スソ、カスティジェホ、ボリーニは新境地を拓けるか
しかし、来季の新監督であるジャンパオロは4-3-1-2の使い手であり、ミランでも9割方このシステムを採用すると思われます。
したがって得意のポジションがなくなる上記の3者は、果たしてどうなるのか/どうするべきなのか。
前回の記事にて同様の質問をいただいたこともあり、今回はこれについての私見を述べさせていただきたいと思います。
これが最も現実的であり、かつベストに近いベターな選択であるというのが個人的な見解です。
3者ともに現時点ではジャンパオロの4312にそこまでフィットするとは考えられず、また多額の資金を捻出する必要性に迫られているミランからすれば、構想外となりかねない選手については積極的に換金するべきかなと。
ですがこれだけだと回答として味気ない(笑)
それに、上記の予想はあくまで「昨季までのパフォーマンス」を前提としたものであり、ジャンパオロの下で覚醒してチームスタイルにフィットする可能性というものも存在します。
そこで次は、3者がどのようなプレースタイルの変化を見せればチームにフィットしそうなのか。それについての私見を述べていきます。
〇スソ
まずスソについてですが、(ジャンパオロ戦術の下で)起用できそうなポジションはトップ下と2トップの右。
しかし前者に関しては、まず限りなく厳しいと個人的には思います。
このポジションで求められる資質は、ポゼッションに際しては流動的な動き、後方からボールを引き出すポジショニングの上手さ、ボールキープ力など。
(ロング)カウンターに際しては運動量(スプリント)、スピード、ドリブル、パスなど。
守備の際も積極的な貢献が求められ、基本的には相手アンカーに対するマークに加え、サイドにボールを誘導した後はホルダーに対する囲い込みに参加するなどのタスクが求められます。
これらの多くは「今の」スソの欠点として挙げられるものであり、このポジション・役割への適応のためにはクリアすべき課題が多すぎるかなと。
それに、彼の最大の武器は何といってもファイナルサードでのチャンスメイク力、中でもサイドでボールを受けてからのカットインorクロスだと思いますから、それができる回数の減るトップ下が良いとも思えません。
一方2トップの右ですが、こちらの方がまだ適応の可能性はあるかなと。
サイドに流れ得意の形に持っていくのもトップ下よりは容易ですし、ファイナルサードでボールを持てる頻度も増えます。
また守備に関しても、タスクは主にCBへプレスをかけボールをサイドに誘導することですし、リトリートの際も戻る距離が短くトップ下よりは負担が少ないですしね。
問題としては、密集した中央エリアで効果的なプレーができるか怪しいのと、2トップと言いつつサイドに常駐してしまい、結果として変則4-3-3(左ウィングが中央寄り)のようになってしまうんじゃないかという点かな、と。
そもそもクトローネやアンドレ・シウバを差し置いて起用するとも思えませんしね。
最後に。どちらのポジションにせよ、スソのファイナルサードでの(限定的な)チャンスメイク力は凄まじいものがありますし、それ故にポジション・役割に十分適応していないのに独力で得点・アシストを残すという事態が起こり得ますが・・・それは避けたいですね。
〇カスティジェホ
スソだけでかなりの文量になってしまったので、少し飛ばします(笑)
カスティジェホもスソと同様トップ下と2トップの右が起用可能(の見込みがある)ポジションでしょうか。
しかしスソよりも運動量、スピード、守備の貢献があるためトップ下の適性は比較的ありそうかなと。
ビジャレアル時代の好プレー集を観ると、カウンターの局面で中央から良いスルーパスを通したりもしていますし、少なくとも(ロング)カウンターでは彼の持ち味が出そうです。
一方で狭い局面でのプレーですとか、相手のマークをいなして前を向くプレーとかは苦手なようなので2トップの右は厳しいかなと。裏抜けも得意ではなさそうですしね。
いずれにせよ、彼はまずボールの受け方や、狭い局面におけるプレーの改善は必須だと思いますし、現時点ではどちらのポジションでも厳しいと思います。
スペースがある試合(サッスオーロ戦とかエンポリ戦とか)ではしっかり活躍していますし、ポテンシャルはあると思うので、上記の点を改善できればセリエAでも結果を残せる選手になれるのではないでしょうか。
〇ボリーニ
起用するとすれば2トップの一角のみでしょうね。
前にも書きましたが、彼は元々は動き出しに優れた裏抜けタイプのストライカーでしたから、そうした動きを思い出せば優秀な控えにはなれるのではないかと。
SBとかは厳しいでしょうね。
〇まとめ
以上ここまで私見を述べさせていただきましたが、やっぱり3人とも適応は難しいかなーとは思います。
まぁ残留するとしたらもちろん応援しますし、ジャンパオロが素晴らしい手腕を発揮してフィットさせる可能性もなきにしもあらずですから、ひとまずは静観ですね。
長くなりましたが、最後まで読んでいただきありがとうございました。