ジャンパオロ・ミランの暫定スカッドについて 【後編】

こことインサイドハーフは予想が難しいというか、現時点では補強も放出もまだ十分には進んでいないためかなり未知数なポジションですね。
現有戦力の中で最も「無難」な選択肢はビリアなわけですが、連日報じられる移籍報道(というよりヴェレトゥとのトレードの噂)を見るに、ジャンパオロはあまり彼を評価していなさそうですね。
というわけで、既にクラブ間合意を果たしているベナセルが順調に加入してくれれば、編成バランス的に彼がアンカーポジションのファーストチョイスになるのではないかと。
個人的に、ベナセルはインサイドハーフ(ボールの運び屋)としてもアンカー(レジスタ役)としても将来有望な選手だと思っているのですが、現時点で言えば前者の方が得意なのかなーという気がするんですけどね。
まぁ今季中盤戦以降は主にアンカーでプレーしていましたし、そのポジションでの抵抗はないはずですので期待は十分です。
ジャンパオロが彼をレジスタとして覚醒させてくれれば、本当に面白いチームになると思いますよ。楽しみです。
それと、スタメン予想図ではチャルハノールをアンカーポジションのセカンドチョイスとしているのですが、これについては後述します。
・右インサイドハーフ
まず右なのですが、こちらはヴェレトゥが加入した場合は彼がレギュラーとなるのではないかなと。
ヴェレトゥの持ち味は何といっても正確なキック精度と運動量を活かした上下動ですから、チームに質と量をもたらしてくれるでしょうね。
また、ヴェレトゥをアンカー起用するという案もあるらしいですが、個人的にはあまり賛同できません(レジスタタイプではないと感じるため)。
ヴェレトゥ(ないし他の新加入選手)が来ない場合は、消去法でケシエになるかもしくはクルニッチを右に回すかですかね。
クルニッチは左でプレーしている印象が強いのでそっちでの起用がメインだとは思うのですが、ケシエの適応度によっては彼が右インサイドハーフを務める可能性もあるかなと。
ケシエはチーム戦術にフィットしますかね?
個人的に足元の技術(パス精度)自体はそこまで絶望的ではないと思っているので、判断とポジショニングの酷さをどうにか改善できれば貴重な存在になれるのではと考えています。
まぁそれなりのオファーが届けば、放出するというのも十分にアリだと思いますけどね。
・左インサイドハーフ
新加入のクルニッチに加え、チャルハノールとボナベントゥーラ、そして場合によってはパケタもここに割り込んでくる可能性があるというもの凄い激戦区です。
一応スタメン予想はクルニッチとしたのですが、これには主に2つ理由がありまして、まずボナベントゥーラが8~9カ月間のブランクからどの程度コンディションを取り戻せるか未知数であるというもの。取り戻せればレギュラー最有力ではあるんですけどね。
そしてもう1つはチャルハノールを、果たしてどのポジションで起用しようとしているのかがイマイチ読み切れないというものです。
ベナセルを獲得してもビリアが移籍するのであれば、アンカーポジションを務められるのはベナセル1人(ヴェレトゥを含めれば2人ではありますが)。つまり明らかに層が薄いんですよね。
ですので、このアンカーポジションにチャルハノールを起用できるようにするプランがジャンパオロの中にはあるのではないかと。
チャルハノールアンカー案については何度か報道でも示唆されていますから、決して突拍子もない話ではありませんし、能力的にも見込みはあります。
チャルハノールのアンカー起用の目処が立てば編成バランス的にも良くなりますし、できれば実現してほしいなぁなんて思っています
・トップ下
「パケタで不動です、はい終わり」とあっさり締めたいところなんですがそうもいかず(笑)
報道によればスソをトップ下で起用する案があるらしく、その場合パケタは左インサイドハーフに回されることになるとか。
ジャンパオロのトップ下は役割が多岐にわたっており、例えば下がってパスを引き出す、もしくは裏に抜けてパスを引き出す、他にも中盤・SBとトライアングルないし菱形を作って相手ブロックを崩しにかかるなど、とにかく流動的に動いて中盤と前線を繋げる必要があります。
また、守備にも精力的に動く必要がありますから(サイドへ誘導したボールをインサイドハーフやSBと協力して奪いにかかるなど)、どう考えてもスソ(固定的なポジショニング、守備は緩く意識も低い)では適応は難しいんじゃないかと思うんですけどね。
もちろんフィットすればそれで良いんですが、なまじ彼のチャンスクリエイト力は凄まじいため、チーム戦術にフィットしないまま個人技で得点に絡んでなぁなぁでシーズンが進んでいくといった事態だけは避けて欲しいですね。
ちなみに何度か書いた気もするんですが、パケタ欠場の場合の代役はボナベントゥーラとかが面白いと思います。
・2トップ
ピョンテクは不動。残るスタメン一枠をクトローネとアンドレ・シウバが争うという構図です。ここは中盤と比べたら遥かにシンプルですね(笑)
スソやカスティジェホ、ボリーニがここで起用される可能性もなくはないでしょうが、優先度は低いはずです。
とりあえずスタメン予想は、報道曰くジャンパオロの評価が上がっているらしいクトローネとしましたが、どちらがスタメンの座を射止めるかは微妙なところ。能力的には(ピョンテクとの相性を考えた場合)アンドレかなーと思いますが、心情的にはクトローネ派です(笑)
また、2人とも移籍の噂が未だ消えておらず、FWの補強の可能性についても取り沙汰されているため、まだまだ油断のならないポジションであることは中盤と変わらないですね。
個人的には、もう少し流動的に動けるFWを一人補強して欲しいと思っています。
○まとめ
さて。ここまで2回に渡って長々と書かせていただきましたが、少し情報を整理しようと思います。
まず、現時点で残留・スタメン・ポジションが全て決定的なのがロマニョーリ、ピョンテクの2人。
上記の3つの要素の内2つ決定的なのがドンナルンマ(残留以外)、パケタ(ポジション以外)、カラブリアとコンティ(スタメン以外)の4人。
続いて各ポジションにおける今後の注目ポイントについて。
GKは、何といってもドンナルンマの去就。残留の場合はプリッツァーリがどうなるか。移籍の場合は新GKの加入はあるのか。
CBは、「4人目のCBは誰になるのか」という点。レギュラークラスの選手を多少無理してでも獲るのか、バックアッパー止まりの選手を格安で獲るのか。はたまたプリマから昇格させるのか。
SBは、ラクサールとロドリゲスの去就。そして今季は不振に終わったコンティとストリニッチの復調の有無。
アンカーは、ビリアの去就と、チャルハノールのアンカーへのコンバートはあり得るかという点。そしてベナセルが獲れるかというのももちろん注目。
インサイドハーフは、ボナベントゥーラのコンディション回復の具合とケシエの去就。残留の場合はジャンパオロの戦術に適応できるか。そしてヴェレトゥが獲れるかというのももちろん注目。
トップ下は、パケタとスソのどちらを主軸に据えるのか。パケタなら問題ないが、スソならジャンパオロの戦術に適応できるか。
2トップは、クトローネとアンドレ・シウバのどちらがよりジャンパオロにアピールできるか。新FWの加入はあるのか。あるなら上記2人の去就はどうなるのか。
こんなところでしょうか。
今後移籍市場は更に活発になるでしょうし、そして練習では戦術を落とし込んでいく過程で選手の「選別」が行われていくでしょう。
来シーズンに向けてのこの重要な時期、チームには万全の準備をしていただきたいところです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。