【セリエA31節】 ユヴェントス対ミラン 【マッチレポート】
スタメン


前半
○序盤の攻防
開始序盤~15分辺りまではユーヴェがハイプレス。
ミランのプレス耐性はお世辞にも強いとは言えませんから合理的です。
GKのレイナに対してもプレスをかけにくるためミランは敢えなくロングボールを多用。
ただドンナルンマの時よりは比較的上手くプレスから逃げることができてたなぁという印象でしたね。この辺はレイナの強みが活きましたね。
全体的にユーヴェのハイプレスに手を焼いたミランでしたが、サンドロ(この試合の序盤は左CB起用)のクリアミスからカウンターを仕掛け、スソの見事なクロスからピョンテクが惜しいヘディングシュート。
不慣れなポジションで起用されていたサンドロのプレーはこのシーンに限らずかなり不安定でしたね。
○システム変更と疑惑の判定
前半中盤(30分辺り)からユーヴェはシステムを442に変更します。

―ユーヴェの4-4-2
それまでは532で守っていたわけですが、中盤のスペースを流動的に動くチャルハノールやスソに使われる場面が多々見られましたからね。
それにサンドロを本職の左SBで起用できますし、この変更により攻守のバランスを取り戻そうという意図だったのではないでしょうか。
しかし37分、左に流れてきたチャルハノールとスソの連携により突破され、最後はチャルハノールのクロスをサンドロが手で弾いてCKへ。
明らかにハンドだったと思いますが、VARをもってしても判定は覆りませんでした。
○低調の王者
しかしその数分後、相手ゴール手前で見事にインターセプトしたバカヨコがピョンテクに預け、そのピョンテクが冷静にゴールに流し込んでミランが先制に成功しました。
バカヨコももちろん素晴らしいですが、この試合でも孤立無援だったピョンテクの決定力の高さにはただただ脱帽です。
それはそうと、この試合前半のユーヴェは失点シーンに限らず守備組織がかなり杜撰だなぁと感じましたね。
プレスが緩かったり2ライン間が空きまくりだったりしてそこを簡単に突かれるなど、彼ららしくないパフォーマンスだったかなと。

―例えばこのシーンでは、チャルハノール(赤)が2ライン間に入り込んでスソ(黄)からのパスを引き出した

―このシーンでも2ライン間がかなり間延びしているため、スソが楽にボールを受けられた
というわけで前半はミランの1点リードで終了。
後半
○ユーヴェの逆襲
ユーヴェがハイプレスを再開。
そして攻撃も前半とはうって変わり機能し始めます。
その要因の一つはボヌッチでしょうね。
彼がパスの供給源となり、主に左サイドへのロングパスがズバズバ通ります。

―ドフリーでボールを受けたボヌッチ(青)が左サイドへと鋭いロングフィード
そしてSBのオーバーラップだったり2トップの一角がサイドに流れてきたりすることで、サイドで数的優位を確保しつつ相手バックラインを横に広げさせます。。

―ボヌッチからのロングフィードが通った後の場面。ミランSBのカラブリア(橙)が相手SB(サンドロ)とSH(スピナッツォーラ)という2人の相手をマークする数的不利に陥っている。
また、CBのムサッキオ(桃)との距離が大きく離れたことでミランにとって非常に危険なスペース(黒丸)が生じてしまっている
上記のようにサイドから機能的な攻撃を仕掛けられたことでミランの中央のスペースが空き始め、危ないシーンを作られるようになります。
ミランとしては、先制して完全にミドルブロックに切り替えたことでCB(ボヌッチ)へのプレスを止めたことが仇になりましたね…。
○2つの自滅①
59分、これまたボヌッチのロングパスから前線のディバラへとボールが渡り、エリア内でムサッキオに倒されてPKを獲得。
それを自らが決めて同点に追い付きました。
PK獲得のシーンですが、おそらくカラブリアはサイドに張っていたスピナッツォーラに注意が向きすぎていたのでしょうかね。
そしてムサッキオ…あの状況で無理にタックルを仕掛ける必要は…
○2つの自滅②
同点後は両チームともに攻勢をかけてオープンな展開に。
しかしキーン投入後、徐々にユーヴェが決定機を作り始め不穏な空気に。
後半から良くなってきたとはいえ、ユーヴェはそれほど複雑なことはしてないんですけどね。
まぁそれはミランも同様ですし、地力の差が出てきたということでしょうか。
すると84分、カラブリアのパスがインターセプトされ、最後は上述のキーンに決められ2-1と逆転されました。
カラブリアも不用意でしたし、リカロドも守備が…
年明け頃までは素晴らしかったはずですが、最近は良くないですね。
閑話休題。その後ミランはクトローネを投入して攻勢をかけますが追加点ならず。
試合は2-1で終了。
まとめ
積極的な攻めを見せて先制点を奪い、「これはイケるかも!」と思いつつも終わってみれば2-1の敗戦。
前述の通り前半のユヴェントスのパフォーマンスはかなり悪く、前半の内に複数得点奪えていれば違う結果にもなったのでは…と思ってしまいますね…。
この敗戦により4戦勝ち無しとなったものの、パケタ、ドンナルンマ抜きでこの試合内容は決してネガティブなものではありませんし、選手たちにはあまり引きずらないでもらいたいですね。
さて。次節の相手はラツィオです。
彼らはCL権争いの直接のライバルであり、その意味で彼らとの試合の重要度はユーヴェ戦の比ではありません。
絶対に絶対に勝利を収めて欲しいですね!
Forza Milan!
最後まで読んでいただきありがとうございました。
○序盤の攻防
開始序盤~15分辺りまではユーヴェがハイプレス。
ミランのプレス耐性はお世辞にも強いとは言えませんから合理的です。
GKのレイナに対してもプレスをかけにくるためミランは敢えなくロングボールを多用。
ただドンナルンマの時よりは比較的上手くプレスから逃げることができてたなぁという印象でしたね。この辺はレイナの強みが活きましたね。
全体的にユーヴェのハイプレスに手を焼いたミランでしたが、サンドロ(この試合の序盤は左CB起用)のクリアミスからカウンターを仕掛け、スソの見事なクロスからピョンテクが惜しいヘディングシュート。
不慣れなポジションで起用されていたサンドロのプレーはこのシーンに限らずかなり不安定でしたね。
○システム変更と疑惑の判定
前半中盤(30分辺り)からユーヴェはシステムを442に変更します。

―ユーヴェの4-4-2
それまでは532で守っていたわけですが、中盤のスペースを流動的に動くチャルハノールやスソに使われる場面が多々見られましたからね。
それにサンドロを本職の左SBで起用できますし、この変更により攻守のバランスを取り戻そうという意図だったのではないでしょうか。
しかし37分、左に流れてきたチャルハノールとスソの連携により突破され、最後はチャルハノールのクロスをサンドロが手で弾いてCKへ。
明らかにハンドだったと思いますが、VARをもってしても判定は覆りませんでした。
○低調の王者
しかしその数分後、相手ゴール手前で見事にインターセプトしたバカヨコがピョンテクに預け、そのピョンテクが冷静にゴールに流し込んでミランが先制に成功しました。
バカヨコももちろん素晴らしいですが、この試合でも孤立無援だったピョンテクの決定力の高さにはただただ脱帽です。
それはそうと、この試合前半のユーヴェは失点シーンに限らず守備組織がかなり杜撰だなぁと感じましたね。
プレスが緩かったり2ライン間が空きまくりだったりしてそこを簡単に突かれるなど、彼ららしくないパフォーマンスだったかなと。

―例えばこのシーンでは、チャルハノール(赤)が2ライン間に入り込んでスソ(黄)からのパスを引き出した

―このシーンでも2ライン間がかなり間延びしているため、スソが楽にボールを受けられた
というわけで前半はミランの1点リードで終了。
後半
○ユーヴェの逆襲
ユーヴェがハイプレスを再開。
そして攻撃も前半とはうって変わり機能し始めます。
その要因の一つはボヌッチでしょうね。
彼がパスの供給源となり、主に左サイドへのロングパスがズバズバ通ります。

―ドフリーでボールを受けたボヌッチ(青)が左サイドへと鋭いロングフィード
そしてSBのオーバーラップだったり2トップの一角がサイドに流れてきたりすることで、サイドで数的優位を確保しつつ相手バックラインを横に広げさせます。。

―ボヌッチからのロングフィードが通った後の場面。ミランSBのカラブリア(橙)が相手SB(サンドロ)とSH(スピナッツォーラ)という2人の相手をマークする数的不利に陥っている。
また、CBのムサッキオ(桃)との距離が大きく離れたことでミランにとって非常に危険なスペース(黒丸)が生じてしまっている
上記のようにサイドから機能的な攻撃を仕掛けられたことでミランの中央のスペースが空き始め、危ないシーンを作られるようになります。
ミランとしては、先制して完全にミドルブロックに切り替えたことでCB(ボヌッチ)へのプレスを止めたことが仇になりましたね…。
○2つの自滅①
59分、これまたボヌッチのロングパスから前線のディバラへとボールが渡り、エリア内でムサッキオに倒されてPKを獲得。
それを自らが決めて同点に追い付きました。
PK獲得のシーンですが、おそらくカラブリアはサイドに張っていたスピナッツォーラに注意が向きすぎていたのでしょうかね。
そしてムサッキオ…あの状況で無理にタックルを仕掛ける必要は…
○2つの自滅②
同点後は両チームともに攻勢をかけてオープンな展開に。
しかしキーン投入後、徐々にユーヴェが決定機を作り始め不穏な空気に。
後半から良くなってきたとはいえ、ユーヴェはそれほど複雑なことはしてないんですけどね。
まぁそれはミランも同様ですし、地力の差が出てきたということでしょうか。
すると84分、カラブリアのパスがインターセプトされ、最後は上述のキーンに決められ2-1と逆転されました。
カラブリアも不用意でしたし、リカロドも守備が…
年明け頃までは素晴らしかったはずですが、最近は良くないですね。
閑話休題。その後ミランはクトローネを投入して攻勢をかけますが追加点ならず。
試合は2-1で終了。
まとめ
積極的な攻めを見せて先制点を奪い、「これはイケるかも!」と思いつつも終わってみれば2-1の敗戦。
前述の通り前半のユヴェントスのパフォーマンスはかなり悪く、前半の内に複数得点奪えていれば違う結果にもなったのでは…と思ってしまいますね…。
この敗戦により4戦勝ち無しとなったものの、パケタ、ドンナルンマ抜きでこの試合内容は決してネガティブなものではありませんし、選手たちにはあまり引きずらないでもらいたいですね。
さて。次節の相手はラツィオです。
彼らはCL権争いの直接のライバルであり、その意味で彼らとの試合の重要度はユーヴェ戦の比ではありません。
絶対に絶対に勝利を収めて欲しいですね!
Forza Milan!
最後まで読んでいただきありがとうございました。