめまて! いつも楽しく読ませていただいてます。
早速ですが、今のジャンパオロ・ミランは結果が出たこと、ピョンテクもPKではありますが、得点できたことが何よりで、次節のデルビーにはずみはついたのかなと思います。
カラブリアがいない右サイドもコンティもしくはドゥアルチのチャンスと見れば、最高のシチュエーションじゃないかなと私的にはポジティブに捉えてます。
あと、質問なんですが、上の方の話題にもあるようにスソは苦戦してますね。例えば、ツートップ(セカンドトップ的)としてはどうでしょう?また、ビリアより縦意識の高そうなベナセルはスタメンで使ってほしいですし。
今回は前評判通りにガツガツ前へ向かうレビッチのプレーが見れて好印象でした!

長くなりましたが、このブログはカカニスタさんの『ミラン愛』を感じられて、且つミランを前向きに応援していこうと思えるので、初めてコメントさせていただきました。
これからも、お体大切に全国のミラニスタへ配信を続けてもらいたいです。
FORZA MILAN!!

  • 2019/09/16 (Mon) 11:51
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諭吉

今日の試合に関してはスソは悪くなかった気がします。ただ、彼を中心にしたチーム作りは反対です。レビッチへのアシスト未遂とシュート意識は良かったと思います。
押し込まれたシーンについては ボールウォッチャーになってる選手が多いことが気になりました。上位チームと対決する際は命取りになるので、気をつけたい部分です。
次節インテル戦がチームの評価を決める最初のターニングポイントだと思いますので、どうにか勝って頂きたいですね。

リーナ

とりあえず3ポイントを拾えて良かったです。
早々に10人になったので逆に難しくなったのか、ただ単にアイデアと連携不足なのか、はたまた両方か(今のミランなら両方かな)( ・ε・)
ヴェローナの守備組織は整ってましたね(>_<)
対するミランは一人でゴールまで持ってかれるシーンがあったのでちょっと心配です(>_<)

次節のインテルは乗りに乗ってるのでミランがカウンターで応戦する格好になりそうですね(゜ロ゜)

  • 2019/09/16 (Mon) 12:26
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カカニスタ22

カカニスタ22

To acm22さん

コメントありがとうございます!

ステピンスキの退場はヴェローナにとって痛恨でしたでしょうし、あれで攻撃がかなり厳しくなりましたからねー。
それまではアグレッシブに攻めてきて惜しいチャンスもありましたし、試合内容は大分違うものになったと思います。

レビッチが予想以上に早くフィットしそうなのは大きいですね。
レオンが起用されない今、個人の突破力に乏しい側面がありましたからレビッチには期待したいところです。

エルナンデスも復帰しましたし、そろそろ新戦力組が本格的にスタメン争いに参加してくると思うので楽しみですね。

  • 2019/09/17 (Tue) 22:38
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カカニスタ22

カカニスタ22

To いっしーさん

コメントありがとうございます!

>>カカニスタさん的にジャンパオロがあれだけ執拗にスソを中心として使い続ける理由はなんだと思いますか?

根拠薄弱なので恐縮ですが、おそらくは「新チーム始動初日からチームにいて、中心に据えて
しまったから」。それでいて「練習中のパフォーマンスが良いから」かなと。

実戦に比べれば守備強度の低い練習において、彼がミドルシュートやクロスで得点に絡んでいることは想像に難くないですし、トップ下で試されていた時もスペースが広大であればある程度のプレーができることはICCでも証明済みです。
インタビューでもジャンパオロは練習中におけるスソの態度やパフォーマンスを称賛していましたしね。

そしてトップ下起用が実戦でまるで通用しないことは開幕節で案の定露呈したわけですが、それでもオフシーズン初日からスソを中心に据えてチームを作ってきただけに、早急には代え辛いというのがあるではないかというのが僕の考えです。
だからこそ、システムや戦い方を変えてまで彼を中心とすることに現状は拘り続けているのではないかと。

それと、現状はトップ下にピタリとハマる選手がいない(パケタは適応に苦しんでいる上にメッザーラ計算、ボナベントゥーラは病み上がり)ですし、それならプロヴィンチャ相手にはある程度通用する今のサッカーで凌ごうとする意図もあるんじゃないかなと(お言葉を借りると、「チームとして形作られていく上での一次的な措置」)。

ですので遅かれ早かれスソは絶対的な存在(常にスタメン)ではなくなると個人的に思っていますし、スーパーサブとしての起用が今後のチームにおいてはベストなのではないかと考えています。


それと、スソを重用するにあたってのチームへの悪影響や今後の懸念についてはいっしーさんに全く以て同意で、完璧に述べられてしまったのでもはや付け足すことはありません(笑)

  • 2019/09/17 (Tue) 22:41
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カカニスタ22

カカニスタ22

To ロッソネリスタさん

コメントありがとうございます!

ピョンテクのゴールは精神的ストレスからある程度解放する意味でも非常に大きかったと思いますし、冷静さを欠いていたのは明らかだったのでこれで落ち着きを取り戻し、パフォーマンスが上向いてくれると良いですよね。
ただ、仰るようにチーム全体によるサポートが十分ではないという点も現状はありますし、もうしばらくは苦戦しそうかなと。

デルビーは勝てる気がしないですね(笑)
現状の戦術だと攻撃は封じられる可能性が非常に高いですし、守備も相当頑張らないと裏を突かれて一瞬で失点なんてことになりかねません。
CLによるインテルの疲労と、ミランの意地と奇策に期待ですかね。

僕の体調についてお気遣いいただき誠にありがとうございます!
こちらとしてもコメントをいただけて非常に励みになっております。

  • 2019/09/17 (Tue) 22:42
  • REPLY
カカニスタ22

カカニスタ22

To ミラネスタさん

はじめまして!コメントありがとうございます!

主力選手が何らかの理由で欠場するときに、それまで控えだった選手が活躍をしてくれると競争が激化しますし、層も厚くなりますし良いですよね。
コンティは元々はレギュラーで出場しても何らおかしくない選手でしたし、このデルビーで活躍して復活を印象付けてくれたら最高です。

>>例えば、ツートップ(セカンドトップ的)としてはどうでしょう?

トップ下よりは適性があると思いますし、中央で無難にボールを捌きつつ、機を見て「中央から」サイドに抜けて得意の形に持ち込むといった流れが構築できれば機能する可能性もあるかもしれませんね。
それとトップ下は飛び出しもできるボナベントゥーラかパケタにして、スソの空けたスペースに入ったりクロスに飛び込んだりといった形が良いと思います。

問題は、トップ下よりもDFのマークが厳しくなるのでそれに耐えられるかと、中央でちゃんとプレーできるか(=すぐにサイドに逃げないか)ですね。
そして何よりフリーランの量を増やす必要がありますし、それらが無理だとトップ下起用時と変わらないなんて事態になりかねないと思います。

>>このブログはカカニスタさんの『ミラン愛』を感じられて、~

そのように仰って頂けると感無量ですし、本当に嬉しいです。
今後ともよろしくお願いいたします!

  • 2019/09/17 (Tue) 22:46
  • REPLY
カカニスタ22

カカニスタ22

To 諭吉さん

コメントありがとうございます!

仰るようなレビッチへのクロスを始め、彼自身のパフォーマンスはそんなに悪くなかったですね。
ただやはりチーム全体として考えると、彼のプレーを看過することは難しい印象です。目指すべきチームの方向性と、彼のプレースタイルが合っているとはどうしても思えませんしね。

ボールウォッチャーの件は、おそらく味方の位置取りをかなり重視するジャンパオロ・サッカーにおいてそちらに気を取られ過ぎてしまい、ボール方面への意識が散漫になってしまっているのかなと。
仰る通り、今後の改善が必要とされる部分ですね。

  • 2019/09/17 (Tue) 22:47
  • REPLY
カカニスタ22

カカニスタ22

To リーナさん

コメントありがとうございます!

ヴェローナは10人なっても全員が献身的に守備に回ってコンパクトに守っていましたし、固かったですね。

一方のミランは中盤の守備強度が高くないので、すぐに奪い返せなかったり中途半端にボールを失ったりしてしまうとズルズルと下がってしまう傾向は少しありそうですね。
その場合であっても上手く引き込んでロングカウンターに持ち込めれば良いのですが、その点はまだまだですしね。

次節のインテル戦は仰る通りカウンターが鍵を握ると思うので、何とかして攻守ともにその点を改善して欲しいと思います。

  • 2019/09/17 (Tue) 22:51
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