【ICC第三戦】 ユナイテッド対ミラン 【マッチレポート】

ミランは前回と同じシステム・スタメン。
ユナイテッドはラッシュフォードとマルシャルが2トップを形成することもあった気がしますが、基本はこの形だったかと。
ミランはここ2試合と同様、ビルドアップ時は丁寧に後方からショートパスで繋いでいくスタイル(詳しくは前記事のマッチレポにて)。
ユナイテッドのプレス強度がちょうどこの前のバイエルンとベンフィカの中間のような感じだったため、比較的CBはボールを持てていましたが、そのあとが中々つながらない。
ビリアはマタにマークされ、チャルハノールとボリーニには相手両ボランチが基本的に付く。
ボリーニは何度かかなりキツいタックルを受けていましたが、ユナイテッドもボールの取り所として想定していたのでしょうかね。
13分、カウンターからラッシュフォードにぶち抜かれ失点。
ユナイテッドもそこまで機能的という感じではなく、基本はサイドにはたいてサイドの2人が突破するというシンプルな形が多めでしたが、ゴリゴリいける選手を揃えているだけあり中々に驚異的です。
失点シーンもラッシュフォード個人のスピードとキレを活かした素晴らしい突破によるものでしたしね。あれはカラブリアとムサッキオも何やってんだという感じでしたが。
失点後も展開は大きく変わらず、ミランがポゼッション。
ライン間が空いているときは上手くパスを入れ、そこからチャンスを作れて良い感じなのですが、相手に引いて守られスペースを消された際は苦慮していましたね。
しかし26分、相手陣地深くでボールを奪ったミランは、ボリーニ→スソと繋いで最後はスソが豪快なミドルシュートを決めて同点に追いつきます。
素晴らしいシュートでしたが、ただ好調時のスソならスペースと時間さえあればあの位のシュートは決めてもおかしくないですしね。
トップ下として、スペースの無いときにどの程度できるかという点を期待していた身としては、正直なところここまであまり満足していません。
前半終盤に関しては、引いて守るユナイテッドに苦戦するミランという構図に。
ビルドアップ(ハイプレスの躱し方)に関しては今のところ文句なしですが、崩しの局面はまだまだといった印象です。
まぁ今日のような前線の構成ではどう頑張っても限界はありそうですね。せめてスソかカスティジェホがもっとサイドに効果的に流れて守備ブロックを広げるくらいはして欲しかったです。
うーん、やはり効果的なドリブルやキープで崩せる選手がいないというのは厳しいかなと。パケタと(噂通りの能力なら)R・レオンが入ってくれれば改善しそうではありますしそこまで不安視してはいませんが。
というわけで、前半は1-1のまま終了。
○後半
ハイプレスを再開するユナイテッドでしたが、それを華麗に躱し続けるミラン。
少しプレスをかけられただけでグダグダだった昨季を思えば飛躍的進歩ですし、この点は本当に素晴らしいなと。感動的ですらありますね(笑)

―例えばこのシーン(映像引用元;Dazn)では、引いてボールを受けに来たボリーニ(赤)がムサッキオ(紫)からパスを受け、素早くサイドのカラブリア(緑)へとボールをはたく。

―ボリーニのマークに付いていたマティッチ(青)は、その後カラブリアへプレス。その際にフリーとなったボリーニは空いたスペースへと素早くフリーラン。

―スペースでかつフリーでボールを受けたボリーニは、すかさず裏に抜け出したピョンテク(画面外)へと縦パス。これが繋がり、最終的にCKを獲得した。このように相手のプレスを躱した後に素早い速攻を仕掛けるのもジャンパオロサッカーの特徴の一つ。
試合は60分、スソのクロスにカスティジェホが頭で合わせ、それがリンデレフに当たりオウンゴール。ミランが逆転に成功します。
ちなみに上記のシーンで獲得したCKからの得点でしたね。
64分からレイナ、クルニッチ、そしてまさかのアンドレ・シウバが投入。チャルハノールがアンカーへと下がり、クルニッチが左に。
リード後もハイプレスを続けるミランですが、躱され深い位置まで運ばれる場面が目立ちます。
体力の問題もあったでしょうが、だんだんと間延びし始めましたね。
すると72分、リンガードに決められて同点に追いつかてしまいました。
ボリーニ完全に疲れていますね。あれだけ走っていれば当然ですが。
76分、ボナベントゥーラ、ストリニッチ、ブレッシャニーニ、コンティ、マルディーニを同時に投入。
正直この時間帯は尋常じゃなく眠かったのですが、ボナベン投入時は盛り上がりました(笑)
終盤については大味な展開。両者ともにカウンター気味の攻撃からチャンスを作るも、ゴールは決めきれずに後半終了。
その後PK戦に突入。内容はマルディーニが外してしまい、結果は5-4でユナイテッドが勝利しました。
ユナイテッド2(5)―ミラン2(4)
○雑感
ミランのICCは、3戦1分2敗と未勝利で幕を閉じました。
勝てなかったことは残念ではあるものの、これまで再三述べてきたようにビルドアップの形や縦への意識の高さ、プレスのかけ方などといった点は昨季とはまるで違いますし、やはり監督の力というのは大きいなあ、と。
決して悪い内容ではなかったと思いますし、非常に実りのある3試合だったのではないでしょうか。
一方で、崩しの局面やリトリート後の守備の緩さは今後に向けての課題でしょうかね
選手個人に話を移すと、この試合ではやはり1ゴール+オウンゴール誘発のクロスで結果を残したスソを褒めないわけにはいきませんね。
トップ下として特別良いパフォーマンスを披露したとは思えませんが、シンプルに素早くプレーしているのは好印象ですし、何より結果を残したわけですからね。
チャンスを作り出す能力に関しては流石の一言です。
後はボリーニ。彼に関しては認識を改める必要があるかもしれません。
不慣れなインサイドハーフ起用ながら、動き自体は試合をこなす毎に良くなっていると思いますし、良い意味で完全な誤算でした。
これで年俸が半額以下であれば残留を熱望していましたね(笑)まぁ仮に残留するとしても戦力外にはならないと思います。
残りの選手については後の記事で書く予定です。
さて。ICCが終わり、いよいよ3週間後に待望のセリエAが開幕します。
これからはバカンス組が復帰し、いよいよシーズンに向けての本格的なチーム作りとスタメン構成の作業が始まるわけですが、更にチームの組織力が高まるかと思うとワクワクしますね。
残りの準備期間を存分に活かしてもらい、万全の態勢で新シーズンを迎えてほしいと思います。
Forza Milan!
最後まで読んでいただきありがとうございました。