18-19シーズンのガットゥーゾ・ミランを振り返る 【後編】
今回は前回の続きから最後まで振り返ります。。
※【導入】→コチラの記事
※【前編】→コチラの記事
※【中編】→コチラの記事
・22節ローマ(A)1-1△
・23節カリアリ(H)3-0○
・24節アタランタ(A)1-3○
・25節エンポリ(H)3-0○
・伊杯R4 1stラツィオ(A)0-0△
・26節サッスオーロ(H)1-0○
・27節キエーヴォ(A)1-2○
結果を見れば一目瞭然ですが、この時期(2月~3月中旬)こそ間違いなく今季のミランにとって全盛期でした。
前節ナポリ戦に引き続いて敵地でローマと引き分けると、コッパ・イタリアのラツィオ戦を挟んで怒涛の5連勝を達成。
その中にはCL権を最後まで争ったアタランタとの一戦も含まれています。
またスコアも非常に良く、年明けからこの時期までのミランは欧州でも屈指の失点数の少なさを誇るクラブとしても少し話題になりました。
快進撃を続けた理由としてはコチラの「戦術Gの功罪」にて当時既に私見を述べているのですが、改めて当時のシステム・戦術の特徴を簡潔にいうと
・ハイプレスをやめ、9人(スソがサボるときは8人)でミドル~ローラインブロックを作り引いて守るようになった(→機能しないハイプレスをやめたことで無駄に体力を使うことがなくなった。またカウンターを受ける回数が減った)。そしてバカヨコ、ロマニョーリ辺りが中心となり尽くボールを弾きだす。
・それでも守備網を破られることがあったが、ゴールマウスには世界屈指のシュートセーブを誇るドンナルンマが控えておりゴールを死守。
・一方、ロングカウンターに関しては全くといっていいほど機能しなかった(基本的にピョンテク1人しか残っていないため、彼に放り込んでも何も起こらない。またスソが攻め残りして2人になっていても、結局ボールを運べない)ため、攻撃はポゼッションが中心。その際はパケタとチャルハノールの流動的な動きとコンビネーションをメインに崩していく。
・フィニッシュに関してはピョンテクが神がかり的な決定力を見せ、わずかなチャンスをものにする。
大体こんなところでしょうか。冬加入のピョンテクとパケタが如何に重要な存在であったかを改めて感じます(笑)
〇ターニングポイント
・28節インテル(H)2-3●
・29節サンプドリア(A)1-0●
・30節ウディネーゼ(H)1-1△
・31節ユヴェントス(A)2-1●
・32節ラツィオ(H)1-0○
・33節パルマ(A)1-1△
・伊杯R4 2nd ラツィオ(H)1-0●
・34節トリノ(A)2-0●
5連勝中と最高の状態でミラノダービーを迎えたミランですが、ここで2-3の敗北を喫して以降、風向きがガラッと変わります。
その後の29節~34節の計6試合で手に入れた勝ち点はわずか「5」。その間にはコッパ・イタリアでラツィオに負け決勝進出ならずと散々な結果に。
ロングカウンターの酷さが一向に修正されず、その状態で頼みのピョンテク、パケタのコンディションが落ちてきたことで攻撃は完全に機能不全。
守備に関しても徹底的に引いて守るこれまでのやり方を止めたことで固さが失われ、失点増という結果に。ドンナルンマ(レイナ)がいなければ更に悲惨なことになっていたでしょう。
〇遅すぎた逆襲
・35節ボローニャ(H)2-1○
・36節フィオレンティーナ(A)0-1○
・37節フロジノーネ(H)2-0○
・38節SPAL(A)2-3○
自力CL(4位)が消滅し、もはや勝ち続けてライバルが勝ち点を落とすのを祈るしかないミラン。
そんな土壇場。エースのスソが復調を果たしファイナルサードでのキレを取り戻してくれたことで、ミランはスソにボールを預け右サイドから徹底的に攻め込んでいく戦法に活路を見出します。
結果、相手のパフォーマンスの悪さにも大いに助けられ、ミランは4戦全勝を達成。しかし3~4位のアタランタ、インテルに勝ち点「1」届かず5位フィニッシュとなりました。
○おわりに
4回に渡って18-19シーズンのミランを振り返りましたが、こうして見ると今季も色々とありましたねー(笑)
全体的な試合内容についてはノーコメントですが、最後までCL権争いに参加し、最終節までハラハラドキドキしたのは久しぶりだったのでその点については純粋にとても楽しめましたね(これでCL権が獲れていれば最高だったんですけどね・・・。)
来季はジャンパオロ・ミランがどのような興奮と感動をくれるのか。とても楽しみです。
非常に長くなりましたが、最後までこのシリーズを読んでいただきありがとうございました!