ジャンパオロの戦術について ~サンプドリアの名将~

4 Comments
カカニスタ22

はじめに

ガットゥーゾ監督の退任が正式に決まったことで、否が応でも気になるのが「新監督は誰になるのか」という点です。

各メディアは様々な名を挙げていますが、中でも有力候補と目されているのがラツィオのシモーネ・インザーギ、モナコのジャルディム、サンプドリアのマルコ・ジャンパオロの3者。

まずシモーネについてですが、個人的に彼はユーヴェの監督or残留になると踏んでいますので様子見。

そしてジャルディムについてですが、僕は彼のチームについては観ていないためほとんど知りません。よって彼についてもノーコメント。良い監督という話は随所に耳にするので、悪感情は全くないですけどね。


で、ジャンパオロ

あれ、結構アリじゃない?というのが率直な感想です。

以前、新監督候補について言及した時はそれほど肯定的ではなかったんですけどね。状況が変わりましたしね。
一応当時は肯定的じゃなかった理由を述べますと

・当時はCL行きの可能性があった(→できればCL経験のある監督が良かった)

・当時はガスペリーニ、ディ・フランチェスコ就任の可能性があった(前者は完全に消滅、後者もなぜか噂が消えた上に、CLがないから個人的優先度も下がった)

・好きな監督だけに、失敗のリスクを減らせるようもう少し経験を積んだ上でミラン監督になって欲しかった




他にもいろいろありますが、とりあえずはこんなところです。



というわけで今回は、ジャンパオロをお薦めする理由とか、ジャンパオロの戦術について語ります。

導入が強引すぎますが、許してください(笑)

ジャンパオロを推す理由


ウイングを獲る必要がなくなる

ミランの補強必須ポジションとして挙げられる左WGですが、ジャンパオロの使用戦術は99パーセントの確率で4-3-1-2のため、彼が来るなら獲得の必要がなくなります。


若手の育成が上手い

今後のミランの若手路線とマッチします。


ビッグクラブ向きの戦術スタイル

テンポの良いショートパスを基調とする主体的なサッカーを志向するため、この点においてはビッグクラブ向きの監督といえます(ビッグクラブではボールを持たされる試合・展開が増えるため)。


4-3-1-2の使い手

最近ではめっきり減った4-3-1-2を使う監督。3-5-2の流行のせいでしょうか。
彼以外に継続的に使っているのは今季だとカリアリのマラン位でしょうかね。

4-3-1-2信者の僕としてはこれだけで推す理由の一つとなります(笑)


⑤名前がカッコいい




ジャンパオロの戦術~攻撃編~

では本題である戦術の話へ。

まずは攻撃についてですが、先ほども少し述べたようにテンポ良くショートパスを繋いでいく攻撃的なスタイルです。

ゴールキックからのスタート時もショートパスが基本。ただしその際にアンカーが下がって受けに来ることは少なく、GK+2CB+(状況に応じて)SBの計3~4人ほどでパスを回している印象が強いですね。アンカーは敵のファーストプレスの背後に位置し、ビルドアップの出口としての役割を持っているのかなと。


次に、その後の崩しのフェーズですが、基本は「縦に速く」を意識しているようなので、可能ならば2トップorトップ下へ縦パスを入れての速攻がベストな形なのでしょう。

無理ならばポゼッションに移行するわけですが、その際は中盤が流動的にフリーランすることで相手マークをずらしスペースを作り出していきます。

サンプドリアミラン 攻撃
―かなりシンプルな例ですが、例えばこのシーン。右インサイドハーフのプラート(水)のサイドに流れる動きにSBのリカロド(橙)が釣られ、それにより生じた背後のスペースをクアリャレッラ(青)が突くという形


かつてのミランで例えるとすれば、アッレグリ政権一年目のミランに近いですかね。
そう言えばアッレグリとジャンパオロって共にガレオーニという人物の弟子らしいので、ある程度似通った戦術観を持っているのかもしれないですね。



最後にフィニッシュについて。
カウンターであれば中央に持ち運んでからの裏抜け主体ですが、ポゼッションだとクロスを上げてクアリャレッラがアクロバティックに合わせる形が多いですかね。
また、中盤の選手が飛び出してきてロークロスをダイレクトで合わせるという形もあります。

ただポゼッションだと、逆に中央から崩して決めるという形はそんなに多くはないかなと(要は中央を固められるのが苦手)。
まぁその辺は選手の技術レベル(クアッリャ以外)もあると思うので、ジャンパオロの責任だけではないと思いますけどね。


ちなみに、彼らの今季のリーグ戦における総得点数は「60」で、これはセリエAで5番目に多い数字です。



ジャンパオロの戦術~守備編~

続いて守備戦術についてですが、これは先日の最終節・ユヴェントス戦の試合を見ながら解説していこうかなと(キャプチャ映像元はいずれも『Dazn』より)。


まず、守備はハイラインでのゾーンプレスが基本です。

サンプドリア守備1
―形は4-3-1-2を維持。サイド(SB)にボールが渡ったところでインサイドハーフ、トップ下辺りで囲い込んでボール奪取を狙う


相手ゴールキック時にマンツーマン気味のハイプレスを仕掛けることもありますが、そういうときは大抵今季のミランのようにビルドアップが壊滅的なチームだったり、戦力的に相手が格下だったりする場合ですね(その時々の状況にもよりますが)。



そして、リトリート後の布陣も4-3-1-2を維持し、4-3ブロックでコンパクトに守ります。

サンプドリア守備2
―リトリート後も布陣を維持するサンプドリア。2トップは画面外でカウンターに備えている


4-3-1-2維持のメリットとしては、カウンターに転じた際に2人のストライカーが攻め残っているため、ロングカウンターが機能しやすいという点が挙げられます。
2トップ+トップ下の組み合わせ次第では破壊的なカウンターを仕掛けることも可能になるでしょうね。

逆にデメリットとしては、中盤を3枚で守るため中盤にスペースができやすい点ですね。
つまり彼ら相手には素早いサイドチェンジからの速攻が有効ですし、現に昨季のミランもそうした方法でサンプドリアを粉砕しました。


上記の弱点を出来る限り晒さないためには、中盤の3人には豊富な運動量献身性巧みなスペース管理が絶対に求められますし、彼らの働きは攻守において非常に重要になります(先ほどの攻撃編で触れましたが、攻撃の際もたくさん走ることが求められるため)。


ちなみにここ最近のサンプドリアは全く勝てていませんでしたが、おそらくその理由の一つは中盤の選手が勤続疲労により動きが悪く、攻守において機能しなくなったことにあるのではないでしょうか(ここ1カ月ほどサンプドリアの試合は全く観られていなかったので、完全に推測ですけどね)。

調子の良い時の彼らは非常に組織的で固い守りを見せてくれるので、個人的にはかなり好きなチームです。



おわりに

ここまで書いてきましたが、ふとミラン情報を調べたらシモーネが次期監督として有力なんて記事が・・・笑

個人的にはジャンパロの方が好みですが、まぁシモーネも素晴らしい指揮官ですからね。
おそらく安定感という観点からすればシモーネの方が間違いなくあるでしょうしね。



今回の執筆目的の一つとして、他の新監督候補(EDFとかシモーネとかジャルディムとか)に比べてジャンパオロの知名度も人気も低そうだったので、彼も良い監督なんだぜーっていうのを多くの方に知ってもらいたかったっていうのが一番です。

同じ4-3-1-2信奉者として、ジャンパオロの人気が上がることを祈るばかりです(笑)


長くなりましたが、最後まで読んでいただきありがとうございました。

スポンサーリンク

関連記事

スポンサーリンク

Comments 4

There are no comments yet.
すくろう  

カカニスタさんの記事を読むまではシーモ希望だったんですがあら不思議ジャンパオロ良いじゃない!
全然どんな監督かは知らなかったんですが4-3-1-2は確かにウイング要らずですし今のミランの状況には合います
今季のサンプ60点も取ってたんですね
クアリアレッラまさかのキャリアハイって所ばっかり目がいってました。
しかしイタリアのストライカーは2度咲きの選手が多いのは何故なんでしょう?

話は変わりますがガットゥーゾは違約金受け取らずって…いやぁ漢ですね
監督としてはまぁこういう結果にはなってしまいましたが人間的にはやっぱり偉大な人でしたね!

  • 2019/05/30 (Thu) 23:34
  • REPLY
カカニスタ22
カカニスタ22  
返信>>すくろうさん

コメントありがとうございます!

そう言っていただけると非常に嬉しいです!
書いた甲斐がありました(笑)


>>しかしイタリアのストライカーは2度咲きの選手が多いのは何故なんでしょう?

これだけで記事が1つ書けるくらいの本当に意義深い疑問だと思います。

確かな根拠はありませんが個人的見解を述べさせてもらうと、おそらくはセリエA特有の守備が大きく影響しているのかなと。

セリエAは中央のスペースが非常に狭く、またキーパーも軒並み優秀といった傾向が強いため、それらを掻い潜ってゴールを継続的に奪うにはDFとの駆け引きの技術や動き方、シュート精度、ゴール前での冷静さといった要素が求められます。

そうした要素は経験を重ねてこそ得られるものも多く、そのためベテランになってストライカーとしての才能が開花する選手が多いのでしょう。

ちなみにそうした選手は、若い頃はテクニシャンだったりスピードがあったり、ファンタジスタ要素があったりする場合も多いですね。
クアリャレッラもそうですし、かつてウディネーゼで大活躍したディ・ナターレなども同様です。

衰え知らずのテクニック+厄介極まりないセリエAの守備によって培ったゴールセンス。
この2つが合わさることで第二の全盛期を迎えるおじさんが誕生するのでしょうね(笑)


後は・・・そうしたストライカーを扱う術に長けた監督がセリエAに多いというのも理由の一つだと思います。
特に中~下位クラブは1人のストライカーの能力を存分に活かし、点を取らせる組織づくりをするチームが多いですから、そういう場所で活かされて能力と自信をつけ、覚醒するパターンもあるのでしょうね。

  • 2019/05/31 (Fri) 11:27
  • REPLY
すくろう  

なるほど!
確かにイタリアは他の国よりも経験や駆け引きという能力を評価する傾向が強いし中下位のチームには老練なストライカーがいて対戦するときには厄介極まりないですもんね
今季のクアリアレッラ程ではなく、イタリア人でもありませんがパラシオとかパンデフとかみたいに今このチームにいるのかよみたいな感じの選手も確かに多い。
そしてこの二人も確かな技術と駆け引きに長けた選手でカカニスタさんの仰るパターンに当てはまりますね!
今季のEL、CLの決勝カードも含めお金も実力も時代はプレミアリーグってな感じですがセリエにはそういう面白味もあるので目が離せません

  • 2019/05/31 (Fri) 13:17
  • REPLY
カカニスタ22
カカニスタ22  
返信2>>すくろうさん

ベテラン(ストライカー)の活躍はセリエAの華ですからね(笑)
今季はペリシエを始め何人かのレジェンドが去りましたが、来季も変わらずベテラン達がセリエAを盛り上げて欲しいと思います!

  • 2019/05/31 (Fri) 19:11
  • REPLY