【強化試合】 チェゼーナ対ミラン 【マッチレポート】

正直なところガッカリなスタメン。プレシーズンマッチ最後の試合にも関わらずこのメンバーなのはどうかと。
もちろんコンディション的に厳しい選手が多々いるため致し方ないこともわかっているのですが…うーん。
というわけで僕はあえて後半まで仮眠を取って視聴しましたし、正直前半は見返すつもりもなかったのですが、後半のチェゼーナが結構面白いサッカーをしていたため翻意し見返しました(笑)
チェゼーナの配置に関してはコロコロ変わったため、あくまで参考程度に。
○前半
序盤からアグレッシブなチェゼーナ。ミランのGK時にもハイプレスを仕掛ける。
基本的に3-4-3でプレスだと相手アンカーないしインサイドハーフを自由にさせてしまうことがありますが、この試合のチェゼーナは守備時に右ウイングのボレッロ君(20歳。初見ですがかなり面白そうな選手)が中央に移動し、主にビリアをマークすることでしっかりと対応(中央で3対3の関係を作る)。
これに対し、ミランは基本的に中央からビルドアップするため少し戸惑っていた印象を受けましたが、これまで通り後方から丁寧に繋いでいくスタイルは変えず。プレシーズン当初からこの点は安定しているため、ビルドアップの段階でそこまで危ないシーンというのはありませんでした。
また、リトリート後もチェゼーナは中盤3枚と最終ラインで固め、かつ縦にボールが入れば徹底的に潰しにきます。
そのためスソはスペースの無い中央ではほとんどボールが持てず、カスティジェホはこう言っちゃ悪いですが全然ダメ。まぁこうした傾向はプレシーズン当初から不変のため特に驚きではありませんでしたが、なかなかの酷さです。
そうすると18分、ミラン側右サイドを崩したチェゼーナがゴールネットを揺らしますが惜しくもオフサイド。
その後は両チームともに停滞。ミランはチェゼーナのリトリートが少し遅くなってきたことで押し込む時間帯もありましたが、前線が全く噛み合っていないため得点の匂いはほとんどなし。
スソはもう少しフリーランしてください。
チェゼーナも攻撃の狙い(空いているサイドに展開し、素早く縦に持ち込んでクロス)こそ何となくわかりますが、ミラン守備陣の粘り強い対応により自由にプレーできず。ところでチェゼーナさん少し荒いですね(笑)
前半はスコアレスのまま試合終了。
○後半
チェゼーナは32番に代わり9番を投入。2トップに本格的に変更。
また、左WBの3番ヴァレリが内に絞って実質左インサイドハーフのように振る舞い、守備時は実質4-3-1-2のような形に(トップ下はボレッロ)。中盤で4対4を作り、中でもスソに対しては4番のロサイアが密着マークで潰します。
その分SBへのマークが緩くなるためカラブリア、ロドリゲスの両者が持ちあがるシーンも増えましたが、中央ではほとんどボールを自由に持たせないためかなり効果的だったと思います。
47分、ミランはパケタ投入。これで少しはマシになるかと思われましたが、パケタの動きが何かおかしい。時折「らしい」プレーはあったものの、普段より動きが少ないうえ、パスミスの数も多い印象でした。
結局のところ、スソがトップ下だとフリーランが少なく中央に駐在する傾向が強いため、あまり中央にスペースが出来ず中盤に流動性が生まれないんですよね。
ボナベントゥーラがトップ下を務めたフェロニケリ戦後半なんかとはやはり全然違います。まぁ本人のコンディションの問題もあるでしょうが。
閑話休題。その後は、チェゼーナが先にサイドアタッカーを投入して試合を動かしにかかりますがあまり効果なし。あの10番バレンシアは一瞬のキレに凄いものを感じましたが、全体として見ればイマイチでしたかね。
また守備に関しては少し形が変わりましたが、マンツーマン志向と中央で自由にさせない狙いは先ほどまでと同じだったかと。
対するミランは70分頃にボリーニに代えてケシエを投入。このケシエが持ち前のスピードとフィジカル、フリーランでチームに活力をもたらします。
その数分後にはカウンター気味の攻撃からケシエがサイドを突破し、彼が上げたクロスにパケタが合わせますが相手キーパーのファインセーブに阻まれました。
また、終盤には新加入選手のドゥアルチも初登場。積極的な持ち上がりとパス捌きは今後に向け小さくないアピールだったのではないでしょうか。
試合に関しては、その後もスコアは動かず試合終了。チェゼーナの唯一のビッグチャンスはドンナルンマのファインセーブにより阻まれました。
チェゼーナ0-0ミラン
○雑感
シーズン開幕前最後の試合はスコアレスドローに終わりました。
内容からすればかなり妥当な結果ですし、チェゼーナの守備がかなり良かった点は見逃せません。
元々ジャンパオロのサッカーは流動的に動いて相手の守備ブロックをかき乱すことでスペースを作り出し、そのスペースへ素早くボールを動かして崩していくスピーディーなものですが、今回のようにマンツーマン気味のプレスを仕掛けられると中々スペースにボールを回すことが出来ず苦戦するんですよね。
それこそ昨季サンプドリアを率いていた時も、マンツーマン志向の強いディフェンスを得意とするトリノ相手にホームで1-4、アウェーで1-2と2連敗していますしね。
チェゼーナの普段の戦い方は知りませんが、もし今回のが対ミラン用の戦術であれば非常に素晴らしいですし、若き指揮官であるモデスト監督が脚光を浴びる日もそう遠くないかもしれないです。
まぁそうは言っても、ミランのパフォーマンスが良くなかったというのもまた事実。
前にも言ったように前線がピョンテク、カスティジェホ、スソの構成では限界がありますし、それがはっきりと露呈した試合であるといえるのではないでしょうか。
スソには一発があるので起用する理由はわかるんですが(チームの中心に据えようとしているのは全く解せませんが)、カスティジェホのトップ起用はもういい加減見切る段階じゃないかという気もするんですけどね。
それこそアンドレ・シウバの他クラブへのアピールの場にするか、いっそのことダニエル・マルディーニに経験を積ませた方が有意義な気がします。
ボナベントゥーラとラファエル・レオンがコンディションを取り戻し、そして戦術を理解するのが待ち遠しいです。
最後にこの試合の良い点に目を向けますと、何といってもケシエのポジティブなパフォーマンスでしょうね。
やはりフィジカルはずば抜けていますし、パス精度自体は悪くないのでパスの判断さえ磨けば間違いなく貴重な戦力になれると思います。
またドゥアルチもまずまずのパフォーマンスでしたし、ムサッキオも集中力を取り戻した感があります。この2人で切磋琢磨して欲しいですね。
さて。いよいよ来週からセリエAが開幕します。
ICC終了後から今までに生じた変化が個人的に想定以下であり、正直なところ不安な点も少なくないのですが……まぁそうは言ってもワクワク感の方が優っています(笑)
序盤は苦戦するかもしれませんが、残りの一週間で最高の準備をしてもらい、出来る限り万全の態勢で19-20シーズンに臨んでほしいと思います。
Forza Milan!
最後まで読んでいただきありがとうございました。