明暗分かれた2人の元ミラン監督 ~ピッポとミハ~
〇はじめに
僕は基本的に元ミラン監督のその後のキャリアというのを結構気にしていて、その後の就任先のチームの試合とかよく観るんですよね。
僕のように気にしているミラニスタの方もいるかもしれないので、今回は、今季のボローニャを指揮した2人の元ミランコーチについて少し書こうかなと。
〇インザーギ政権
今季のボローニャはドナドーニ監督に別れを告げ、ヴェネツィアで数年に渡り結果を残したフィリッポ・インザーギを招聘しました。
採用したシステムは基本的に5-3-2。守備ではローラインかつ中央をガチガチに固めて守り、攻撃は主にロングボールを前線のサンタンデールに目がけて放り込むというもの。
組織的であればこういう戦術も個人的には好みなのですが、残念ながらピッポのボローニャはそうではなかった。
攻撃に関しては後方からのビルドアップがかなり不安定で、その多くは前線への単調なロングボールの放り込み。
何とかボールを運べた後は大勢がエリア内に入りクロスのターゲットとなりますが、逆にターゲットが多すぎてカウンターケアをお粗末にしてしまいました。
そして肝心要の(ロング)カウンター攻撃ですが、前線の組み合わせがサンタンデールとファルチネッリ(パラシオ)では機能するべくもなく・・・。
一方守備に関しては、攻撃を半ば捨ててガチガチに固めていたこともあり一定の成果は上げていましたが、3ボランチのメンバーによっては中盤が上手く機能せず、中央とサイドで相手に好き放題やられるという試合も観られました。
・・・というわけで攻守ともに不安定な組織を作り上げてしまったピッポは、就任後21試合で2勝8分11敗、16得点34失点の18位と低迷。
残留争いのライバルであったフロジノーネに4失点大敗を喫したことで、解任の憂き目に遭いました・・・。
〇ミハイロビッチ政権
ピッポの跡を継いだのが、こちらも元ミラン指揮官であるシニシャ・ミハイロビッチ。
かつてはローラインブロックからの堅守速攻で名を上げたわけですが、トリノでは前からアグレッシブに仕掛けるハイプレスショートカウンターを志向していましたね。
今回はどうするのかと興味津々でしたが、結論からいうとトリノ時代同様前からアグレッシブにボールを奪いに行くスタイルにチームを方針転換させました。
システムは4-2-3-1or4-3-3が基本。DFラインを上げ、ハイプレスショートカウンターで手数をかけずにゴールを狙うスタイルはチームにフィットし、ボローニャは見事に復活。
選手に関していうと、冬加入のサンソーネ、ソリアーノ、リャンコ等をすぐさまチームに組み込み、更にピッポ時代は燻っていたプルガル、オルソリーニを成長させるなど、育成面でも手腕を発揮。
そんなミハイロビッチ就任後のボローニャの成績は17戦で9勝3分5敗、32得点22失点という素晴らしい好成績。
結局のところ今季のボローニャは10位でフィニッシュ。前半戦を考えれば望外の結果と言えるのではないでしょうか。
おわりに
今のところ指導者としての手腕はピッポよりミハの方が明確に上だといえそうです。
まぁミハの方が指導歴も経験もありますしね。
今回のボローニャ立て直しにより再び評価を高めた彼は、来季のローマ、ユヴェントス次期監督候補として報道されるほどになりました。
ただ結局のところボローニャと契約延長したみたいですね。どれだけの戦力を維持し更に上乗せできるかにもよりますが、来季のボローニャは中々楽しみなチームです。
一方、ピッポは攻撃組織の構築力(特にカウンターの局面)をもう少し上げたいところですかね。ミラン監督時代も(序盤を除けば)攻撃がグダグダでしたしね。
まだまだ指導者としては若いですし、今後の成長に期待です。


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